α6700用として使うためにE 30mm F3.5 macro(SEL30M35)を購入したわけですが、意外にかなり良かったのでレビューしてみたいと思います。
かなり昔のレンズなのにリニューアルもされていないので、今更買うのもどうかと思われている方がいらっしゃるかもしれませんが、その点も説明していこうかと思います。
購入時の感想は以下の記事でご覧いただけます。
SONY E 30mm F3.5マクロレンズ(SEL30M35)を買ってきた
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E 30mm F3.5 Macroはマクロ入門用として最適なレンズ
E 30mm F3.5 macro(SEL30M35)は2011年9月22日に発売されたレンズで、ソニーがEマウントのミラーレスカメラとして発売していたNEXシリーズ用のマクロレンズとして発売されました。
Eマウント用としては初のマクロレンズだったようです。
まだまだコンデジかデジタル一眼レフかといった時代だったので、その当時の自分はNEXに対してはどっちつかずな中途半端な立ち位置というイメージを持っていました。
また、その当時のコンデジはシルバーボディが一般的だったのもあって、Eマウントのレンズもシルバーで展開されたのだと思いますが、カメラ本体のカラーがブラックという感じになった現在では、このシルバー鏡筒が合わないと言われるのも仕方がないことかもしれません。
そんなE 30mm F3.5 macroですが、実際にα6700で使用してみると10年以上も現役で販売され続けているのは伊達ではないことが分かります。
マクロに限らず交換レンズとして購入する最初の1本にも丁度いいかもしれません。
SONY E 30mm F3.5 macroの基本スペック
対応撮像画面サイズ | APS-Cフォーマット |
焦点距離 | 30mm(フルサイズ換算45mm) |
レンズ構成 | 6群7枚 |
開放F値 | 3.5 |
最小F値 | 22 |
絞り羽根枚数 | 7枚 |
最短撮影距離 | 0.095m |
最大撮影倍率 | 1.0倍 |
フィルター径 | 49mm |
手ぶれ補正 | 非搭載 |
外形寸法 | 62mm(径)x 55.5mm(長さ) |
重さ | 138g |
フード | ALC-SH113(被せ式・レンズに付属) |
APS-C用としても軽量な138gの重さに加え、最短撮影距離が9.5cmまで寄れて等倍撮影が出来るという大きな魅力があります。
9.5cmはセンサー基準点からの距離になるので、レンズの長さなどを考えると、レンズ先端から1.65cmまで寄れる事になります。
フードまで考えるとほぼベタ付きと感じるくらいまで寄る事が出来ます。
鉄製物差しがこんな感じで写ります。
寄れる半面、レンズ自体や自分の影が被写体に入ってしまうとか、距離が近すぎるので逆に扱いにくいと感じる部分はあるかもしれませんが、撮り方や扱い方次第かなとも思います。
また、E 30mm F3.5 Macroには手ぶれ補正が搭載されていないので、ボディ内手ぶれ補正のないα6400よりはボディ内手ぶれ補正のあるα6500以降の方が多少暗い場所でも扱いやすいのではないかと思います。
手持ちマクロだとちょっとしたブレがモロに響いてきますしね。
ただ、α6400をがっちり使ったことがないので、実際にはそこまで気にする事もないのかもしれませんけどね・・・
シルバーが合わないと言われるけど、使っていると気にならない
同じ頃に発売されているE 50mm F1.8 OSSの方はブラックが発売されているのに、E 16mm F2.8とE 30mm F3.5macroはシルバー鏡筒しか発売されていません。
E 50mm F1.8 OSSのようにブラックを出してくれりゃいいのにという気持ちも当然あるんですが、例えば初心者の方が分かりやすく魅力があるように見えるのはボケやすいE 50mm F1.8 OSSの方でしょう。
なので、2本目としてE 50mm F1.8を選ぶ人が多く、ブラックも展開したのではないかと思われます。
それに対してE 16mm F2.8とE 30mm F3.5macroはわざわざコストを掛けてブラック鏡筒を用意するだけのメリットがメーカー側になかったという事なのかもしれません。
実際にブラックボディにシルバーアルミの鏡筒は不格好で気に入らないという方が多いのもわかります。
ただそれはこんな感じでカメラを眺めている時だけの話で、実際に使ってるとそんなに気にならないかなぁ。
まぁフードと色違いというギャップがあるので違和感が無い事は無いんですが、使ってるとどうでもいいかなと思います。
そもそもオールドレンズとか付けてりゃシルバーのレンズにブラックのフードとかは普通にあるし。
マクロ用途でなくスナップなどの普段使いに十分な性能
古いレンズですが、ファームウェア「02」でファストハイブリッドAFが使用可能なので、現行のレンズと何ら遜色なく使用する事が出来ます。
寄らなければ解放F3.5の標準レンズとして使えます。
等倍観賞するなどで周辺が気になる方やマクロレンズならカリカリシャープな写りじゃないとって方でなければ、十分に楽しめるレンズだと思います。
APS-C用としてコンパクトなサイズと重さ、ちゃんとした写りなので、普段使いのレンズとしてカメラに付けて持ち歩いてもそんなに苦になるようなものでもありません。
マクロからスナップまで十分に使えるレンズなので、無目的ならこれ1本で出ても十分に事足りるレンズだったりします。
上でも書きましたが、ボケやすさからE 50mm F1.8 OSSを選ぶ方が多いと思います。
