土曜日に書いたブログの中でチラッと書いていたんですが、8月2日に新発売になったSONYのAPS-C機用標準ズームレンズ、E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS IIを購入しました。
レンズ構成などは変わっていないので賛否があったりするようですが、旧型を使った事が無い人間がこのレンズを買って感じたことなどを書いてみようかなと思います。
E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS IIを買おうと思った理由
土曜日のブログでもチラッと書いたんですが、今まではNikon Z30とNIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRを使って手軽に写真を撮ったり動画を撮ったりしていたんですが、LUMIX S9を買う為に下取りに出してしまい、Z30もZ DX 16-50mmも手放してしまったので、意外と手軽に使える系のレンズが無くなってしまっていたんですよね。
まぁSIGMA 18-50mm F2.8 DC DN|ContemporaryがF2.8通しの割にはコンパクトで明るいので動画に使いやすいんですが、パッと持ってサッと使えるという感じとはちょっと違ってたりするかなと。
NIKKOR Z DX 12-28mm f/3.5-5.6 PZ VRを使えば動画用としては事足りるんですが、写真用としては広角過ぎるので普段使いの『何を撮るか分からない』時にはちょっと難しかったりします。
そして最終的に買おうと思った理由はこれでした。
Ulanzi TT38にα6700を載せて撮っていた時にリモコンで撮ったらめっちゃ楽だったんですよね。
パワーズームであればリモコンでもズーム操作が出来るので、更に楽が出来ると思ったのが一番大きかった理由かもしれません。
実際に使ってみたら思っていた以上に便利でした。
E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS IIの外観やスペック
E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS IIは沈胴式のレンズですが、物凄くコンパクトに仕上がっています。
外装はプラ製で決して高級感があるわけではないんですが、旧型のようなテカテカした仕上げではなくてα6700なんかに付けても全く違和感のない感じになっています。
フィルターサイズは40.5mmとなっていて、今まで旧型を使っていて買い替える方なら大丈夫でしょうが、そうでない場合は意外と手持ちで持っていない可能性が高そうなフィルター径なので注意が必要かもしれません。
レンズ本体にはフロント側のズームリングの他にズームレバーがあります。
これを使ってズーミングを行います。
E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS IIのスペックは以下の通りとなっていますが、今まで使い慣れていたニコンのAPS-C用標準ズームレンズであるNIKKOR Z DX 16-50mm F3.5-6.3 VRと比べてみました。
E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS II | NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR | |
焦点距離(mm) | 16-50 | 16-50 |
35mm版換算(mm) | 24-75 | 24-75 |
開放絞り | 3.5-5.6 | 3.5-6.3 |
最小絞り | 22-36 | 22-40 |
絞り羽根 | 7枚 | 7枚 |
最短撮影距離(m) | 0.25(W)ー0.3(T) | 0.25(W)ー0.3(T) |
フィルター径 | 40.5mm | 46mm |
手ぶれ補正 | レンズ内手ブレ補正 | レンズ内手ブレ補正 |
外形寸法 最大径x長さ(mm)※沈胴時 | 66x31.3 | 70x32 |
重さ | 107g | 135g |
カメラと組み合わせた重さ | α6700 493g=600g | Z30 405g=540g Zfc 445g=580g |
散々使ったNIKKOR Z DX 16-50mmと比べてみると、E PZ 16-50mm IIのサイズ感ってそんなに変わらないんですよね。
ただ、たかが4mmですが最大径が小さいだけでコンパクトな印象が増しています。
そして、NIKKOR Z DX 16-50mmとの最大の違いはパワーズーム・・・というのもあるんですが、電源をONにすると沈胴状態から撮影状態にレンズが繰り出されてきます。
なので、電源をONにすればコンデジ感覚で直ぐに写真が撮れます。
そして電源をOFFにすれば勝手に沈胴に戻ってくれます。マジで便利。
ニコンの場合は沈胴式は全て手で撮影状態にしないといけなかったので、利便性はE PZ 16-50mmの方が上かなぁ。
焦点距離を保持しておく設定だったら電源をOFFにしても、電源ONでその焦点距離になっているので、本当に楽でした。
α6700にはZV-Eシリーズのように本体側にズームレバーが無いので、撮影時にはレンズ側でのズーム操作が必要になりますが、ちゃちゃっと撮るのであれば片手で完結させることはできます。
旧モデルとの違い
元のモデルを使っていたわけではないのであくまでもカタログスペックでの記述になりますが
- ズーム中のオートフォーカスに対応
- ブリージング補正機能に対応
- α9IIIの最高約120コマ/秒の高速連写に対応
- ボディとレンズの手ぶれ補正協調制御に対応
- 重さが約116gから107gに軽量化
- 大きさは最大径で1.3mm、長さで1.4mmサイズアップしている
レンズ構成図やMTF曲線は同じに見えるので、若干の軽量化とAFの強化を除けばわざわざ買い替える必要がないとか、工学系が変わってないのでガッカリといった感想もあるようですが、ブリージング補正やリニアモーターを採用した事によるAF性能は結構大きいと思うんですよね。ズーム中にもAFが効くのも結構便利ですし、ハイフレームレートの動画にも対応できますし。
