VILTROXから発売された超薄型チップレンズ、『VILTROX AF 28mm F4.5 FE』を購入したのでレビューしてみたいと思います。
VILTROX AF 28mm F4.5 FEのスペック
簡単にVILTROX AF 28mm F4.5 FEのスペックを記載します。
焦点距離 | 28mm(フルサイズ対応) |
絞り | F4.5(固定) |
最短撮影距離 | 0.38m |
サイズ | 60.3mmx15.3mm |
重さ | 60g |
レンズ構成 | 6群6枚(非球面レンズ2枚、EDレンズ2枚) |
フォーカス | オートフォーカス |
フィルターサイズ | フィルター装着不可(レンズキャップはスライド式) |
マウント | Eマウント(アルミニウム製マウント) |
ファームウェアアップデート | USB Type-C端子(マウント面にあり) |
レンズコーティング | HD Nanoマルチレイヤーコーティング |
防水・防汚 | フロントレンズコーティングが防水・防汚対応 |
販売価格 | ¥13,300 |
基本的な機能は一通りそろっている感じですね。
フィルターが付けられないレンズなので前玉が防水・防汚コーティングがされているのは有難いですね。
また、F値が4.5という事もあるんでしょうが、実売価格が¥13,300というAFレンズとしては破格と言ってもいいくらいにリーズナブルなレンズなので、比較的手を出しやすいのは嬉しいところです。
購入したのはPERGEAR-JAPAN
今回、このVILTROX AF 28mm F4.5 FEはPERGEAR-JAPANさんで購入しました(Webサイトはこちら)
丁度Amazonのプライム感謝祭あたりの頃にAmazonでも登録されていたんですが、売り切れになってしまっていたのもあってPERGEARさんで注文しました。
発送自体は中国からになるので、「なんでも迅速に届く」という感覚に慣れてしまった日本人からするとかなりのんびりした感じがすると思います。
サイトに特に記載がない限りは注文から発送までは7営業日掛かるので、週末の金曜日とかに注文すると実質10日後くらいに発送という感じになります。
自分は10月18日の午後に注文したので、7営業日後の10月29日に出荷メールが来ました。
トラッキングナンバーもメールに記載されているんですが、「荷物引き受け」みたいな部分からトラッキングがスタートして随時更新という感じではないので、ちゃんと追跡できるまで1日くらい掛かると思います。
一旦トラッキングできる動きが止まると、次にトラッキングが出来るまで数日のラグが発生するので、どうなったのか良く分からない状態になります。
2024-11-3 22:33:00に税関を通過という情報が来たのが11月5日の朝で、その後の情報が来たのが11/6の14:30頃。
深夜に配達は来ていないので、時刻はおかしいと思いますが普通に分からないまま配達に来ている可能性はあります。
出先で確認しているのでどこの配送業者かもわからねぇという状況(;´Д`)
※トラッキングナンバーを配送業者の追跡に打ち込んでいったら自分の場合は日本郵便でした。
海外からだと空輸でも長ければ10日くらい掛かったりするので、普通といえば普通の日数なんですけどね。
トラッキングのラグがあるとはいえ、何の情報も分からなかったりすることが多いアリエクと比べたら遥かにマシだと思います。
そんな感じで自分の場合はごく一般的な感じで納期が3週間くらい掛かりました。
とにかく早くほしいという方には向いていないと思いますが、納期が掛かっても構わないというのであればPERGEARさんでは定期的にセールも行われていますし、メルマガ登録すれば商品購入時に8%割引のクーポンがあったりしたので、新製品でも少しお安く買える可能性があります。
実際に自分も購入した金額は¥12,236だったので、新製品としては割安だったと思いますし、現状では何処も入荷待ちの状態になっているのでまぁ良かったかなと。
なお、2024/11/7現在PERGEARさんに在庫があるようで、「1営業日以内に出荷」のステータスになっているので、ほぼ輸送時間だけになるので10日以内には届く感じじゃないかなと思います。
