はじめに
昨今、デジカメの値段もレンズの値段も上昇一途を辿っているわけですが、Nikon Z50IIが今時のデジカメとしてはリーズナブルで高スペックだったり、Zfcのデザインが好きで初めてデジカメを買った人も多いんじゃないかと思います。
ダブルズームキットか16-50mmのレンズキットを買われた方で、交換レンズを買ってみようかなと思われた方も居られるかと思うので、今回は個人的にニコンのDX機の最初の追加レンズにはNIKKOR Z DX 24mm f/1.7がオススメなので、なぜそうなのかという事を書いてみようと思います。
3本の矢ではあるけど、やっぱり最初はDX 24mm
ニコンに限らず交換レンズの価格は上がっていますし、オープン価格になって昔に比べると割引率なんかも下がっているので、普通に買おうと思ったらしれっと7~10万くらい出さなきゃいけない状況になっています。
そんな中、メーカー側もリーズナブルで買いやすいレンズを用意していて、ニコンの場合は3本(バリエーションを入れると5本 )のレンズがこれに当たります。
それが以下の3本です。
- NIKKOR Z 28mm f/2.8 (クラシックスタイルのSpecial Editionアリ)
- NIKKOR Z 40mm f/2 (クラシックスタイルのSpecial Editionアリ)
- NIKKOR Z DX 24mm f/1.7
上の2本はフルサイズ対応ですが、名前にDXが入っている24mmはDX(APS-C)用となります。
フルサイズ機にも装着できますが、クロップされてしまうのでフルサイズの24mmとしては使えません。
そんなNIKKOR Z DX 24mm f/1.7がなぜ一番オススメなのかという点ですが、以下の表に3機種の違いを書いてみます。
APS-CであるDX機で使う場合は焦点距離が変わる
ザックリと気になる主要部分だけをまとめてみました。
NIKKOR Z DX 24mm f/1.7 | NIKKOR Z 28mm f/2.8 | NIKKOR Z 40mm f/2 | |
フルサイズ(FX機)での焦点距離 | DXクロップされて36mm | 28mm | 40mm |
APS-C(DX機)でのフルサイズ換算した焦点距離 | 36mm | 42mm | 60mm |
最大F値 | F1.7 | F2.8 | F2 |
最小F値 | F11 | F16 | F16 |
最短撮影距離 | 0.18m | 0.19m | 0.29m |
寸法 | 約70mm x 40mm | 約70mm x 43mm | 約70mm x 45.5mm |
重さ | 約135g | 約155g | 約170g |
レンズフード | 付属 | 別売(純正無し) | 別売(純正無し) |
ニコンダイレクト価格 | ¥40,700 | ¥36,300(SE:¥40,700) | ¥36,300(SE:¥40,700) |
同じレンズでFX機とDX機で焦点距離の表記が違うのは、センサーサイズがDX機方が小さいので写る範囲が狭くなってしまうからです。
ようはAPS-Cで使う時にフルサイズ換算した焦点距離は、フルサイズだとその換算した焦点距離のレンズを使っているのと同じという事になります。
なので、キットレンズになっているNIKKOR Z DX 16-50mmのレンズで写る実際の範囲は、フルサイズだと24-75mmのレンズと同じという事になります。
Z50IIなどでNIKKOR Z DX 24mmを使う場合とNIKKOR Z 40mmを使う場合とでは表の通りに大きな差が出来てしまいます。
実際にこの3本を使ったうえで、やっぱり一番扱いやすかったのはNIKKOR Z DX 24mm f/1.7だと思います。
NIKKOR Z DX 24mmの場合は写せる範囲が広くて最短撮影距離も短いので、被写体によっては背景も大きく入れて撮影する事が出来ます。
また、開放F値が1.7という明るいレンズなので、暗い場所や夜なんかでも使い勝手がいいレンズだと思いますし、ボケを活かした写真を撮り易いというのもポイント。
フルサイズでも焦点距離が35mmと50mmは標準レンズと言われるだけあって、換算で36mmになる焦点距離はF値がどうこうという点を除いても使いやすいですからね。
唯一の欠点は最小F値が11までしかない事なんですが、実際に使っていて不便に感じた場面はスローシャッターで車のテールランプの軌跡を撮ろうとした時に絞りがF16まであればなぁと思ったことぐらいで、一般的な場面ではほぼ困ったことはありません。
どれもレンズ内手ブレ補正が搭載されていないんですが、立ち止まって撮れば全然問題ないですしね。
重さとサイズ感はフード次第なので考慮していません
自分のNIKKOR Z DX 24mm f/1.7は樹脂製のスクエアレンズフードを取り付けています。
純正のフードはフジツボタイプではあるんですが、形状的に好みじゃなかったので・・・(´・ω・`)
前述の3種類ともねじ込み式のレンズフードを取り付け可能なんですが、現行だと純正の52mmねじ込みフードは販売されていないので、DX 24mm以外は別途サードパーティー製のフードを取り付ける必要があります。
レンズは小型の方が好みではあるんですが、個人的にフードは付けたい派なので今回はその辺りは比較対象として考慮しませんでした。

