はじめに
自分は35mmの焦点距離が好きだったりします。
フィルムカメラが全盛期の頃は35mmよりも50mmの方がかなりリーズナブルだった事もあって、50mmを使う事が殆どだったんですが、今ではどちらかというと35mmの方がしっくりくるようになりました。
そんなわけで35mmのレンズの中でもずっと欲しいものがありました。
それがライカのズマロン35mm F3.5とELMAR 35mm F3.5の2本。
ズマロンに関してはレンズが曇ったものが多く、案外状態のいいものが出にくいので悩んでいるうちに気軽に買える価格じゃなくなったというのがあります。
一方のエルマーは意外と中古で出回る事が多くないので、悩んでいるうちに・・・という感じですね。
まぁこの8年ほどで中古レンズの価格が倍くらいに跳ね上がったりしているのでほぼ諦めてはいたんですけどね(;´Д`)
そんな中、フォクトレンダーからフォクトレンダー COLOR-SKOPAR 35mm F3.5 Aspherical VMが発売されるというアナウンスがありました。
見た目はまんまELMAR 35mm F3.5のオマージュといった佇まい。
めっちゃ欲しい!
とは思ったんですが、買えるような余裕もないので半分諦めのような気分になっていたわけです。
とはいえ、最近のフォクトレンダーのレンズってある程度作ったら終了みたいな部分があるので悩んでいた部分はありました。
流石に2~3年で終わりという事は無いですが、今までの傾向から買わないうちに生産終了というパターンにハマっちゃいそうかなぁと・・・(´・ω・`)
いや、もう遅かれ早かれ買うのであれば大して変わらんという事で、めっちゃ思い切ってマップカメラでローンを使って購入しました。
もう清水の舞台どころか通天閣からDIVEするレベルだったりします。
あと、最近自分がスタンダードとして使っているNextorageのSDカード(UHS-II V60 256GB) NX-F2SE256Gが特価品の¥7,980になってたので一緒に注文しました。

最近はAmazonのセールでも1万円をギリ切るくらいになっちゃってるのでマジ有難かったです。
とりあえずNikon Z50のSDカードはこれにリプレースしようと思います。
ワクワクしながらの開封
今回のCOLOR-SKOPAR 35mm F3.5 Aspherical VMのように見た目で気に入って買ったレンズだと当たり前かもしれませんが、開封の時にはめっちゃワクワクするんですよね~

逆にAFのレンズなんかだと「実用品」という感覚になるのか、使う時にちょっとワクワクするのはあるけど、開封の時にワクワクするってのは殆どないかもしれないなぁ・・・
安心のフード、フィルターが付属
カラーはシルバーとブラックペイントの2タイプが発売されていますが、自分はブラックペイントを購入しました。
シルバーのレンズにもめっちゃ惹かれてはいるんですが、どちらか一方しか袖を振れないのでレンズ単体で好きな方を選びました。
パッケージ内容は以下の通りです。

レンズ本体、専用のレンズフード、ほぼ専用の液晶保護フィルター、レンズフードを使用する場合と使用しない場合で2種類のフロントレンズキャップも付いています。
今回は特殊なタイプのレンズフードなので付属になってますが、VMマウントレンズは地味にフードが別売だったりするので、一律で付属にしてくれないかなぁ・・・
ミラーレス版は距離計連動が無いのでコストが安いのもあるんでしょうが、フードが付属だったりするので羨ましいんですよね・・・
地味にフードも高いからなぁ・・・
付属のフィルターとレンズフードがカッコイイ
上で付属している液晶保護フィルターが「ほぼ専用」と書きましたが、こんな感じになっています。