超薄型なのにフルサイズ対応
色々と前置きが長くなりましたが本題。
VILTROX AF 28mm F4.5 FEは”Chip”と名付けられた超薄型のレンズで、今までだと薄いレンズはパンケーキと言われていましたが、それよりも更に薄いので「薄切り」の意味合いでのチップという呼び名になっていると思われます。
上の表でも書いていますが、厚さは僅か15.3mm、重さは60gという超コンパクトなサイズになっていて、SONY純正のE 16mm F2.8が22.5mmで67g、E 20mm F2.8が20.4mmで69gという事を考えるとそれよりも薄くて軽いレンズという事になります。
E16mmやE20mmをお持ちの方はそれよりも更に7mm、5mm薄くなるととんでもないというのが分かるかと思います。
更にE 16mm F2.8やE 20mm F2.8はAPS-C用なのに対してVILTROXのAF 28mm F4.5 FEはフルサイズ対応。
AF 28mm F4.5には絞りが無いのでF4.5に固定になりますが、同じ固定絞りのレンズというと直近ではLUMIX S 26mm F8がありました。
マイクロフォーサーズにはオリンパスのBCL-1580というF8のボディキャップレンズもありましたが、どちらもマニュアルフォーカスでした。
しかし、VILTROX AF 28mm F4.5 FEはオートフォーカスなのでピント合わせも不要。
ボディキャップ代わりに付けておいて、撮りたい時にさっと手軽に撮れるという点はとても便利だと思います。
VILTROX AF 28mm F4.5 FEのパッケージと外観
以前購入したVILTROX AF 20mm F2.8 Zではパッケージの側面にレンズの写真がプリントされていましたが、箱が薄くなっているので側面は品名とVILTROXのロゴ、天面にレンズがイラストで描かれています。
同梱されているものはレンズ本体とリアキャップ(フロントキャップはスライド式になっているのでなし)、あとはワランティカードと取扱説明書となっています。
AF 28/4.5 FEのシルバーリングの下はリアキャップなのでとんでもなく薄いことがわかります。
背面はType-Cポートが搭載されていて、他のVILTROXレンズと同様にアップデートが可能。
マウントは金属製なので安心感があります。
VILTROX AF 28mm F4.5 FEをSONY α6700に付けてみた
薄っ!
α6700に装着して上から見てみると、ほぼグリップと面一の状態になります。
普段はレンズにはフィルターを付けないと落ち着かない人間なんですが、¥13,300という価格なのであまり気にしなくてもいいかなぁという感じもします。
まぁ形状的にどうしようもないというのもあるんですけどね。
実際にこの状態で持ってみると、本体の軽さが際立つ感じがします。
E 16mm F2.8だとAFロックなどで挙動が不穏になったりしますが、そういった事もなくて見た目にもスッキリしています。
α6700だとAPS-Cなのでフルサイズ換算で42mmの画角になってしまいますが、α7C IIだとそのまま28mmで撮れるので、無目的のお出掛けには丁度いいのかなと思います。
最短撮影距離が38cmなのでテーブルフォトにはちょっと厳しいと思います。
組み込み式のスライドキャップをオープンするとレンズが見えます。
電源を入れると前玉が一度繰り出してきますが、写真の通りにガードのようになった8角形のリングがついているので、フロントキャップを閉じたまま電源を入れてしまってもレンズがキャップに直撃するといった事はありません。
最短撮影距離あたりになると前玉が完全に穴から飛び出てきます。
因みにシルバーリングより前はローレットの線が入っていますが、あくまでもモールド。
このレンズで手動で操作可能な部分はフロントのレンズバリアだけになります。
なのでマニュアル操作はできないので完全にAF任せの撮影になります。
・・・LUMIX S 26mm F8も何でスライド式のレンズキャップにしなかったんやと思いますね。
