はじめに
Godoxから発売されたコンパクトなTTLフラッシュ『iT32 & X5S』のソニー用セットを購入してみました。

今まで持っていたのはNEEWERのTT560というマニュアル発光のフラッシュだったんですが、ようやくTTL発光が出来るフラッシュを購入した事になります。
まぁ自分が撮影する場合はそんなにフラッシュが必要な事も無かったりするんですが、やっぱりあった方がいいよなぁと思う場面もあったりはするので、手軽に使えるようになるのは嬉しいところです。
開封と外観
セット内容としては持ち運び用のポーチ、デフューザー、iT32本体、X5本体、USBケーブル、日本語マニュアル、スタンド、おそらくオマケのクロスとブラシが付いてました。

見てわかるようにiT32というのがフラッシュ本体、X5というのがホットシューのベース兼ワイヤレストランスミッターとなっています。
何気にブラシも欲しいなと思っていたので、携帯用のこいつが付いていたのはラッキーですね。
カメラバッグに忍ばせておこうと思います。
付属しているオレンジ色のカラーフィルターは、マグネットでフラッシュ前面に装着できるようになっています。

一応、他のフラッシュと同様に、ライトの上側に拡散板と反射板が収納されていて、スライドで引き出せるようになっているんですが、自分にはちょっと固くて何か小道具を使わないと引き出せませんでした(爪が引っかけれなかった)
マニュアル発光のフラッシュしか見たことがないのでわかりませんが、ソニー用のX5にはマルチアクセサリーシューの端子が装備されていました。

そのままα7CRに搭載するとこんな感じ。

ディフューザーをつけるとこんな感じ。

そしてワイヤレスでiT32を発光させるためのベースに乗せるとこんな感じになります。

iT32とX5の接続はマグネット吸着による接続となっていて、X5にiT32を乗せるというよりもiT32にX5を組み込むという感じ。

X5の半分ぐらいが埋まる感じになるので、簡単にポロッと外れてしまう事はありません。
スペック
| ガイドナンバー | 約GN18(ISO 100) |
| 閃光持続時間 | 1/1000秒~1/30000秒 |
| 露出制御システム | TTL自動フラッシュとマニュアルフラッシュ |
| 露出補正 | ±3ステップ(1/3ずつ) |
| 同期モード | ハイスピードシンクロ(最大1/8000秒、α9IIIは1/80000秒) 先幕シンクロと後幕シンクロ |
| マルチフラッシュ | 最大100回、100Hz |
| ワイヤレスフラッシュ送信グループ | M,A,B,C(iT32+X5S/N/F/O) A,B,C,D(iT32+X5C) |
| 受信グループ | A,B,C,D |
| 伝送範囲(約) | 最大80m(分離トリガー時は最大20m) |
| チャンネル | 32:1-32 |
| ID | オフ/1-99 |
| 電源 | リチウム電池 iT32:7.4V/900mAh X5:3.8V/100mAh |
| リサイクル時間(1/1ステップ) | 約1.5秒 |
| フラッシュ回数(1/1ステップ) | 約510回 |
| 省電力 | スタンバイ機能と自動電源オフ機能 |
| 同期トリガーモード | ホットシュー、2.5mmシンクロコード |
| サイズ | iT32:56x39x101mm X5:1.26x1.26x1.06mm |
| 重量 | iT32:169g X5:23g |
| 販売価格 | 約¥17,000~¥18,000 |
フラッシュに関してはほとんど使ってないし、使ってたのはカメラ本体に内蔵していたポップアップ式かマニュアル発光だけだったので、ぶっちゃけ無線とかのスペックを見ても自分には訳が分かりませんw
ただ、GN18という少なめな光量に思われるかもしれませんが、ISO感度が100じゃないことが多いとかっていうのを考えると、何気に十分なんじゃないかと思ったりもします。
iT32&X5を買った理由
充電式のフラッシュが良かった
何かアイテムを撮影するという事であれば、正直TT560を使って何度か手動で設定しながら撮影すればいいだけではあるんですが、手間を減らしたいというか楽が出来るなら楽をしたいじゃないですか?
そういった部分もあるんですが、地味にTT560で不便だったのが「乾電池」という点。
出先で使う方だとコンビニでも調達できる乾電池の方がいいって方もおられるかと思うんですが、自宅ユースが多い身からすると、単三電池6本とか意外とストックしてなかったりするので、使いたい時に使えないとかって事もあったりしたんですよ。
当初はGN60の光量があるGodoxのTT685II-S(¥17,000台)でいいかなぁと思っていたんですが、こいつも乾電池でした。
GN18でも十分かなと思ったのと、コンパクトで充電式というのもいいなと思って選んだのが理由の一つです。
いちいち電池を買いに行ったりストックを考えなくていいのはやっぱり楽です。
因みにX5の方には電源スイッチや充電ポートは無く、iT32に接続して充電、iT32の電源と連動といった感じになっています。

