AI Zoom Nikkor 35-105mm f/3.5-4.5Sを買ってからちょっとだけ不便に感じる点がありました。
それは最短撮影距離が1.4mである事。
簡易マクロが付いているので、近接は問題ないんですが、普通に撮影しようとすると、結構手間取るというか、微妙な距離感になっちゃうんですよね・・・
Ai Zoom-NIKKOR 35-105mm f/3.5-4.5S
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それ以外は個人的には全く不満点は無くて、寧ろこんな感じのやつが安価でZマウントで出ねーかなぁなんて思ったりするくらい。
で、普段使いもしやすいサイズとして同系統の35-70mmを探してました。
同じ35-70mmでもF3.5のものやF3.5-4.8S、更にはAFのものもあったりして、地味に探してるとややこしかったり(;´Д`)
先週の土曜日に梅田に出た時に見かけたので気にはなってたんですが、見たら終わりだと思いながらも、中古は一期一会なので、思い切って昨日見てきました。
状態が良くないものが多い中、見た感じ全く問題が無い感じだったので、思い切って買いました。
外観
見た感じは単焦点レンズと言ってもおかしくない感じのサイズです。
35-105mmと同じように金属輪にグリーンとオレンジのドットがあります。
これは焦点距離による開放F値の違いによるもので、絞りを開放にした時、35mmだと緑のドットを見るのでf3.3
70mmにするとオレンジのドットになるのでf4.5が開放ということになります。
このレンズは35-105mmのように、このリングを回してマクロと切り替えという操作ではなく、ピントリングの最短撮影距離である50cmの先にMがある形になります。
ここからちょっとややこしくなってくるんですが、50mmの時は白なので、鏡筒の白い指標を見るんだとは思うんですよ。
ただ、50cm以下のMまではオレンジラインだからオレンジの指標を見るのが正解なのかとか、中途半端な焦点距離はどうなってんだって思ったりもするわけですが、正直、そこまで細かく考える必要もないのかなぁとか思い直しました。
別にZに限ったことではないんですが、レンズ情報の手入力って単焦点しかできないし、いちいち神経質に設定を変えることもないかなぁとか(;´д`)
切り替えるの忘れるし面倒くさいんですよね・・・
そして、焦点距離の操作も古いタイプのものとはちょっと違いました。
写真の35-105mmや他の古いズームレンズは直進式で、引っ張り出して焦点距離を調節し、回転させてピント合わせという操作系が多いんですが、35-70はコンパクトなので引っ張り出しでは合わせにくいからなのか、ピントも焦点距離もヘリコイドになっています。
ただ、この操作形態ゆえの混乱もあるわけで、写真を見て何か違和感を感じるところはありませんか?
そう、ズームリングがマウント側でピントリングが前側になってるんです。
上で書いたように直進式だと回すのがピントリングだけ(絞りリングもあるけどそれは置いといて)なので混乱しないんですが、両方なので混乱が生じるんです。
その混乱の理由がズームリングがマウント側という事。
今ならほとんどのレンズがズームリングが前側で、マウント側がピントリングやコントロールリングになっています。
なので、その感覚で操作すると、ズームさせたいのにピントを回すとか、ピントを合わせたいのに画角が変わると・・・(;´Д`)
まぁ慣れの問題だとは思いますけどね。
フィルターサイズはニコン伝統の52mmです。
フードはHN-2が対応らしいので、中古や互換品を探すのもアリですね。
とりあえず、フィルターケースに残ってた52mmのスカイライトを付けておきました。
一番レンズの全長が短くなる焦点距離が50mmくらいの無限遠でこんな感じ。
しかし、Fマウントって長かったんだなとつくづく思いますね。
何かレンズでもつっこんで半分くらいの長さにならねーかな・・・
70mmのマクロ位置にすると重心が前に行ってしまってお辞儀してしまいました。
因みにですが50とMの間にはクリック感とかも何もないので、マクロモードかどうかはあまり意識する必要はないかもしれません。
記載上は最短撮影距離50cm~∞、マクロモード時35cmになってますが、ファインダーを覗いて使ってたらMに行っているって感じだったので、35cm~∞という認識でいいんじゃないかと思います。
最短撮影距離でのテスト
1/144ザクを使って最短撮影距離でのテスト撮影をしてみました。
●70mmで最短撮影距離50cm
●70mm&マクロモード(35cm)
●35mmで最短撮影距離50cm
●35mm&マクロモード(35cm)
敢えて最短撮影距離を意識してみました。
上でも書きましたが、普段使いだとこれくらいで撮りたいっていう場所が気づいたらマクロだったとかマクロと50の間だったって時もあったので、まぁあくまでも指標的な感じでしょうか。
F11まで絞ってみた
結構パキッとなりますね。
実写してみた
写真は全て絞り開放でZ6IIはWB A0のSDで撮影したものにLightroomモバイルで自動補正をしています。
上の35mmからそのまま70mmにしてみましたが、ピントが甘かったのでそのまま甘い状態になってます(;´Д`)
中央の花の左上の花びら辺りを狙ってみましたが、今のレンズのようなキレッキレのシャープさはないけど、十分なんじゃないですかね?
赤くない南天の実。
今のレンズだとエッジが凄く際立ってたりしますが、こういった時代のレンズの方が見た目に近い写真になるんですよね。
まぁ個人の好みになってくるので、どっちがどうという事は無いんですが。
昨日載せてたNIKKOR-SC 55mm f/1.2に比べたら流石にボケは小さいですが、十分にボケてくれます。
50mmにするとこんな感じ。
まだまだ夏の日差しでちょっと色味が鮮やかですが、結構いけてる写りな気がします。
まとめ
古い単焦点レンズは結構人気になったりするわけですが、ズームレンズに関してはなかなかに不遇というか、結構いい感じの写りをしてくれるのに投げ売り価格だったりするんですよね。
とはいえ、単焦点でも人気になるのは癖玉とか個性的なものとかだったりするわけですが、ズームレンズに関しては本当に捨て値過ぎてメンテすらされずにどんどん朽ちていく感じになっているので、もうちょっと何とかならないかなぁなんて思ったりしてます。
まぁ人気が無い方が安く買えるというメリットはあるんですけどね・・・
他にも43-86mmとかいいズームレンズは結構あるので、中古カメラ屋さんでレンズを探す時にはズームの方も見てあげてほしいなと思います。