Zマウントでは使えないっぽいので注意が必要
因みにですがETZ21 ProでZfにつけてみましたがAFフォーカス動作はせず、MFレンズと認識されたために使用できませんでした。
ファームウェアは最新の1.37ですが、Zfでバージョン表示をしても本体のバージョンしか表示されなくてレンズを認識できていないようです。
もしかしてZfじゃダメなのかと思ったんですがE PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS IIにレンズを変えるとZFでもファームウェアバージョンも確認できてAFも使えていたので、単純にETZ21 ProがVILTROX AF 28mm F4.5 FEを認識できていないものだと思われます。
他社の電子マウントアダプターであれば動作する可能性もあるかも知れませんが、手持ちではETZ21 Proしかないので不明。
マウントアダプター側に委ねられる形になるので、今後のファームウェアアップデートで対応してくれるのかどうかは何ともいえませんね・・・
自分の場合はα6700で使うつもりで購入したのでいいんですが、Zマウントで使うつもりの方や併用を考えている方は注意してください。
ファームウェアアップデートの方法
従来のレンズはPCにUSB接続をしてアップデートを行う方法でしたが、このAF 28mm F4.5 FEはアプリ経由でのアップデートになっていました。
iPhoneの場合はAppStoreから、Androidの場合はGooglePlayから「Vilotox Lens」アプリをダウンロードします。
アカウントの作成を行う必要がありますが、メアドか電話番号、適当な認証番号、パスワードを入力すれば大丈夫・・・ですが、1点だけ注意が必要で、下に小さくプライバシーポリシー云々の1行がありますが、左横に小さな丸があって、そこをタップしてチェックを入れないと同意にならず、アカウントの作成が出来ないので注意してください。
アプリからレンズを選択するとレンズとの接続画面になります。
接続自体はケーブルではなくBluetooth接続になるので、カメラの電源を入れておけば勝手に接続してくれます。
接続されるとこんな感じの画面になります。
2024-10-24付けでレンズのファームウェアVer1.05が公開されているので、そのメッセージが表示されています。
ただ、その下を見ていくと、既に自分のレンズはファームウェアがVer1.05になっているので更新する必要が無いようです。
次のバージョンとかが出たらここからアップデートしていく形になります。
α6700とVILTROX AF 28mm F4.5 FEで撮影した写真
α6700にVILTROX AF 28mm F4.5 FEを付けて色々と撮影してみました。
※センサーサイズがAPS-Cの機種になるので、周辺減光や周辺側の写りがフルサイズ機で撮影した場合とは違う可能性が高いです。
屋内撮影
最短撮影距離で撮影。
もう少しチープな感じに写るのかと思っていたんですが、思った以上にしっかりと写りますね。
電灯を直撃。
あまり変な感じになることもなくて普通に写ってます。
一方、光源からレンズをずらして斜めの角度で光が入るような感じにしてみました。
とりあえずフレアとかはちょっと出やすいのかなぁとか思ったりして。
実際に日差しが差し込む窓際の多肉植物を撮ってみるとかなりフレアが出て色が柔らかくなっています。
ただピント部分はしっかりと写っているので全然問題はないと思いますし、これくらいなら結構いい感じの味になるので、コントロールしながら撮るといいんじゃないでしょうか。
屋外で撮影
VILTROX 28mm F4.5 FEはフルサイズ対応ですが、自分の所有するα6700はAPS-Cなので、撮影すると焦点距離が42mm相当の画角になります。
とにかく軽いので、歩いたまま立ち止まらずにカメラだけを向けてスナップという事が凄く手軽に出来ますね。
タイミングをミスって進みすぎていて自転車が見切れちゃったりしてますが・・・(;´Д`)
