なんだかんだで写真の方をメインで使っていたので全然試せていなかったNikon Z9のファームウェアVer3.0で追加されたハイレゾズームを試してみました。
まぁ色々な所で紹介されているので今更感はあると思うんですが、使ってみた感想とかを書いてみようかなと思います。
ハイレゾズームとは
本来、Z9には8K動画を撮影できるだけのスペックを持っています。
4K撮影時にはセンサー機能をフルに使っていないので余裕がある状態になっています。
なので最大8Kで撮影しながらクロップすることで解像感を保ったままで2倍までのズームと同じ結果が得られるというものです。
なんとなく噛み砕いて言うとFX機でFXフォーマットのレンズ(例として24-70mm)を使っている時にDXに切り替えれば24-105mmのレンズと同じ距離で撮影が出来るのと同じ感じだと思えばいいんじゃないでしょうか。
厳密には違うかもしれないけど。
何が便利かといえば明るさを変えずに2倍ズームレンズを付けてるのと同じ結果が得られるわけです。
今回は28-75mm F2.8を使用しましたが、ハイレゾズームを使用すれば28-150mm F2.8のレンズを付けている感じで使えます。
そして本体内の機能なので付けるレンズを選ばない事が大きなポイント。
純正のZマウントで言えば20/1.8を使えば20-40/1.8になるし、自分が持っている35/1.8だったら35-70/1.8になります。
なんならフルサイズ対応のF0.95レンズがズームになっちゃうし、オールドレンズだろうがライカMマウントなんかのレンズだろうが何でも使える。
なんというかもう完全に異次元機能です。
使用するための設定
意外と簡単なんですが、実は意外と難しいのが設定。
トンチかよって思われるかもしれませんが、理由は読んでいっていただければわかります。
ハイレゾズームをONにする
メニューの中の【動画撮影メニュー】にある【ハイレゾズーム】をONにします。
ハイレゾズームを使用可能にするのはこれだけでいいんですが、これだけだとズーミングが出来ないので、カスタムボタンにハイレゾズームの機能を設定する必要があります。
カスタムボタンにハイレゾズームをセットする
意外と難しいのがこのカスタムボタンのどこに設定するかなんですよ。
こんな感じでレンズにFnリングがあればそこに設定すればいいんですが、おそらく大多数の常用レンズにそんなリングはついてません。
ではどうするかというと一つ目の方法は本体のFn1とFn2にハイレゾズームを割り当てる事。
これを設定するとボタンを押すだけでズーミングが可能になります。
但し、ズーム速度は一定(設定から低速/中速/高速を選べる)なので自分の好きな速度では変化させることはできませんが、ボタンを押す動作だけなのでかなりお手軽に使えます。
もう一つはピントリングをハイレゾズームに割り当ててしまう方法
これなら自分の好きな速度で調整できるので、被写体の速度とかに合わせてズーミングが出来るので、自分が思っている感じで使うことが出来ます。
但し、ピントリングを無くしてしまう事になるので、何かの際にマニュアルでピント調整が出来なくなります。
ピントリングにハイレゾズームを設定した時の落とし穴
iメニューにハイレゾズームを設定してみました。
ハイレゾズームをOFFにすればどうなるか。
OFFにするとハイレゾズームが使えないのは当たり前なんですが、ハイレゾズームをOFFにしたところでレンズのピントリングの割り当てはハイレゾズームのまま。
なのでリングを回しても何の反応もなくなります。
一瞬「あれ?」ってなったりするんですが、ピントリングにハイレゾズームを設定した場合はカスタムボタン設定でM/Aに戻してやらないとマニュアルでピント合わせが出来ないという状態になるので注意が必要です。
ハイレゾズームのON/OFFをフラグにして、ハイレゾズームに割り当てたカスタムボタンの設定をOFFの時は直前の設定に戻してONの時はハイレゾズームに切り替え、但しハイレゾズームに設定していない割り当て可能ボタンは変更しないという条件的なものか撮影メニューA~Dの設定で保持できるのをメニュー内容だけでなくボタンの割り当ても記録しておいて、切り替えればカスタムボタンの内容も変わるようにしてくれればもう文句は何もないんですけどね・・・
とりあえず使ってみて写真で切り出してみた
最近よく撮っている早咲きの桜をハイレゾズームを使って150mm F2.8相当で撮ってみました。
いつもなら身を乗り出して撮っているんですが、流石に150mm相当になるとかなり余裕のある感じで離れて安定した場所で撮影できるようになります。
ただ、動画のアスペクト比なのでちょっと違和感があるかもしれません。
なので3:2でトリミングしたものがこちら。
3:2でクロップすると3840*2160から3240*2160のサイズになります。
DXで撮影してクロップするのとどっちが・・・って感じにもなってくるかと思うので、
あくまで少ないレンズで持ち出して応急的に撮る感じならアリかなと思います。
動画としての効果は絶大ですけどね。
実際に使ってみるとどんな感じになるか
動画を作ってYouTubeにアップしているので興味がある方はご覧いただければと思います。