はじめに
突然ですが富士フイルムのX halfが気になっています。
最初に発表を見たときには『ハーフサイズかよ…』って印象しかなかったんですが、発売間近になって様々な情報が出てくると『実はめっちゃ良くね?』って思ってきました。
まぁ何で気になってるのかとか、何故フィルムとデジタルのいい所取りだと思ったのかなどを書いてみようと思います。
X halfの基本スペック
先ずはX halfの基本スペックをざっくりと記載してみます。

センサー | 13.3x8.8mm(1inchサイズ) |
有効画素数 | 約1774万画素 |
記録メディア | SDカード UHS-I対応 |
静止画記録方式 | DCF JPEG |
記録画素数 | [L] 3:2 7296x4864 (2in1記録時) 1:1 4864x4864 7296x7296(2in1記録時) 3:4 3648x4864 [M] 3:2 4320x2880 (2in1記録時) 1:1 2880x2880 4320x4320(2in1記録時) 3:4 2160x2880 [S] 3:2 2160x1440 (2in1記録時) 1:1 1440x1440 2160x2160(2in1記録時) 3:4 1080x1440 |
レンズ | 単焦点10.8mm(35mm版換算:約32mm) |
レンズ構成 | 5郡6枚(非球面3枚) |
解放F値 | F2.8 |
最小絞り | F11 |
絞り羽根 | 3枚 |
最短撮影距離 | 約0.1m |
ISO感度 | 静止画 AUTO1 AUTO2 AUTO3 ISO200~12800(1/3ステップ) 動画 AUTO ISO200~12800(1/3ステップ) |
露出制御 | プログラムAE 絞り優先AE シャッタースピード優先AE マニュアル露出 |
露出補正 | 静止画 -3.0~+3.0EV(1/3ステップ) 動画 -2.0~+2.0EV(1/3ステップ) |
シャッタースピード | 静止画 Pモード:1/4秒~1/2000秒 Aモード:30秒~1/2000秒 S/Mモード:15分~1/2000秒 動画 FHD 1/2000秒~1/24秒 |
フォーカス | コントラストAF シングルAF、C-AF、MF |
ファインダー | 逆ガリレオ式OVF(視野率約90%) |
フィルムシミュレーション | PROVIA/スタンダード Velvia/ビビッド ASTIA/ソフト クラシッククローム REALA ACE クラシックネガ ノスタルジックネガ ETERNA/シネマ ACROS ACROS+Yeフィルター ACROS+Rフィルター ACROS+Gフィルター セピア |
フィルターモード | トイカメラ ミニチュア ポップカラー ハイキー ローキー ダイナミックトーン ソフトフォーカス パートカラー(レッド/オレンジ/イエロー/グリーン/ブルー/パープル) ライトリーク ハレーション 期限切れフィルム(グリーン/レッド/ニュートラル) キャンバス レトロ ビネット ぼかし 魚眼 色ずれ ミラー 二重露光 |
グレインエフェクト | 強度 強 / 弱 / OFF 粒度 大 / 小 |
美肌効果 | 強 / 中 / 弱 / OFF |
バッテリー | NP-W126S |
撮影可能枚数 | 静止画ノーマルモード時:約880枚 |
本体サイズ(幅x高さx奥行) | 105.8x64.3x45.8 |
重さ | 約191g(本体のみ) 約240g(バッテリー、SDカード含む) |
起動時間 | 約1.7秒 |
付属品 | 充電式バッテリーNP-W126S(リチウムイオンタイプ) ヘッドホン用アダプター ハンドストラップ ストラップリング(2個) ストラップリングカバー(2個) レンズキャップ コールドシューカバー |
実売価格 | ¥106,920 |
ザックリとメーカーのHPより引用しているんですが、事前に触ったりなんて事は無いのでISO感度AUTO1~AUTO3ってなんやねんって感じで仕様を見ても意味不明な点があったりします。
ISO感度200スタートで真夏のピーカンに大丈夫か?とかね。
実売価格はカメラ専門店で上記のような価格で、量販店だと12万を切るくらいに10%ポイント還元になっています。
所謂高級コンデジの位置付けになるわけですが、スペックを見ると『写り』を優先した機種ではないので、写りを優先するのであればGRIIIを選ぶとか、APS-Cセンサーを搭載したデジカメを選択すべきだと思います。(Nikon Z30の16-50レンズキットがほぼ同等価格)
ハーフサイズである必要性
スペックや品名からも分かるように、このカメラの標準撮影モードの写真はハーフサイズとなっています。

1本のフィルムでたくさん写真が撮れるように1コマを半分のサイズにして撮影する事で、フィルム記載の枚数よりも倍の撮影が出来るというもの。
PENTAX 17はフィルムカメラなのでハーフサイズなのは分かるんですが、X halfの場合はメディアに記録するデジタルなのでハーフサイズである必要性というのは皆無なんですよね。