そもそもE 30mm F3.5マクロやE 50mm F1.8 OSSなんかの決して新しくない光学系でも実際に使ってみたらそんなに文句もないので、個人的にはコストカットしながら現行機種でも十分対応できる足回りのアップデートだけでも十分なケースは多いんじゃないかなと思うんですけどね。
α6700にE PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS IIを装着してみた
α6700にE PZ 16-50mm OSS IIを装着してみるとこんな感じになります。
なんかコンパクト(長さの短い)な単焦点レンズが欲しかったけど、もうこれで良くね?って思えますね。
横から見るとこんな感じになります。
基本的に電源OFF時にはこの状態になるので、かなりコンパクトな感じで持ち歩けます。
サムヤンのAF 35mm F2.8 FEが暑さ3.3cmなのでこんな感じになるんでしょうね。
電源を入れるとこんな感じでレンズが繰り出してきます。
意外とガッツリと繰り出してくるんですが、NIKKOR Z DX 16-50mmも結構繰り出してくるのでこの辺りは同じ感覚だと思います。
ただ、電源ONで即撮影可能&電源OFFで収納状態になるのはマジで便利だと思いました。
別に使う時には繰り出してるから、沈胴レンズでも別にいいやって思ってましたが、撮りたい時にすぐ撮れる機動性の高さを考えたらかなり理にかなってるなと思いました。
ニコンも16-50mmをリニューアルする事があったらパワーズーム&自動沈胴にしてくれないかなぁ・・・
動画撮影にはかなり便利
とりあえずα6700に付けてパワーズームでの動きを見てみました。
壁に向けて撮ってますが、ピーキングの色が出ててホラーチックに赤くなっとる(;´Д`)
ワイド端16mm。
前に使ったままだったのでF値が4.5なのは気にしないでください。
テレ端50mm
ズームのスピードを『3』にしているんですが、遅すぎず速すぎずで丁度いいかも。
ただ、リモートの方は『可変』と『固定』が選べるので、一定のスピードに固定したいのであれば『固定』を選んでおきましょう。
可変だとリモコンのズームを押しっ放しにすると爆速でズームしてしまったりします。
また、自分は本体の設定で超解像ズームを有効にしているので、動画撮影の時だけテレ端の50mmから更に1.5倍ズームが出来ます。
この辺りは個人の好みになるのでレンズの光学系だけであればこの辺りの機能はOFFでもいいのかもしれません。
α6700とE PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS IIによる動画撮影テスト
実際にα6700にE PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS IIを付けて動画の試し撮りをしてきました。
16mmで手ぶれ補正アクティブにして歩きながら撮ったものと、ズームの速度とか超解像ズームとテレ端との画質の違い的なものを撮ってみたんですが、ズーム速度は可変のままだったのでアテにならないと思います(´・ω・`)
グリップはUlanzi TT38ではなく、SmallRigのSR-RG1を使っています。
日差しがめっちゃ強くて背面液晶がよく見えてなかったので、何処を撮ってんねんって感じの動画になってました(;´Д`)
写真で使ってみた
動画も撮れるようにという事で購入したわけですが、自分の場合は写真の方がメインになりますので、写真も何枚か撮ってみました。
先週、動画に差し込むように写真を撮る必要があったので16:9で撮っていて設定がそのままだったのに気付かずに撮っていたので、思いっきり横長の写真になってます。
隅の方もちゃんと写ってるしいいんじゃないでしょうか。
50mmにしてみました。
旧モデルは分かりませんが、AFがかなり速いのでノンストレスで撮影できます。
50mmの最短撮影距離で撮影したもの。
中央やや下の白い花にAFを合わせて撮影していて、日差しが強くて明るすぎたのもあってF9まで絞って撮影しています。
白白の白なので分かりにくいかもしれませんが、切り出してみると花の中の産毛のようなものなんかもしっかりと写っています。
流石にここまでトリミングする事は滅多なことではないでしょうが、普通に3:2で撮って2周りトリミングするくらいなら余裕で対応できるんじゃないでしょうか。
50mmの絞り開放F5.6で撮った花。
ボケにくいとはいえ、ちゃんとボケてくれるし結構いい感じな気がしますね。
広角端16mmの尼崎城
そしてズームだけして同じ部分を狙って撮ったテレ端50mmの尼崎城
なんだかんだでフルサイズ換算で50mm付近になる35mmくらいの画角がやっぱり使いやすさはあります。
そんなに枚数を撮ったわけではないんですが、第一印象は「とても素直なレンズ」だと感じました。
ボケも悪くないし、四隅も必要十分だし、画角調整がパワーズームという微妙な調整が苦手な調整にはなりますが、普段使い用として考えるとサイズ感も含めて丁度いいレンズなのかなと思いました。
まとめ
α6700を買った時に、『大は小を兼ねる』でE 18-135mm F3.5-5.6 OSSがあればE PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSSは必要ないやと思っていましたが、このE PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS IIの携帯性と使い勝手を実感すると、やっぱりコンパクトな標準ズームは1本持っておくと便利だなと感じました。
F3.5-5.6の明るさなので、夜の薄暗い場所で撮るのは苦手だと思いますが、ボケを活かした撮り方を必要とする場面でなければ結構万能なレンズな気がします。
写真を撮るか動画を撮るか、広角で撮るか寄り気味で撮るかを決めて出掛けるのであればレンズを絞ることができますが、出掛ける時に「とりあえず持って行く」という使い方で何を撮るのか分からないし、撮らないかもしれないという場合に持ち出すレンズとしてはコンパクトで軽量、実際に撮る時には普通に使いやすいという部分がポイントになってきます。
キットレンズになるようなレンズというのは決して何かが突出しているレンズではなかったりしますが、汎用性の高さはとても優れていると感じたので、普段使い専用として1本持っておいてもいいかもしれません。
キットレンズをわざわざ単品で買って、ワクワクしたのはかなり久しぶりでした。