フロント側にネジ山が無く、完全にレンズを保護するだけの超薄枠フィルター。

厚さが1.1mmしかないのでめっちゃ有用性が高いんですが、34mmなので付けられるレンズはかなり限られてきます。
自分の手持ちなんかだとズマールが34mm。
レンズフードも今回のCOLOR-SKOPARと同様の取り付け方なので、内側に伸びたフレームでケラレが出ないようならそういった34mm径のレンズに使うとめっちゃいいかもしれません。
34mmだとほぼ定番のマルミのフィルターよりもスッキリしたデザインですしね。
まぁ仮に別売されたとしてもマルミの倍じゃすまない金額でしょうけどね(;´Д`)
そしてレンズフード。
左側にあるネジを使ってレンズに装着します。

レンズフードを取り付けると絞りリングの指標が隠れてしまうので、レンズフードの下側に指標になる白いラインが用意されています。
反対側にも指標があるので、右側でも左側でもどちらにネジを持って行っても確認できるようになっています。
レンズフードキャップを外したフードの中はこんな感じ。
まさに古いタイプのライカ用レンズフードといった佇まいをしています。

先ず、レンズにフィルターを取り付けてからフードを被せて取り付ける形になるので、フード用の被せ式レンズキャップがキチンと装着できます。
また、フードを使用しない場合のレンズキャップをフィルターを装着した上から取り付けた場合も、フィルターが極薄枠なのでレンズキャップがしっかり装着できるので問題はありません。
この辺りは自分のところでフィルターまで出しているのに、装着したらレンズキャップが使い物にならないなんてケースがある中華レンズなんかにも見習ってほしいトコロですね。
可愛くてカッコイイレンズ本体
レンズ自体の本体重量はわずか『99g』。

樹脂製のコンパクトなレンズ(例えばSONY E 16mm F2.8は67g)ならもっと軽量なものがありますが、真鍮製の外装で99gというのはレンズ自体がとんでもなくコンパクトだからで、マウント面からの全長は14mmしかありません。
そんなに小さかったら操作しにくいやろって思われるかもしれませんが、距離計に関してはノブが付いてますし、絞りに関してもフード自体が絞りリングに取り付ける形になるので、フードを回転させて絞りを操作できるので、操作性は全く低下していません。
最短撮影距離もELMAR 35mm F3.5が1mだったのに対し、COLOR-SKOPAR 35mm F3.5 Asphericalでは70cmとなっています。
これはマジで扱いやすくなったと思います。

フィルターを付けても見た目がそこまで変わらないのがいいですね。
フィルターの枠にもVOIGTLANDERの文字が刻印されているようなんですが、レンズに装着するとかなりうるさい感じになるという判断か白の墨入れはされていません。
レンズフードの取り付け方
上でもちらっと書いていますが、このレンズフードは絞りリングを回す役目も兼ねています。

なので、レンズの絞り指標とレンズフードの指標が重なるように装着します。
そのままレンズフードを固定するためのネジをしっかりと締めます。
レンズにフードを取り付けた状態がこちら。

F3.5のところに指標が来ているのが確認できると思います。
そのままレンズフード自体を回すと絞りが変わっていきます。
ねじの位置が変わっているのが確認できますね。

ちなみに絞りはクリック感のあるタイプで、解放がF3.5、最小がF22となっています。
実際に使うときなんですが、『先に絞りを決めておいてからピント合わせを行う』方がいいんじゃないかと思います。
というのも、ピント合わせをしてから絞りを変えようとすると、ピントリングを押さえておかないと絞りと一緒に微妙にピントリングも動いてしまうんですよね・・・
素直な使い方が一番いいんだと思います。
ブラックは6ビットコード非対応の件
今回、自分が購入したこのColor-Skopar 35mm F3.5のブラックペイントモデルはマウント部までブラックペイントになっているので6bitコードを読み取りに対応したカメラだとレンズが認識できないのでレンズ検出をOFFにして使うようにというコメントがあります。

あんまりレンズのマウント側の写真って出てなかったので載せておこうかと思いますがものの見事にブラック。
一応ライカM10-Rではレンズ検出はオートのままでも問題なく動きましたが、変にレンズエラーを吐く可能性もあるのでOFFで使う方が安全かもしれません。
ライカM10-Rに装着してみた
早速、COLOR-SKOPAR 35mm F3.5 Aspherical VMをライカM10-Rブラックペイントに装着してみました。