どちらかというとPENTAX 17と同じコンセプトで写真撮影=スマホ=縦アングルがメインというところからスマホに慣れた若い世代を新規獲得したいという部分が大きいんじゃないでしょうか。
センサーが1インチなのは単純にコスト&サイズダウンのためじゃないかなと思います。
富士フイルムにしか作れないカメラ
10万円クラスのコンデジではあるんですが、写ルンですと同じ焦点距離約32mmのレンズ固定式のデジタルカメラなので、ズームは使えません。
GRIIIのようにクロップが出来るといった事もなさそうな感じなので、メインはスナップに特化する形になります。
ただ、最短撮影距離が約10cmなので色々と撮影する幅は広そうかなと思いますが、接写になると液晶を見ながらの撮影になってくるので、やっぱりスナップメインかなぁと思うんですが、このカメラの最大の特徴は「フィルムカメラモード」とフィルムシミュレーションやフィルターモードの組み合わせという点だと思います。
フィルムカメラモードを選択する事で、1枚撮影する毎にフィルム巻き上げレバーのようなフレーム切替レバーを引く必要があり、フィルムカメラモードの時には撮影した写真のプレビューなどが出来ないという徹底っぷり。
フレーム切替レバーの感触がどんなものかは分かりませんが、この操作があるだけでも全然感覚が違いますからね。
従来のデジカメでもバリアングル液晶を閉じてフィルムカメラっぽい事は出来ましたが、巻き上げレバーがないのでどうしてもフィルムカメラの「撮影したものを確認しない」という部分だけをまねることが出来るだけでした。
しかし、X halfだと36枚、54枚、72枚のうち設定した枚数を撮り切らないと画像が確認できないので、本物のフィルムと同じような感覚で撮影できます。
現実に36枚撮りフィルムをハーフカメラで使った場合は72枚撮影しなければならないので、撮り切るまでかなりの時間が掛かったりするんですが、X halfの場合はサブ液晶をダブルタップする事でフィルムカメラモードを解除できるとの事なので、本物のフィルムカメラよりも使い勝手がいいんじゃないかと思いました。
また、写真にするのも撮影したフィルムデータをスマホの専用アプリに転送する事で実際の現像と同じようなデジタル現像処理を行う事で初めて写真として確認できるようになっています。
めっちゃ手間な感じもするんですが、こういった実際に現像を行う疑似体験も今時の若い世代には新鮮なんじゃないでしょうか。
また、現実だと一緒に現像されたくない期限切れフィルムを再現したフィルターやカメラの光線漏れ、ハレーションといったフィルターが新規搭載されていたり、ACROSやVelviaなどのフィルムシミュレーションで撮影する事が出来るので、現実のフィルムカメラを中古で購入して運用するランニングコストを考えたら10万くらいでも十分安いかなとは思います。
レンジファインダータイプのカメラでないと難しい部分はあるので、こういったカメラはもう富士フイルムしか作れないんじゃないかなぁと思います。
シュー部分はコールドシューですが、ホットシューカバーでデコレーション出来ますし、シャッター部分にはねじ込み式のレリーズボタンが取り付けできます。
グリップやフード、フィルターにケースなど、様々なオプションがサードパーティーから展開されるようなので、自分なりのカスタマイズも出来そうなので、自分らしさも出せるカメラになるんじゃないでしょうか。
唯一無二の機種になるかも
フィルムを装填・巻き上げ・交換といった部分を除けば実際のフィルムカメラと同じ操作・流れで撮影や現像が出来る上にデジタルらしい利便性もあるので、フィルムカメラを使いたいけどフィルムのランニングコストを考えるとフィルムに戻れないといったユーザーやフィルムカメラが気になっているユーザー、スマホからデジカメにカメラを変えたいといった人がターゲットだとは思うんですが、結構人気なようで注文は多く入っているようです。
APS-C版が出たらラッキー(価格は跳ね上がりそうだけど)といった点とハーフとフルの切り替えが出来るようになるかなぁってくらいしかブラッシュアップするところもなさそうなので、唯一無二な機種になってしまいそうな気もします。
まとめ
現実的に綺麗に撮りたいのであればX-E5やX-M5といったAPS-C機の方がいいんでしょうが、レンズをどうしようかという事を一切考えなくてもいいので、ただ気の向くままに写真を撮りながらフィルムカメラのような扱いが出来るというのは個人的にはかなりぶっ刺さってるんですよね・・・
でもどちらかというとチェキなんかと同じで人を撮ったりする方が向いてそうな感じがするので、友人とかとよく遊びに行くような若い世代の方が特に向いているのかなぁという気はします。
まぁ相変わらずの富士フイルムなので、買うつもりなのであれば無理をしてでも買える時に買っておかないと、いつ買えるか分からないとか新型が出て注文キャンセルってパターンもあるので注意しないといけませんね(;´Д`)