はじめに
散々悩んでSONY α6700を購入した去年の秋、気が付いたら1年が経過していました。
他のカメラとの併用なのでローテーション使用だったりしますが、結構な頻度でα6700を持ち出していたと思います。
そこで、α6700を長期感使用しての感想でも書いてみようかなと思います。
色々と加筆修正しています
α6700を選んだ理由のおさらい
必要なのは自分の用途に合うかどうか
自分がα6700を購入したのは2023年9月22日でした。
α6700が発売されてから2か月、α7c IIが発売される3週間前の事です。
α6700を購入した時の記事でも書きましたが、α6700にするかα7c IIにするかは凄く悩みました。
自分が購入した時はα7C IIとα6700の金額差は意外と大きくなかったので、価格差を考えるのであればα7C IIを買う方が利点は多いと思います。(ノイズ耐性とかね)
ただ、自分はメインとなる機種ではなく普段使いするためのサブ機として考えていたので、なるべくコンパクトなカメラにしたかったんです。
本体サイズだけで考えると、α6700もα7c IIも変わらないって思われるかもしれませんが、いくら本体サイズが小さくてもレンズが大きかったらそれはコンパクトじゃなくなるわけです。
自分の使い方としては花を撮ったり街中で猫を撮ったりとかというのが多いということを想定すると、広角よりも望遠寄りの方が有難いという事になります。
確かにα7c IIのキットレンズになっているFE 28-60mm F4-5.6を付けたサイズはかなりコンパクトですが、望遠寄りをカバーできるズームレンズを付けようと思ったら一気にコンパクトさは無くなってきてしまうんですよね・・・
α6700のレンズキットだと18-135mmなので、フルサイズ換算だと28-202.5mmとなります。
α7C IIでもAPS-Cにクロップすれば焦点距離は伸びますが、画素数が1500万画素程度に落ちてしまうので、しっかりと使いたいと思ったのでα6700を選びました。
普段使いでまず困る事はない焦点距離になっていますし、写真を撮るのが日中の方が多いのであれば、APS-Cだからどうのこうのっていうのはほぼ気にする事無く使っています。
また、NikonのAPS-C機だと人・犬・猫のAFしか搭載されていませんが、α6700だと人・動物・鳥・昆虫・乗り物・飛行機と普段使いとその延長で撮影するのであれば十分すぎる被写体認識AFが搭載されているので、ほぼ困る事もないですしね。
意外と馬鹿にならないレンズの重さ
上で自分は街中で猫を撮ったりすると書きましたが、野良猫の場合は警戒心が強いのが多くて、地域猫でも初見だと3mまで寄れたらいい方だったりします。
そうでなければ5mくらいでも逃げだしたりするので、Zマウントで使用する場合はNIKKOR Z DX 50-250mm F4.5-6.3 VRで200~250mm(フルサイズ換算300~375mm)を使う事が多いです。
で、現状ではE 18-135mmを使用しているので、フルサイズのレンズと比べるとどれくらい違うのかを簡単に表にしました。
E 18-135mm F3.5-5.6 OSS (APS-C) | TAMRON 28-200mm F2.8-5.6 Di III RXD | FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS | |
フルサイズ換算の焦点距離 | 27-202.5mm | 28-200mm | 24-240mm |
最短撮影距離 | 0.45m | 0.19-0.8m | 0.5-0.8m |
フィルターサイズ | 55mm | 67mm | 72mm |
本体サイズ(径x長さ) | 67.2 x 88mm | 74 x 117mm | 80.5 x 118.5mm |
重さ | 325g | 575g | 780g |
価格 | ¥78,100 | ¥99,000 | ¥163,900 |
APS-CのE 18-135mmと同等の画角になるように、フルサイズ用レンズで似たようなものを純正とサードのレンズからピックアップしてみました。