最大の理由は高い利便性
このiT32 & X5フラッシュは、2.4GHzのワイヤレス受信機が内蔵されたiT32フラッシュ本体と2.4GHzのワイヤレス送信機が内蔵されたワイヤレストランスミッター兼ホットシューマウントとなるX5の2つのアイテムから成り立っているのは既に記述済み。
実際にワイヤレス発光ができたらめっちゃ便利だなと思ったものの、持っていないのでLEDライトや電気スタンドを使って無理やり光を当てていたところはあるので、簡単にスタンドアロンでもワイヤレスのどちらでも使えるというのはめっちゃいいなと思ったんですよね。
また、物撮りで多灯ストロボを使ってみたいなんてことも思っていたこともあったので、トランスミッターとワイヤレスフラッシュを一緒に購入したと考えると十分にお得なんじゃないかなと思うんですよね。
一番いいなと思った点は、ベース兼トランスミッターとなるX5を使用しているメーカーに対応したものに交換する事で、1台のiT32を別のメーカーのカメラでも使用する事が出来るようになる点ですね。
キヤノン、ニコン、ソニー、フジ、OM(パナ)用のX5が販売されているんですが、約¥3,000~¥4,000のX5だけを購入するだけでいいというのはコスト面で考えると非常にありがたいです。
なんでも値上がりしてこの価格帯じゃ安いマニュアル発光のフラッシュすら買えなくなってたりしますからね・・・
自分の場合だと、X5のOM用を購入すればOM-3やOM-5IIでもiT32が使えるようになりますし、仮にOM用のiT32 & X5oのセットを購入すれば、2灯のフラッシュとして環境を構築できるようにもなるので、どちらの選択肢を選んでもデメリットがないんですよね。
室内に限らず外で活用するにしても、自分の場合だと必要最低限の光が欲しいとか、ワイヤレスで花の後ろから光を当てたいなんてパターンになるので、このシステムは結構重宝しそうですしね。
テスト撮影
相変わらずマニュアルも読まずに試してますが、どんな感じになるのか撮ってみました。
被写体は塗装中でテーブルの上に置いてあったHG プロトスタークジェガン。
まずはいつも通りのノーフラッシュで電灯の明るさのみの状態。

ちなみにカメラはミニ三脚に乗せて固定しており、ワイヤレス撮影以外はノー補正のリサイズのみにしています。
そして今までのパターンでMモードで撮ってみるとこんな感じ。

今までだとこんな感じでスタートして低めで発光させて調整していくのでトライ&エラーな感じになってました。
カメラのフラッシュ項目を適当にいじって、iT32をポン付けしただけのTTLモードで撮影。
ホワイトバランスをフラッシュにすら変えてねぇという事に後で気付きましたが仕方ないね。
何も考えずに装着して、天井バウンスで適当に撮っただけでも1枚目と違ってちゃんと光が回ってますね。

一枚上の状態だと何枚も撮って調整ってことをやってたのに、何も考えずに最初からこれだと今まですげぇ時間の無駄だったんじゃないかと思ってしまえるくらいに楽・・・(;´Д`A
そしてワイヤレスでの発光。
ワイヤレスでも光るという確認だけなので光の当たり方とかは全く考慮していません。
流石に見難いので明るさ調整していますが、大きさがわかりやすいようにジェガンの横に付属スタンドに載せて立てて撮影しました。
こんな感じでワイヤレスでもちゃんとフラッシュが点灯しています。

α7CRがコンパクトなので装着写真だと大きく感じたかもしれませんが、HGUCの13cmサイズよりも小さいコンパクトさ。
iT32を分離させて手持ちしたとしても持ちにくい大きさではないので、コンパクトなα7CRに軽量レンズの組み合わせだったら、片手にiT32を持って撮影ということもできますね。
ということで家を出る時に持ち出してみました。
被写体はいつもの南天の実で、自分の身体で影ができた状態になっています。
フラッシュの電源OFFで撮った写真がこれ。