E 50mm F1.8 OSSはフルサイズだと75mmのレンズと同じ画角になるのに対し、E 30mm F3.5 Macroはフルサイズだと45mmのレンズと同じ画角なので、E 30mmの方が単焦点の標準レンズとして扱いやすいのではないかと思います。
価格的にはどちらも新品で3万円くらいなので、α6400等のAPS-C機を購入してカメラを始めた方は悩むかもしれませんが、マクロしか撮れないわけではないので、最初の交換レンズとしての選択肢に十分挙げられるレンズだと思います。
F3.5の開放値でも十分にボケます
マクロレンズといえばF2.8という印象がありますが、最短撮影距離の差を考えるとF3.5でも全く問題ありません。
上の写真も下の写真も寄って開放絞りのF3.5で撮ったものです。
寄れば寄っただけ、平面でなければピントの合う部分が少なくなるので、上の花のように被写体をしっかりと撮るためには平然とF8とかF11とか、なんならもっと絞り込む必要があります。
フルサイズ用だと最短撮影距離が20cm前後のマクロレンズが多い事を考えると、それらよりも寄れるレンズなので解放F値がF3.5でもF2.8でも気にする必要はないかと思います。
逆にスナップなんかの用途にも使うのであればF3.5くらいの絞りの方が、開放で使っても撮り易いかもしれません。
別にマクロで使わなければいけないって事もないので、最短まで寄らなくても自分好みの距離で扱えばいいですしね。
気軽に撮れるので、ついつい寄って撮りたくなってしまう自分のような人間には本当に便利なレンズだと思います。
F3.5でも最短撮影距離になってくると、ほんの少しの凹凸でもボケていくので、『F3.5だからなぁ』っていう理由で敬遠しているのであれば、それはちょっと勿体ないかもしれません。
通常のマクロレンズでも十分に楽しいんですが、レンズ先端ギリギリまでという他のマクロレンズよりも全然寄れるので撮るのが楽しくなります。
右手でカメラを持って、風で揺れている花を左手で軽く押さえながら左の手首あたりにカメラを乗せて固定して撮るなんてことも容易に出来るので、他のマクロレンズよりも便利に扱えてます。
上の写真も花にレンズを突っ込みながら撮影しています。
実写
唯一の欠点
実際に使い始めてからE 18-135mmよりも E 30mmマクロを持ち出す事がかなり多くなりました。
使い勝手も良くてコンパクトなので、基本的に文句はない感じなんですが、唯一欠点といえる部分があります。
それは防塵防滴に配慮されたレンズではない事。
今時のレンズであれば防塵防滴に配慮した作りになっていますが、このE 30mm F3.5マクロは古いレンズな事もあって防塵防滴に配慮したシーリングは行われていません。
同時期のE 16mm F2.8やE 50mm F1.8等もそうですが、防塵防滴仕様でないので雨の日の使用なんかにはちょっと気を使う必要があります。
買うなら新品の方が安心
新品での購入価格は約3万円です。
販売期間が長く中古市場には結構潤沢に玉がある状態で、価格的には1.5万円くらいから美品で2万円くらいとなっています。
新品の半額~2/3くらいの価格で買えるので、マクロの使用頻度が少ない方なら中古で買うのもアリだとは思います。
オールドレンズと違って選びやすいとは思いますが、マニュアルのレンズとは違って内部のモーター劣化などは目に見えないの為、美品でも製造時期が古くてすぐに調子が悪くなったりという当たり外れがあると思うので、中古で購入されるのであれば、中古品でも保証のあるお店で購入されることをお勧めします。
自分も最初は中古で買おうかと思ったんですが、レンズの状態とかであれこれ悩むくらいならというのと、大きくはない差額の為に何かしらのトラブルを引くのも嫌だったので、ソニーストアで3年ワイド保証をつけて新品購入しました。
自分の運気が悪い時に中古で買ったりすると不具合に遭うことも多いし、他のマクロレンズではなくE 30mm F3.5 macroを買って長く使うと考えたら、新品の方がいいかなと思ったんですよね。
何気にマクロレンズは使用頻度も高いですし、上でも書いたように、このレンズは防塵防滴ではないので、雨に濡れての故障や落下などのトラブルでもワイド保証があれば安心ですしね。
まとめ
E 30mm F3.5 macroはフルサイズ換算で45mmとなり、APS-Cセンサーを搭載した機種ではとても扱いやすいレンズだと思います。
FE 50mm F2.8 Macroも選択肢に入るとは思いますが、フルサイズに換算すると75mmの焦点距離になるのでテーブルフォトなどに使うのは少々扱いにくい画角になってしまいます。
また、自分は最短撮影距離が短い方がニーズに合っていた事もあって、FE 50mm Macroは検討しませんでした。
マクロやテーブルフォト、普通のスナップなど、マルチで使える点や実売価格で約2.8万円という入手しやすい価格であることを考えると、E 30mm F3.5 macroは初めてのマクロレンズとしても初めての交換レンズとしても最適なレンズなのではないかと思います。
単焦点なのでズーム操作が必要なくて片手でサッと撮れるし、自分の好みの距離まで寄って撮影できるので、α6700にほぼ付けっぱなしにしています。
使用頻度や使い勝手なんかを考えると、個人的にはめっちゃ買ってよかったと思えるレンズです。
もし、Eマウントのマクロレンズを探しているのであれば、古いレンズだからと切ってしまわずに、一度試してみて貰いたいと思います。
| ソニーストアで購入する ソニー APS-C用 30mm F3.5マクロレンズ SEL30M35 |