ほぼ同じと言える画角のタムロン28-200mmとE 18-135mmを比べてみると、サイズ、重さ共に結構違う事が分かると思います。
同じF3.5スタートの純正24-240mmと比べても太さと長さ、重さでかなり嵩張ってきちゃうわけです。
α7CIIとFE 24-240mmの組み合わせと、α6700にE 18-135mmの組み合わせを実際にソニーストアで持ち比べてみたんですが、α7CIIの方はやっぱり違うなと感じたんですよね。
本体が軽くてレンズが重いという組み合わせになると、持った時のバランスが悪くなってきちゃうわけで、大きなグリップがあるのでかなりマシとはいえ気軽に使う感じではないかなぁと。
コンパクト然としたボディスタイルというのもあるんでしょうけどね。
APS-C用レンズならコンパクトなものが多い
上で書きましたがフルサイズ用のレンズになるとどうしてもレンズが大柄になりがちなんですよね。
最近はVILTROXのPRIMEシリーズのようなコンパクトなAF単焦点レンズも出てきましたが、ズームレンズになるとAPS-Cの方がやっぱりコンパクト。
自分は標準ズームにはSIGMA 18-50mm F2.8 DC DN|Contemporaryというレンズを使っていますが、F2.8通しなのにとてもコンパクトで値上がりしたとはいえ、まだ手頃な価格なので重宝しています。
コンパクトな単焦点レンズが欲しいなぁなんて思いながら、F値がF2.8だったりすると、この18-50mmがあるしなぁという感じで思いとどまれるくらいには便利で気に入っているんですよね。
また、APS-C用のレンズはコンパクトなので、E 11mm F1.8、E 18-135mm F3.5-5.6 OSS、E 30mm F3.5 macro、SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN|Contemporaryの4本を持ち出してもそこまで嵩張らないし、重さもしんどいと感じないので、自分にとってはとてもいい感じなんですよ。
後はE 70-350mmを買えば十分かなと思ってます。
流石にE 70-350mm F4.5-6.3 G OSSを買って持ち歩くと嵩張ってきますが、100-500mmクラスのレンズが625gで済むと思ったら軽いんですよね。
レンズを増やしたくないのであれば、18-135mmと70-350mmの2本があれば十分かもしれません。
広角寄りが好きな方だったらSIGMA 10-18mm F2.8 DC DN|ContemporaryとE 18-135mmでいいのかもしれませんね。
ほぼ一年使ってみての感想
ちょっと前置きが長くなりましたが、自分はα6700は『普段使いで写真を撮るためのカメラ』として実際に通勤のお供などに使っています。
ほとんど動画は撮りませんし、撮るとしてもショートを繋ぐ形でしか撮らないので動画に関してもほぼ気になる点はないので、写真撮影をするための普段使いのカメラとしてはほぼ文句が無いレベルで使えています。
実際に長期間使ってみての感想を書いてみようと思います。
とにかくコンパクト
上に書いた前置きと被ってしまいますが、α6700はとにかくコンパクトです。
流石に便利ズームなんかだと前に長くなるのでコンパクトさは下がりますが、フルサイズのレンズで同画角のものと比べると圧倒的なコンパクトさです。
夏場だとそんなに恩恵に授かる事はありませんが、冬場だとダウンジャケットのポケットに結構あっさりと収まります。
E PZ 16-50mmなら使い勝手をそこまで落とさずに荷物を減らす事が出来ますし、純正のE 20mmやE 16mm、VILTROXのAF 28mm F4.5 Fなどのパンケーキレンズだったら本当にスポッと入るので、ほぼ手ぶら状態で出掛けられます。
他にはパスケースと財布、スマホがあればいいので、梅田なんかに行くのもサコッシュくらいで済むようになるのは本当に楽。
EVFとボディ内手ブレ補正が付いている
コンパクトにするためにEVFレスにする機種が多い中、α6700はEVFを搭載しています。
気軽に撮る時には背面液晶で済ませる事も多いんですが、液晶が見づらい時やしっかりと確認したい時にはやっぱりEVFがあると便利なんですよ。