・・・・やだ、めっちゃカッコイイ!!!
当然ながらシルバーのレンズでもカッコいいのは間違いないと思うんですが、一体感が凄くいいんですよね。
いやー・・・・・・・・・・たまらんね。
そしてレンズフードを装着した状態。

もうね、正直この状態だけでも買った満足感がありますw
上から見るとこんな感じ。

無限ロックかツノ型のノブかの違いだけなので、使い勝手は全く問題なし。

最短撮影距離まで来るとここまでノブが来ます。
そして左止めしていたフードのネジが右側に見えるくらいの位置までやってきます。
因みに絞りとピントの操作ですが、慣れたら左手の親指で絞り(ネジ部分)を、中指か人差し指でピントのノブを操作できると思うので、かなり自由自在に扱えそうな感じがしますね。
実写
早速持ち出して色々と撮ってみました。
と言いたいところなんですが、なんか色々バタバタしてたらあんまりガッツリと撮れなかったです・・・(´・ω・`)

あまりにもM10-Rを持ち出してなかったので、バッテリーが切れて日付がえらい狂ってました(;´Д`)
昨日の記事でも書いたんですが、日差しが強いのでめっちゃ撮り難さがあります。
レンズの操作感は普通にいいので、スッと合わせてサッと撮るが軽快に出来ますね。

首から下げたカメラがぶらぶらするので左手で押さえようとしたら、レンズがコンパクトすぎて、指先がフードの中に入っちゃってフィルターに当たったりもしたので、万が一のことを考えたらフィルターはちゃんと付けておいた方がいいかもしれません。
基本的にスナップ的な撮影向きなので、モッコウバラもこんな感じで引きの撮影になります。

見た目はめっちゃクラシカルなスタイルだけど写りはあまり癖のない現代的。
寄れないとはいえ、八重桜のように花が集まって少し大きめになっているようなものなら、かなりシッカリと寄った感じで撮れます。

上の写真と同じ場所で少しだけ角度を変えて横アングルで。

後ろのボケも嫌な感じのボケ方は全くありません。
路地の一番奥の家に向かって無限遠で撮った写真。

多分F5.6辺りで撮ったと思いますが、写りそのもので気になるような所はないかな。
この写真だけ横アングルで撮った写真を縦でトリミングしています。

4000万画素のM10-Rなので横から縦に切り出しても十分ですね。
因みに元の写真がこちら。

何の花か分からないけど、形が変わってて面白い感じだったので撮ってみたんですよね。
なんかビルが歪んでるというか若干手前に反って見える(;´Д`)
ピントはほぼ中心点で、おそらく7~10m辺りにピントリングが行ってたんですが、なんか微妙に反って見えてしまうんですよね。

スマホで写真を表示して定規を当ててみたらほぼ歪んでないので、角度的なもので目が錯覚しているのかもしれません。
あんまり撮り歩けなかったので、今度また色々と撮り歩いてみたいと思います。
まとめ
久しぶりの70cm縛りはなかなか遠く感じましたけど、コンパクトで軽量、かつよく写るうえにビルドクオリティも高くて所有欲も満たされるというドストライクのレンズでした。
以前所有していたCOLOR-SKOPAR 35mm F2.5Pはコスパは良くて写りも悪くなかったんですが、所有欲が満たされるかどうかというと微妙だったんですよね・・・
コンパクトで十分にいいレンズだったけど、何か物足りない部分があったのに対して、今回のCOLOR-SKOPAR 35mm F3.5は満足感が半端ないので、小型レンズが好きな人には思いっきりぶっ刺さるんじゃないでしょうか。
厚さがほぼ無いのでマウントアダプター経由でミラーレスで使っても十分にコンパクトですしね。
まぁかなり無理しちゃったので当面はカメラ関係の主要アイテムは買えそうにないですが、年末辺りにはこのレンズを活用する為にヘリコイド付きのマウントアダプターを買っちゃおうかなぁ・・・