はじめに
昨日あたりに書いていたように、Eマウント用のマクロレンズとしてTAMRON 90mm F/2.8 Di III MACRO VXDを購入しました。
中華なMFのマクロレンズを除くと、AF対応のマクロレンズは選択肢が少なかったりするんですが、その中でもEマウントは純正マクロレンズは発売からほぼ10年選手ばかりとなっていて、少し割高感があったりします。
とはいえ、APS-C用の30㎜やフルサイズの50㎜はサードパーティーでも発売されていないので、選びようが無かったりします(;´Д`)
そんなマクロレンズですが、今回購入したかったのはロングレンジの90~105mmのレンズだったので、選択肢としてはシグマとタムロンが増える形になります。
キャッシュバックとか諸々の割引を考えれば実質13万円台で買える点や手ブレ補正がある事、昆虫を追うには純正の方がいいらしいというのは分かるんですが、昆虫を追う頻度自体が少ないハズなので価格面も考慮してタムロン90mmかシグマのArt 105mmの2本から絞る事にしました。
シグマかタムロンかで大いに悩む
どうしたもんかと色々と考えて最終的にタムロンのF072にしたわけですが、意外とこの辺りの焦点距離のレンズを買う時には純正も含めて迷うとは思うので、一応表にしてみました。
TAMRON 90mm F2.8(F072) | SIGMA Art 105mm F2.8 DG DN MACRO(A020) | |
焦点距離 | 90mm | 105mm |
焦点距離(APS-Cクロップ時) | 135mm | 157.5mm |
最大F値 | F2.8 | F2.8 |
最小F値 | F16 | F22 |
レンズ構成 | 12群15枚 | 12群17枚 |
最短撮影距離 | 0.23m | 0.295m |
最大撮影倍率 | 1:1 | 1:1 |
手ブレ補正 | なし | なし |
フィルター径 | 67mm | 62mm |
最大径 | 79.2mm | 74mm |
長さ | 126.5mm(ソニーE) 128.5mm(ニコンZ) | 135.6mm(ソニーE) 133.6mm(ライカL) |
重さ | 630g(ソニーE) 640g(ニコンZ) | 710g(ソニーE) 715g(ライカL) |
付属品 | フード(フィルター操作用窓付き) レンズキャップ(フロント・リア) | レンズケース フード レンズキャップ(フロント・リア) |
希望小売価格 | ¥126,500(ソニーE) ¥134,200(ニコンZ) | オープン |
実売価格 | ¥94,105(ソニーE) ¥99,864(ニコンZ) | ¥80,780 |
備考 | Lマウントのみテレコンに対応 |
恐らくカメラ任せのAFを含めてのトータルで考えると純正が一番という事になるんでしょうが、使用頻度がそこまで高くないとか、欲しいけどそこまでコストをかけられないという事を考えたらこの2機種が選択肢かなと。
シグマの方がAFは超音波モーターを使っていて、タムロンはリニアモーターで、タムロンの方がAFの動作は速いようですが、マクロで細かいピント調整をするのであればAFはそれなりでも良かったりしますし、寄ってハッキリ移したいのであればF22まで絞れるシグマの方が便利だったりという感じで、焦点距離も含めて微妙に用途とが違うというか、マクロ以外の部分も光量して好みで選ぶ方がいいのかなと思いました。
最初は某店のアウトレットでシグマ105mmが7万を切っていたのでそれでいいやと思っていたんですが、タムキューの方が発売日的にも一番新しかったし、最短撮影距離が短い事、重さもまだ軽いという事で選ぶ事にしました。
自分の感覚だと90mmの方が105mmよりもマクロ以外の普通に撮影する場合に扱いやすい焦点距離に感じているというのも大きかったです。
レンズの外観
パッケージ自体はいつもお馴染みのタムロンのボックス。

厚紙でできた#型のボックスに、レンズが左右から挟まれる形になって梱包されています。
昔に比べたらかなりの簡易包装なんですが、正直クリティカルなダメージが加わるような梱包じゃなければ全く問題ありません。
レンズを取り出したところ。

逆付けになったレンズフードのサイズが、レンズの半分以上を占めているので意外と邪魔(;´Д`A
ポートレートとか汎用的にレンズを使うよりもマクロ専用といった感じで使うのであれば、ねじ込みフードとか蛇腹フードを使う方が嵩張らないかもしれません。
レンズ本体自体は普通にシンプルなデザインになっています。

前から見たら前玉は全体的に見えているというわけではないのに前に向かうほど太くなっていきます。
レンズ左側にはAFリミッタースイッチとレンズFnボタンが搭載されています。

下の方にはType-Cのポートが用意されています。
剥き出しのポートが気になる方は市販のType-Cポートキャップを使うとか、ゴムリング的なものを鏡筒に巻いておくといいかもしれません。
フード自体は大きくて厚みがあるので、一昔前の一眼レフ時代のレンズフードのような感じがします。

しっかりしてるのはいいけど、デカいので使用時にはめっちゃ長くなります。
ただこのフード、側面にフィルター操作用の窓があるので、NDフィルターやPLフィルターを使用する場合にも操作しやすいようになっています。

結局、この窓と窓カバーをスライドさせるためにこのフードの長さになっちゃってるんですよね。
なので、フードなしの状態でα7CRにつけると、ちょっと大柄な感じはあるんですが、全然持ちにくいとか扱いにくいといったことはありません。

