少し前から書いていたように、SONYのEマウントレンズE 16mm F2.8(SEL16F28)が届きました。
かなり息の長いレンズなので、今更レビューをする必要もないくらいだとは思いますが、ちょろちょろっと書いてみようかなと思います。
息の長い広角レンズ
このレンズは2010年6月にNEXシリーズ用として発売されたレンズで、標準希望小売価格は¥34,100、実売価格で¥27,000くらいとなっています。
ソニーの初めてのミラーレス一眼となったNEX-3やNEX-5と同時に発売された、いうなれば最初期のレンズのうちの1本です。
このレンズは結構酷評されてたりするんですが、発売日を考えると仕方ないやろって感じなんですけどね・・・
2010年といえばCanonのEOS Kiss X4が発売された年です。
キットレンズになってるレンズは微妙な感じのが多かったし、このレンズだけがダメってわけでもないんですよね・・・
カラーに関しては元々がNEX用として発売されているため、アルミ鏡筒を採用しているのでシルバーのみでブラックの商品展開はありません。
途中で方向転換するのもアリだったんでしょうが、ある程度数が出てしまってるだろうし、ブラックを発売したとしてもって部分もあるでしょうね。
そんな16mm F2.8ですが、息が長いのもあって、中古市場ではかなり潤沢に玉があり、中古カメラ屋だと相場は1.1~1.3万あたりと、かなり手は出しやすいレンズになってます。
その反面、目に見える外装だけではなくて経年劣化などによる見えない内部のへたり具合とかもあるとは思うので、程度的にも結構バラツキがあるんじゃないかとは思います。
そういった部分を考慮するのであれば、何かしらの保証のある中古カメラ屋で購入されるのをおススメします。
比較的安価とはいえ、保証なしだとどうしようもないですからね・・・(;´Д`)
焦点距離は35mm版換算で24mm、重さも約67gと軽いパンケーキレンズなので、常用レンズとして使用するには申し分ないんじゃないでしょうか。
対抗馬はE 20mm F2.8
そんな16mm F2.8ですが、何気に対抗馬となるレンズが存在しています。
それがE 20mm F2.8です。
こっちは35mm版換算で30mm、重さも約69gのパンケーキレンズですが、E 16mmよりも2mmほど長さが短くなっています。
また、E16mmには用意されていないレンズフードが用意されていて、鏡筒は黒になっています。
あと、E 20mmの方はハイブリッドAFに対応しているものの、E 16mmはコントラストAFのみに対応で、新品の実売価格だと価格差も大きくは無いので、新品で買う事を考えるのであれば、めっちゃ悩むレベルかもしれません。
というか、GRIIIなんかのようにスナップシューター的にお散歩用として使うのであれば、E 20mmの方が向いているかもしれません。
逆にAPS-Cの16-50mmやフルサイズの24-70mmなんかで広角端を使うことが多いとか、後述のオプション品を使う事を念頭に考えるのであればE16mmの方が向いているかと思います。
ワイドコンバーター、フィッシュアイコンバーターが使える
E16mm F2.8とE 20mm F2.8にはコンバーターが商品展開されています。
ウルトラワイドコンバーターVCL-ECU2とフィッシュアイコンバーターのVCL-ECF2です。
旧タイプの1型はE 16mmのみに対応という事になっています。
因みにどちらもそんなに高価ではないので、レンズと一緒に買っても普通のフィッシュアイや広角レンズよりも安いと思います。
唯一の難点はこれらを使用する際にはレンズフィルターが使用できない事。
バヨネット式のレンズフードが用意されているE 20mmだと問題ないけど、フードが用意されていないE 16mmだと手間かなぁ・・・
なんかバヨネットらしき溝はあるから何かが付きそうな気もするんだけどね。
E 20mm用のフードを改造すれば付くらしいという話もあるようなので、ウルトラワイドコンバーターを買う時に考えることにしようかな。
ウルトラワイドコンバーターVCL-ECU2
ウルトラワイドコンバーターを使用すると、16mmは12mmに、20mmは16mmになります。
フルサイズに換算すると18mと24mm。
20mmだとE16mmをカバーすることが出来る形になりますが、E 16mmだとかなりの広角を実現する事が出来るようになります。
フルサイズの14mmだと広すぎるので、せめて16mmくらいの小さなレンズが欲しいよなって思っている自分にはうってつけだなと思いました。
自分がE16mmを最初に選んだ理由は値段もあるけど、このワイコンも理由の1つでした。
フィッシュアイコンバーターVCL-ECF2
次にフィッシュアイコンバーターですが、E 16mmでは対角線画180°の焦点距離10mm相当、E 20mmでは対角線画133°の焦点距離13mm相当の魚眼レンズになります。
そして、当然ながらE 16mmの方が効果が大きくなるので、広い場所で楽しめるのはE 16mmで使用する場合でしょう。
欠点もあるにはある
・レンズ内手ぶれ補正は搭載されていません。