鞄の中に放り込む時にバリアングルを回して液晶を閉じてしまった時など、スッと出して液晶を回転させなくても撮れますしね。
また、コンパクトながらボディ内手ブレ補正を搭載しているので、手ブレ補正が搭載されていないレンズやオールドレンズを使う時にも便利なんですよね。
AF性能も十分に高性能
AIプロセッシングユニットで人物、動物/鳥、動物、鳥、昆虫、車/列車、飛行機という被写体認識をしてくれます。
流石に遠すぎる場合なんかは認識率が下がりますが、普段使っていたニコンのZ機がEXPEED6だったので、圧倒的なAF性能でした。(Z50IIで同じ感じになると思います)
α6700を購入してから稼働率が高かった理由はこのAF性能が良かったからという部分は正直あります。
野良猫とかを撮るのにフルエリアAFにしていても、EXPEED6系だと認識しない場合もありましたしね。
また、あまり使う事はありませんが昆虫AFも結構楽しいです。
虫の場合は小さいのに動きが速かったり、ピントをピンポイントにしないとAFが合いにくいとか、開閉して動いている羽根の方にピントがあってしまうという事があるんですが、昆虫AFだと普通の昆虫だったら目にピントを合わせに行ってくれるのでかなり楽に撮影が出来ます。
ただ、あまり寄れないレンズを付けている時に遭遇する事が多いので、大きく撮れない場合が多いんですが(;´Д`)
連写はそこそこで暗所も強くないけど、そんなに困らない
α6700の連写速度は最大約11コマとなっています。
連写のコマ数などを考えると、高速で移動する戦闘機やモータースポーツなんかを撮るのであればα7系のしっかりとしたボディの方がいいんでしょうが、普段の生活環境で高速な動態撮影をするような状況があるわけでもないですし、一応V60でも速い書き込みのSDカードを使えばバッファフルになるまでに最大64枚くらいまでは撮れていたので、普段の生活環境で困ったことは全くありません。
また、測光範囲が-3EV-20EVなので、暗所撮影には強くありません。
しかし、見通しが効かないくらい真っ暗な場所で撮影するようなこともほぼ無いと思いますし、月あかりがある薄暗い通りで18-135mmを使ってISO感度12800にして撮影した事がありますが、しっかりと構えて撮れば問題なく撮れるのでα6700だったから凄く困ったといった事や、やっぱりα7CIIにしておけば良かったと感じた事はありません。
ただ、月あかりがあまりない暗さだとかなりノイジーになるので厳しさはありますけどね。
自分の中ではほぼ文句のないAPS-Cセンサーカメラだと思う
そんなわけで、ボディサイズ、重さAFなどの色々なバランスを考えた場合、普段使い用として気軽に使えるAPS-C機としてα6700が一番いいのかなと思っています。
価格的にとんでもなく安くでニコンがZ5IIを出してきますし、α7CIIとの価格差などでα6700の立ち位置がかなり微妙になってきそうな気がしますが、とにかく持ち出しやすいトータルのサイズ感やレスポンスの速さなどを考えるとα6700を買ってよかったなと思ってます。
マジでVILTROXのAF 28mm F4.5 FEを付けた状態がお手軽すぎてお散歩用に最適なんですよね。
寄れる野良猫用だとシグマの18-50mm F2.8 DC DN|Contemporaryの方が便利なんですけどね。
α6700を長く使って感じた不満点
上でほぼ不満点のないカメラだと書いたんですが、不満点が無いわけではありません。
3つの不満点があるんですが、それを書いてみます。
絵作りがシンプル
α6700の絵作りはある意味ではドストレートな機種に仕上がっています。
クリエイティブルックとして10種類登録されていますが、実用性重視といった感じの内容になっています。
- ST:スタンダード
- PT:ポートレート
- NT:ニュートラル
- VV:ビビッド
- VV2:ビビッド2
- FL:フィルム調
- IN:インスタントカメラ風
- SH:ソフトハイキー
- BE:モノクロ
- SE:セピア
そしてそれらを微調整したものを6種類登録できるようになっていますが、遊び心的なものがちょっと少ないなと感じました。
NikonのZシリーズにはピクチャーコントロールの中に実用的なものから遊び心のあるものまでさまざまな種類が用意されています。