だいたいこんな感じで撮って後から補正というのが普段の撮り方だったりします。
フラッシュの電源はOFFですが、ホワイトバランスはフラッシュのまま。
慣れてないのでWBをごちゃごちゃすると設定を変え忘れそうなのでそのままにしました。
これがTTL設定でフラッシュありの写真。

あとから補正云々をやらなくていいのは楽かもしれないですね。
ワイヤレスにして左下からフラッシュを焚いてみました。
左下にフラッシュの光源がモロに入ってます。

部分的に光量が足りないとかって場合には結構便利かなと思いますね。
ただ、葉っぱや花びらの後ろから光を当てて透かしたいなんて使い方をするのであれば、マニュアル発光で強めの光を当てる方が良さそうですね。
少しだけTTL発光ありでいつもの感じの写真を撮ってみました。

地味に影になった場所なので、いつもクリエイティブルック:スタンダードで撮っても花びらが濃いめの色に出ちゃうんですが、フラッシュありで撮ったら変に色がついたりする事がなく自然な感じになってますね。
まぁコンパクトであるとはいえ、毎日持ち歩くかと言われたら若干微妙かなぁという気はしますが、スペース的な事を考えるとそこまで嵩張りはしないので、どこかに撮影に行く時なんかには持っていってもいいかなぁとは思います。

そもそも今まではフラッシュを持ち出して使おうという気にすらならなかったことを考えると、格段の進歩ですね。
ファームウェアアップデートについて
ファームウェアはGodoxのWebサイトで配信されていてアップデートにはソフトウェアアップデーターが必要になります。
iT32のファームウェアアップデートはGodoxのWebサイトから「Godox G3 V2.0」ソフトウェアアップデーターをダウンロードして、そのソフトからアップデートを行う形になります。
現在のiT32のファームウェアバージョンはV1.14になっています。
フラッシュのファームウェアを確認して、必要であれば一緒にダウンロードしておくといいかと思います。
ファームウェアバージョンの確認方法
1.iT32の電源をON
2.メニューボタンを押してメニュー画面を開き、ダイヤルを回して一番上にある「三」のところでセットボタンを押す
3.ダイヤルを回すと一番右に「Device Info」があるのでそこでSETボタンを押すとファームウェアのバージョンが確認できる。
ファームウェアのアップデートが必要であれば、ダウンロードしたアップデートファイル(Zip)を展開しておきましょう。
ファームウェアのアップデート
ファームウェアのZipファイルの中にアップデート手順が記載されたPDFファイルが同梱されているんですが、掻い摘んで備忘録として書いておきます。
※ファームウェアの確認と同様に3までの手順を行ってDevice Info画面にする。
4.Godox G3 V2.0アプリを起動し、Device Info画面のままのiT32をType-CケーブルでPCと接続します。
文字表示が中文になっているので、Englishに変えておく方が分かりやすいと思います。
5.USBケーブルを接続すると、iT32の画面に「Update」ボタンが出るのでそれをタップ。
6.G3 V2.0のステータスエリアにデバイスが接続されたメッセージが出るので、ローカルファイルボタンからダウンロードしたファームウェアファイルを選択してアップデートボタンをクリック。
7.G3 V2.0のステータスエリアにアップデート完了のメッセージが表示されればOKなんですが、ここでは「iT32にファームウェアファイルの転送が完了」しているだけなので、USBケーブルをiT32から取り外すとアップデートが開始されます。
8.iT32のアップデートが終了すれば、液晶画面にアップデート完了のメッセージが表示されます。
まとめ
とりあえず細かい部分まで日本語マニュアルを読んではいないんですが、まぁ良く分からないままでも普通に使えましたw
軽く使ってみただけですが、もっと早くにこういったフラッシュを購入していれば、もっとフラッシュ撮影をする機会も多かったんじゃないかなぁと思えるくらいに手軽だし簡単でした。
正直、いままでだと使った方がいいなと思いながらも面倒臭いので使わないといった事がとても多かったんですが、こんなに手軽ならもっと積極的に使っていってもいいなと思えるくらいに本当に簡単だったので、これからはちょっとした物撮りなんかにも積極的に使っていきたいなと思います。
流石に今年はもう閉店ガラガラするしかないので、来年あたりにAmazonのセールで安くなったらOM用のiT32&X5のセットを購入して多灯にチャレンジするのもいいかなぁなんて。
