Amazonプライムデーに購入したアストロリの50mm F2ですが、ブラックミストフィルターの方をあれこれやってたので全然なのかと思われるかもしれませんが、個人的にはかなりぶっ刺さっているレンズだったりします。
TTArtisan 50mm F2のLマウント版が生産終了になっているので、価格とかを考慮してアストロリの50mm F2を選んだという消極的な選び方でしたが、使ってみると思った以上にいいレンズなんですよね。
F2と言いながら開放F値がF1.7まで使えるのも地味に嬉しいですし、変な癖もなく、シャープさはあるのに硬すぎない写りは確実にお値段以上の良さがあります。
今回の写真はLUMIX S9にAstrHori 50mm F2を付けて、カラーの者はLUT:Retrostyle709、モノクロはLeicaモノクロームで撮影したJPEG撮って出しになります。
9/1までにLUMIX S9を購入するとプレゼントされるLUMIX S 26mm F8はスナップ向けのレンズになりますが、かなり広いので意外と難しかったりします。
その点、標準レンズと言われる50mmだと必要な部分だけを切り取り易いので、とても使い勝手がいいんですよね。
LUMIX S9はフルサイズセンサー機なので、AstrHori 50mm F2はストレートに50mmとして使えます。
最短撮影距離は47cmですが、ヘリコイドなしのマウントアダプターでMマウントレンズを使うよりも全然寄れます。
AFが効くレンズの方が当然楽なんですが、マニュアルフォーカスでEVFもないのでピント合わせが難しいという事も全くないので、普通にこのレンズでいいかなと思ったりしてます。
EVFレス機を使った事が無い人だとピント合わせに慣れが必要だと思いますが、Nikon Z30のようなEVFレスのカメラを使っていた人なら問題なく使えると思います。
普段だともっと寄れるレンズで最短撮影距離まで寄って撮りがちなんですが、最短撮影距離が長いのとF値が明るいのでゴチャッとした密集した場所でなければ普通にいい感じに仕上がります。
中華レンズだと同じ価格帯でもAPS-C用レンズが多いわけですが、周辺がちょっと流れたりボケに特徴が出たりするものが少なくない事を考えると、フルサイズ対応で素直な写りのアストロリ 50mm F2は本当に使い勝手がいいレンズです。
神社近くを歩いていると、蝉を見つけました。
手を伸ばしても少し届かないくらいの位置でしたが、寄っても全然逃げる様子もなくてしっぽが動いていたので、もしかすると産卵していたのかもしれません。
蝉の隣には抜け殻があって、なんか命の繋がり的な感じが1フレームに納まっていました。
50mmでもちょっと遠かったので、この写真だけクロップズームを使って焦点距離を99mmにして撮影しました。
LUMIX S9には他社のカメラのようなフルサイズとAPS-Cに撮像範囲を切り替えるといった機能はありませんが、最小撮影サイズを指定することでそのサイズで撮影できる倍率まで焦点距離を延ばす事が出来ます。
撮影範囲を狭くすることで、焦点距離を延ばすので、実質的にクロップしているのと変わらない感じになります。
クロップズームを使うと、指定した最小画像サイズに合わせて以下の通りの疑似ズーム撮影が可能になります。
最小画像サイズ | L | M | S | XS |
画素数 | 2400万画素 | 1200万画素 | 600万画素 | 250万画素 |
画像サイズ | 6000x4000 | 4272x2848 | 3024x2016 | 1920x1280 |
最大倍率 | 1倍 | 1.4倍 | 2倍 | 最大倍率まで |
因みにAstrHori 50mm F2を使用した場合、Mだと70mm、Sだと99mm、XSだと156mmまでのズーム撮影が可能になります。
正直、1.4倍のクロップだと『まだ短い』という場面が多いので、クロップズームを使用するのであればSサイズあたりを指定しておく方がいいかと思います。
ズーム操作は液晶パネル内の引き差し操作バーでズーミングが可能です。
これらはクロップズームをON/OFFする場所の下に設定があって、その中で選択が出来ます。
また、『記録サイズの固定』というものがあって、ONにすると常に指定した最小サイズでの撮影になります。
OFFにしておけば、クロップズームを操作しなければLサイズのまま記録され、クロップズームを使用した時だけ撮影サイズが変わるかたちになる為、一時的に距離を稼ぎたいといった使い方をするのであれば、OFFのままの方がいいかと思います。
画素数を見ると躊躇しそうですが実際にXSサイズにして猫のアップを撮った時でも滅茶苦茶荒いといった感じは無かったので、SNSなんかだけで使うのであれば活用していった方がいい機能なんじゃないかと思いますね。
ちょっと話が逸れましたが、マニュアルフォーカスレンズで適当な位置でピント固定が出来るため、3~4mくらいに合わせておくと歩きながら気になったものがあった時にも余裕で撮る事が出来ます。
ピーキングをONにしておけば微調整で済むので、モニターが見れるのであれば歩きながらでも普通に撮れます。
ノールックだったらもっと絞り込んでおけば大体合うんじゃないでしょうか。
実際にはどんなカメラでも出来る事ではあるんですが、大柄なカメラに比べると目立ちにくくていいかなと思います。
今回は上でも書いたようにLeicaモノクロームを使用していますが、粒状感をプラスしています。
黒の表現が綺麗なLeicaモノクロームですが、ド逆光になる撮影だったので、めっちゃ露出補正を掛けてます。
ちょっとピントが奥過ぎましたが、まぁこういったのもアリでいいのかなぁなんて思ったりもします。
思いっきり露出補正を掛けてやればLeicaモノクロームらしさは無くなってしまうんですが、普通のモノクロームで撮るよりも明暗が強く出て面白いんじゃないかと思います。
LUMIX S9ってコンパクトなフルサイズというのもありますが、自分好みの絵作りをしやすいカメラだと思っています。
そういった面では個性的で癖のあるレンズよりも素直な写りをしてくれるレンズの方が使い勝手がいいんじゃないかと思うので、あまり癖のないアストロリの50mm F2はかなり自分の好みにマッチしたレンズだったと思います。
テーブルフォトには向かないけど、普通にスナップとかをするのであれば十分に使えるレンズだと思うので、レンズは欲しいけど安く済ませたい&マニュアルフォーカスでも気にしないという方は是非一度試してみて貰いたいレンズだと思います。