・古いレンズなので像面位相差AFには対応していません。
・進化してしまった高解像度センサーだと粗が目立つ
といったところでしょうか。
上でも書いていますが、位相差AFに対応していないので、コントラストAFでの動作になります。
なので、AF速度は遅めでボディ内手ぶれ補正が搭載されていないα6400なんかだと少し気を使うかもしれません。
とはいえ、ボディ内手ぶれ補正が搭載されているα6700だと手ぶれ補正は関係ない話だし、広角寄りのレンズなので、そこまでの速写が必要なのかって話にもなってくるので、普通に使うのであれば問題ないんじゃないでしょうか。
上でも書きましたが、ソニーのミラーレス最初期のレンズだと考えたら、そこまで解像度も高くないのも、周辺が甘いのも仕方ない気がします。
価格競争が激しかった時期でもあるし、今と違って各メーカーもある程度妥協してる部分は多かったでしょうからね。
下取り交換で購入しました
買いましたとはいっても、無い袖は振れないのでマップカメラの下取り交換で購入しました。
交換に出したのはテックアートのTZM-01です。
以前にも別記事で書きましたが、今のところはNikon Z6IIのVer1.60では動作してます。
ただ、もし今後のファームウェアアップデートで動作しなくなったら、うちでは「文鎮化」していますからね。
(テックアートがアプデしてくれるのなら他の機種の時にもやってくれてるだろうし)
それなら下取りに出して足しにしようかなと思ったわけです。
当初はSE-NZみたいなマウントアダプターに買い替えようと思っていたんですが、対応レンズを持ってない状態なのでレンズの方がいいかなと思ってE 16mm F2.8にしました。
因みに、土曜の夜に集荷が来て、日曜に状態確認及びレンズの発送が行われました。
いつも思うけど、運送業者さんには本当に感謝ですね。
そんなわけで現物確認
めっちゃシルバー
にシルバーメッキなんかをしているレンズとは違って、やっぱりアルミ鏡筒は目立ちますね。
フィルターは以前使っていたZXIIが残っていたのでそれを使う事にしました。
カッティングシートでレンズスキン風にラッピングしてみようかなぁ
流石にレンズの重さが約69gなので、フィルターを入れても知れているので軽いです。
長さも無いので、重心が前に行く事も無くて持ち歩きやすいですね。
因みにE 18-135mmと比べてみるとこんな感じ。
大人と子供ですね。
試し撮りしてみた
とりあえず通勤時にちょちょっと撮影をしてきました。
全てF2.8のクリエイティブルック:VVで撮影したJPEG撮って出しをリサイズだけしたものです。
確かに隅の方の解像度は物足りない感じはします。
特に右端のマンションの上部に当たる角の部分は気になる歪みを感じますが、まぁこんなもんっちゃこんなもんでしょう。
等倍鑑賞をするのでなければ十分だと思います。
周辺減光に関しては気になりませんね。
フルサイズで35mm相当や、E 18-135mmの27mm相当と比べると数ミリの差ですがかなり広く感じます。
35mmだとリミットラインな場所で撮影しても全然余裕があるので、何気に便利ですね。
隅に気になる物を持ってこなければ普通。
何より、軽くて軽快な感じで使えるので通勤のお供とかお散歩用にはめっちゃいいです。
AFの遅さもそんなに気になるレベルではないです。
無駄に下から撮って、なだらかな坂を急勾配な感じに撮ってみた。
理髪店のくるくるしてるやつ。
16mmなので普段よりも1歩2歩踏み込んで撮る必要があります。
いつもの感覚で撮るとめっちゃ無駄なスペースが多い・・・
結構寄って撮影してますが、かなり余裕のある感じで写せるので、自撮りにも複数人集まった時の写真撮影なんかにも向いてるレンズだなと思いました。
めっちゃ逃げる鳩の群れ。
当然ですが、野良系の動物に使うのは難しそうですね。
最短撮影距離は25cmなので、もう少し寄れたらっていう感想を見る事も多いですね。
せめて後5cm寄れたら便利度は大きくUPしそうな気もしますが、寄れたら寄れたで破綻部分が出てくるはずなので、丁度いいのかもしれません。
APS-Cなのでボケの感じはちょっと小さめ。
とはいえ、オールドレンズ感もあるシルキーな感じで嫌な感じではないです。
寧ろ今の解像度に全振りみたいなレンズではないので、柔らかい描写が好きなら気に入るかも。
公園に少しだけ咲いていた彼岸花。
どうしても寄り切れない部分はトリミングでいいんじゃないでしょうか。
そんなわけで、最後の1枚だけ自分の好きな感じで調整してみました。
うん、個人的には十分です。
まとめ
個人的にはお散歩用などの常用レンズとしては十分だなと感じました。
色々と酷評される事も多いレンズですが、実際に使ってみると定価なりのレンズではあるんですよね。
中古だと同じような焦点距離の中華レンズよりも安く買えて、写りもそれなりにいい感じで、AFも使えると考えたら今でも十分に選択肢に入るレンズなんじゃないでしょうか。
周辺が気になる人やカリカリの写りがいい人には全く向いていないとおもいますが、柔らかめの雰囲気が好きな方ならいいレンズなんじゃないかなと思います。