自分好みの絵作りが出来るのでハマっているLUMIX S9だとLUTが写真に使えるのに加え、フォトスタイル、フィルターという多彩な表現が出来るようになっています。
意外と印象的になるような表現が出来るものが無いんですよね・・・
クリエイティブルックをカスタムすれば済むんでしょうが、最初から用意されていたら楽なんですけどね。
なにより、JPEG撮って出しで済ませたいと考える人間にはあるかないかで大違いですし(;´Д`)
使い物にならないC1ボタン
これは購入後間もない頃にも書いていましたが、C1ボタンが役立たずなわけです。
例えば純正のリモコン(RMT-P1BT)などを併用するのであれば、リモコン側にC1ボタンが付いているので全く問題ないんですが、カメラ単体で使用する場合には親指を置くサムレスト部分の外側に存在するのでどうにもなりません。
元々が動画前提のボタンなのかもしれませんが、カスタマイズで割り当て可能なボタンが実際に手持ち撮影では押せない位置にあるってのはあたおかレベルな話なんですよね。
間違って押す可能性もあるけどAF-ONの横とかフロントにC1がある方がまだ使えるだけいいんですけど・・・
という事で、このC1ボタンは最初から変わらず大きな不満点だったりします。
なんとなく気になってα6600の写真を見たら、α6600だとこのボタンが録画ボタンになってるんですね(;´Д`)
それよりはマシなのかもしれないけど、こんなボタンレイアウトを考えた人の話を聴いてみたいです。
たまに鞄の中で勝手に動く電源スイッチ
α6700の電源ボタンはグリップ部分のシャッターボタンと一体化しています。
通常だったらONに思えるこの写真の位置で電源OFFで、ここから時計回りに回転させることで電源がONになります。
カメラの中で一番高い部分がこのシャッター部分になるので、鞄の中に入れて走ったりした時に鞄の中で暴れて何かた当たったりするのかもしれませんが、電源スイッチが勝手にONになってしまう事があります。
確実に電源を切ってから鞄に入れているので鞄の中に入れている他の物と接触が濃厚だったりします。
パワーセーブはモニターの消灯が1分、パワーセーブが2分に設定していますがバッテリーが無くなっていたことがあります。
あくまでもパワーセーブ=待機状態でしかないわけなので、メニューボタンやAF-ON、シャッター半押しで解除されます。
という事は通電状態のままなので、朝の通勤時に鞄の中で勝手にパワーONになってしまっていた場合、パワーセーブとはいえ8時間以上そのままだとバッテリーが無くなってしまうという可能性もあるわけです。
どうにもならないC1スイッチと自分で弄ればいいクリエイティブルックはどうでもいいけど、時間経過でパワーオフというのだけは追加してほしいんですよ。
パワーセーブだけではなくて、設定で一定時間操作が無ければパワーオフというので電源が切れた場合、シャッターボタンが押されようが電源は入らず、一度電源スイッチをOFFにしないと電源ONにはならないので、鞄の中で万が一電源スイッチが入ったとしても安心なんですよね・・・
ホント、ファームウェアアップデートで実装してくれないかなぁ。
まとめ
価格だけを見たらAPS-C機としてはハイクラスにはなりますが、性能的には十分に長く使っていけるだけの機能を搭載しているので、普段使いや旅行に行く時のコンパクトなカメラとしては最適だと思います。
プリキャプチャーのような機能も高速連写もなありませんが、AFはしっかり効くので動体を撮り始める練習をするのには問題ないかなと。
どの機種を使っていても多かれ少なかれ不満点はあるので、それらを差し引いてもα6700は出来る事の方が多いですし、APS-Cの良さもあるので、α6700を買ってよかったなと思っています。
α6600とα6700ではAFなどで大きな性能差がありましたが、仮にα6800が出たとしても連写速度とかくらいで、劇的な進化というのは無いんじゃないかなと思いますし、逆に考えて今でも基本的な性能に関しては不満点が無いので、α6700は長く使っていけるカメラだと思っています。
という事で、SONY α6700を1年使用した感想でした。