感覚的には同じタムロンの28-200mmあたりをそのまま縮長で持ってる感じ。
ただやっぱりフードをつけた途端に大型レンズ張りの巨大感が出てきます。

まぁ大きな問題はないんですけどね・・・
室内でのマクロ撮影テスト
とりあえず、レンズをカメラにつけたのでテスト撮影をしてみました。

目にフォーカスを合わせて、普通に寄ってシャッターを切っただけ。
ちょっと暗くなっているのはフードが原因だったりします(´・ω・`)
上の写真はミニ三脚に固定してシャッターを切ったんですが、実際にどんな感じなのかを上から撮った写真で見るとこうなってます。

そりゃフードで陰になるよね・・・って状態なのがわかると思います。
じゃぁフードを外して撮ればいいって話になるんですが、何も遮るものがない状態になってしまうんですよね・・・
流石にフードをしていない状態で落とすなんて事はレアかもしれませんが、レンズキャップをしていないとフィルターまたはレンズ前玉が最先端になってしまうので、色んなものに当たったりしてしまう可能性が高くなります。
なので、付属のフードが邪魔だなぁって方はマクロ用として伸縮できるラバーフードの方がいいのかもしれません。
実際に花を撮りに行ってきました
鶴見緑地に行ってきたんですが、ひまわりはもう見頃を過ぎている感じで、向きもあまりいい方向を向いていないので風車といい感じには撮れませんでした。

マクロレンズとはいえ、中望遠のレンズとして普通に使えるので、ちょっと離れ気味で撮る分にはいい感じでした。
無駄にF2.8で頑張ってたため、あまりにも日差しが強い天気のせいで空が思いっきり白飛びしています(´・ω・`)
無駄にひまわりの花びらの先端にピントを合わせて撮ってみました。

そこの部分だけを切り出し。

900ピクセルに縮小しているのでわかりにくいですが、オリジナルだと花びらの縦筋とか表面の粒感までハッキリと写ってます。
後ろのグラデーションも十分に綺麗。
ミツバチが蜜を集めに来ていたので、昆虫AFにして撮ってみました。

当然ながら小さいのでミツバチのあたりを部分切り出ししています。
ちょうど散水の時間に被ってしまったので、ひまわりの花びらについた水滴を狙ってみました。

流石に開放だとピントが薄いのでF5まで絞ってます。
近くにいたバッタも撮ってみました。

これもF5。
ニコンやLUMIXには動物認識はあっても昆虫認識はないので、こういった時にはSONYは楽しいです。
最短撮影距離が短いので全然テーブルフォト自体も問題はないんですが、流石に焦点距離が90mmなのでかなりアップに写ってしまいます。

小さめのものならいいんですが、ある程度のサイズになるとテーブルの向かい側に置かないと厳しいかもしれません。
しかし、めっちゃ綺麗に写りますね。
タムキューといえばちょっと緩い感じのイメージがあったんですが、開放でも全然緩すぎるといった事はなく、マクロ撮影だとただただ綺麗という印象でした。

一方、マクロではなく通常域での撮影になると絞り開放でも意外とシャープになります。

ある意味ではシャープさがマクロレンズらしいといえるんですが、本当にマクロ以外でもオールラウンダーなレンズですね。
普通に立った状態でサボテンの花を撮ってみました。
書き忘れてましたが、家を出る時にストラップを付け替えるのを忘れていて、通勤時と同じハンドストラップのまま撮影しています。

そんな状態でも無風ならバチッと止まってくれます。
花粉の粒感とか花びらの白っぽく光が当たっている部分の透明感とか、なんかもうたまりませんね。
モンシロチョウが止まっていたのでAPS-Cにクロップして撮影しました。

小さなものから遠くのものまで、関係なく普通に使えますね。
焦点距離がクロップしても135mmくらいなのですこし短いと感じる場面もあるかと思いますが、クロップしても2600万画素相当なので、そこからトリミングをしてもそれなりに画素数が残るのでAFの速度とかを考えたらタムキューにして良かったと思います。
ちなみにめっちゃ小さなものを撮る時にはリニアモーターとはいっても速度は遅くなるので、こまめにフォーカスリミットスイッチを切り替えていました。

この花も小指の爪の1/4くらいのサイズしかないんですが、トリミング無しのフルサイズでこれくらいに写ります。
流石に90mmだとある程度のサイズ感の花には厳しいんですが、基本的にはマクロレンズ主体で行くとめっちゃ楽しいなと思いました。
フードのことは上でも書きましたが、いくつかの撮影ではフードを外して撮影する場面がありました。
フードの影が入るとか、フードで影ができるとか、気がついたらフードが枝なんかに当たってたとか・・・
とはいえ、寄れてしまう分だけちゃんとフードがある方がいいなというジレンマはありました。

どこかに転がってそうなラバーフードのサイズを調べてみようかなぁ・・・
まとめ
色々と考えてTAMRON 90mm F/2.8 Di III MACRO VXDを選んだわけですが、個人的には大正解だったと思います。
シャープながらも柔らかさもあるし、前ボケも後ボケも嫌な感じもなく綺麗ですし、焦点距離的にもマクロ以外で使う場合にも扱いやすくて、ガチのスマッシュヒットなレンズでした。
マクロが好きなのもあるんでしょうけど、確実にこのタムキューを買った事で自分のQOLが上がったなと感じる撮影ができたので、頑張ってでも買って良かったなと思いました。
ま、他にもあれこれ欲しいレンズはあったりするんですが、とりあえずはこれで急いで買うようなレンズは無くなった感じなので、マクロ撮影を楽しみながら今年の残りを過ごしていこうと思います。