TTArtisanのAFレンズなんかだと結構寄れないものがあるのであまり手を出していないんですが、このレンズも最短撮影距離が38cmとなっているので、APS-Cで焦点距離が1.5倍稼げるとはいえ、あまり寄れる感はないです。
普段自分が撮っているような花に寄ってアップでといった感じの撮影は向いていませんね。
感覚的には換算無しで28mmのレンズを使っているような感じがします。
絞りがF4.5に固定、あまり寄って撮れないというウィークポイントがあるとはいえ、ピント部分はかなりシャープに写ります。
AFもE 16mm F2.8と比べたら速いし、歩きながら適当に撮ってしまうような違う意味での流し撮りなんかにはめっちゃ便利です。
今時のレンズに慣れてしまっていると「全然寄れねぇなぁ・・・」って思いながら少しずつ引いていってピントが合う場所を探すという感じになってしまうので、完全に『スナップ用』という感じで割り切ってしまう方が使いやすいかもしれません。
自分はあまり人物を撮らないんですが、意外とポートレートなんかもいけそうな感じはします。
線と面。
トランス辺りにピントを持って行ってます。
恐らくフルサイズだと周辺減光がごっつい気がします。
風とのたたかいですが、最短で撮ってこんな感じ。
とりあえずピントを合わせた中央右側のピンクのコスモス付近をトリミングしてみました。
後ろは風の影響が出てますけど、フォーカスを合わせたコスモスはしっかり写っているのが分かると思います。
あまり寄れない以外はほぼ問題なく使えるレンズですが、屋内でも気になったフレア的な部分の確認。
順光で撮っている時は問題ないんですが、斜めからの日差しがあると若干緩い感じが出てきます。
そして太陽自体は雲の影に隠れていて直射日光ではないんですが、ド逆光でザクロが黒くなるくらいの意地悪な状況で撮ってみました。
今時のレンズだったらシャドウを上げてハイライトを下げていけばそれなりな感じになるんですが、左上の青空以外は全体的にフレアが出ていてぽやっとした感じになっています。
フードがあれば多少は軽減できるんでしょうが、フードの取り付けられないレンズですしね。
太陽に直向けの場合はどうしようもありませんが、そうでない場合は立ち止まってレンズの上側を手でハレ切りしてあげると軽減できると思います。
とはいえ、そういった部分も含めてこのレンズの味だと思うので、しっかりと撮りたいなら順光で、柔らかく撮りたいなら光を入れ気味にという感じでオールドレンズ感も楽しめるんじゃないでしょうか。
まとめ
とにかく軽くしたいという部分に重点を置きながらも40mmあたりになるし、安いしAFだし、レンズキャップ代わりにもなるしという感じで、オールドレンズぐらい写ればいいや思いながらポチったレンズでしたが、意外とちゃんと使えるし無目的ならこれだけでいいんじゃないかなと思いました。
今日は寒かったので薄手の長袖にパーカーという服装だったんですが、AF 28mm F4.5 FEを付けたα6700だったらパーカーのポケットに放り込んでおく事も出来たので(コンデジのようなスマートな感じではないけど)レンズが飛び出さないだけでどれだけ便利になるかというのを改めて認識しました。
レンズを外して持ち運べば薄くはなるけど、使う時に装着するひつようがでてきますが、これならキャップのレバーをスライドさせるだけで即撮影が出来るので、マジで便利でした。
軽くてコンパクト化が出来たので、サコッシュに財布と定期、AF 28mm F4.5 FEを付けたα6700だけで出掛ける事が出来るのは楽が出来るようになったなと思います。
因みに自分が購入して現在流通しているものはブラックですが、ZV-E10IIに合わせたホワイトももう直ぐ発売されるはずなので、白が出てから決めるのもいいかもしれません。
そういえば7ArtisansのAF 35mm F1.4 APS-Cが全く音沙汰がなくなっていますが、VILTROXがAPS-C用でAF 35mm F1.7をX/Z/Eマウントで出すっぽいです。(画像を見ると最短は0.33mっぽい)
形状的に20/40/56mmと同系統っぽいので、価格も結構リーズナブルになるんじゃないでしょうか。
次のEマウント用レンズはそれかなぁ・・・