ま、今時のレンズだったら逆光耐性が上がってるしフードなんか付けなくてもいいんじゃないかと思われたり、フードは付けない派の方もいるかもしれませんが、フードは万が一の落下時に緩衝材になってくれたり、レンズに直接ものが触れるのを遮ってくれるなどの役割を果たしてくれるので、ある方が安心感があります。
フードを付けてない時に限って何かが起こるとかもあるあるだったりするので、取り付け不可能なものでなければ付けたいんですよ。
取り付けるフードの種類や材質によって重さや長さが変わってきちゃうので、考えても仕方ないかなと。
ま、細かいところは発売当初に色々書いていたと思うので興味がありましたらご覧いただければと。
やっぱり35mm相当はしっくりくる
上で35mmと50mmは標準レンズと言われていると書きましたが、やっぱりその焦点距離ってのは使いやすいんですよね。
APS-Cだと1.5倍になるので、35mmだとAPS-C用では23.4mm、50mmだとAPS-C用では33.4mm辺りの焦点距離が該当する事になります。

ポートレートにも使えますし、寄って広く撮りたいという場合にはとてもいいレンズだったりします。
焦点距離的に遠くを撮りたいといった場面には向きませんが、普通にスナップを撮るのにも便利なんですよね~

60mm相当のNIKKOR Z 40mmだと結構狭く感じるし、42mmになるNIKKOR Z 28mmだと50mmと35mmの中間的な位置になるので汎用性自体は高いんですが、その反面もう少し広く撮りたいとか被写体に注視したいといった時にどっちつかずになる場面も出てくるので、キットレンズの16-50mmを使ってそれぞれの焦点距離に合わせて写真を撮ってみて、自分に一番しっくりくるレンズを買うというのが本当は正解なんだと思います。
自分がアレもコレも撮りたい派なのでレンズをガチャガチャ交換しがちなんですが、そうでなければNIKKOR Z DX 24mm f/1.7をカメラに付けっぱなしでも問題ないかなぁなんて思ったりもします。
いっそオールマイティーな事はZ50IIに任せてZfcにこのレンズを付けっぱなしで使うのもいいかもしれませんね。
明るいレンズですが、朝の強い日差しの中でもF1.7の絞り開放で撮れたりはします。

八重桜を撮りましたがかなり寄れるので、周囲を大きくボカすことが出来ます。
50mmだとどちらかというと被写体に注視する感じなのに対して35mmの方は周りの情報も加えながら被写体を立たせる事が出来るというか、なんか個人的にはめっちゃ使いやすいんですよ。

ストリートスナップに人気の28mmになると、漠然と広くなりすぎて個人的にはちょっと苦手。
道端で咲く小さなスズランの花を見つけたので撮ってみました。

まだ1つしか花が咲いていないんですが、ここまで寄って撮る事が出来るので意外と小さなものでも結構しっかりと写す事が出来るんです。
なんとなく明暗差の激しい場所で撮ってみましたが、結構暗い部分までタイル地の情報が残っていたりします。

普通にNIKKOR Z 35mm f/1.8 SをFX機に付けて撮っても同等の焦点距離にはなるんですが、やっぱりコンパクトさは段違いなので、気軽&手軽に撮るならこっちかなぁ・・・
なんか無駄に写した時に際立つものを探したりしてね。

紅葉した葉っぱがクッキリと浮き出てきます。

バックがあんまりかなとは思うんですが、結構綺麗に浮き出てくれてたのでまぁいいかなと。
マンホールに近づいてローアングルで撮ってみたら、ほぼオートでモザイクが掛かったみたいに周囲がボケまくってましたw

流石にこういった事をするならちゃんと絞りを変えて絞り込まないとね。
とはいえ、今時のごちゃごちゃ言われる世の中だとこういったのもアリなのかもしれませんけどね。
一方、花なんかだと寄って撮れば手軽に大きなボケを得る事が出来るので、ボケを活かした写真を撮りたい人にはめっちゃ相性のいいレンズだと思います。

広角寄りの焦点距離で手軽にボケを楽しめるレンズなので、
まとめ
という事でNIKKOR Z DX 24mm f/1.7を交換レンズの最初の1本にいいんじゃないかという事で書いてきました。
キットレンズでも十分にいい写りをしてくれるんですが、レンズによって大きく変わる写り方を楽しめるのがレンズ交換式のデジカメの利点でもあるので、キットレンズ以外のものを追加して楽しんでもらいたいなと思うんですよね・・・
やっぱり写真の綺麗さや精細さも大切だけど、綺麗にボケて被写体だけが立体的に出ている写真とかを撮ったりすると、撮るのが楽しくなったりもしますからね。
因みに28mmのSE以外のレンズは¥5,000のキャッシュバック対象(2025/05/07購入分まで)になっていますので、ZマウントのDX機を買ったけど16-50mmのキットレンズしか持っていない方は是非手にしてみてもらいたいなと思います。