写真に限らず人生でもそうですが、何らかの転機がやってくる時があります。
自分の場合はライカとの出会いでした。
フィルムからデジタルに変わった時には利便性を感じましたが、そんなに大きなインパクトを受ける事はありませんでした。
そこからデジタル一眼を色々と買い替えましたが使い勝手が良くて一番いいなと思ったのはペンタックスのK-1でした。一番最初に買ったフィルムカメラが同じペンタックスのZ-1で操作性に大きな差が無かったので使いやすかったのと、重いけどコンパクトな一眼レフだったのが良かったんですね。
それと同時に、デジカメはもう高画素化ばかりである意味打ち止めかなと思ったので、一生使えるようなフィルムカメラが欲しいなと思うようになりました。
メンテナンス性を考えたら、当然ながら電子部品なんか使っていない機械式のフルマニュアルのカメラがいいなと思いました。
そこで、若い頃に気になっていたライカのフィルムカメラを買いました。
購入したのはライカM4
自分が若い頃気になっていたライカM6でしたが、露出計がすぐ狂ったりするっての事を色々なサイトでみてたので、露出計のないライカM4にしました。たまたま見に行ったお店で黒いボディのこのM4がすごく気に入ってほぼ即買いしましたが、その頃はブラックペイントとブラッククロームの違いもわかってなかったり、ライカのピント合わせとかレンジファインダーなんて予備知識も殆どなかったんです。
本当に使いこなせるかなんてわからなかったし、デザインが好きだし最悪はインテリアになってもいいかなぁなんて思ってました。
しかし、実際に使ってみるとなぜか自分にすごく合ってるなと感じました。
今まで使って来て「いいカメラだな」と思ったことはありましたが、「自分に合ってる」と思ったカメラは初めてでした。
フルマニュアルなのでオートフォーカスも無ければ露出計もないし寄れないカメラなのに何故かしっくりくるし、フィルムの巻き上げ感覚やシャッター音、手触り、全てが心地良かったんですね。もう写真を撮るのが本当に楽しかった。
それと同時に、今まではただ漠然とカメラ任せや人任せになっていた部分をもっと色々と勉強したくなってフィルムの現像や暗室でのプリントなどもやりました。
そしてフィルムのライカM4を使えば使う程、デジタルライカが気になって仕方がなくなりました。でも、デジタルのライカは物凄く高い(´・ω・`)
仕方ないので違うメーカーの発色がいいというデジカメを買ったりもしましたが、やっぱりデジタルライカのような色は出ない・・・
それに、モノクロフィルムが高騰し、カラーフィルムも安価なのは逆輸入なフジカラーC200とかになってて、何台もデジカメを売って買ってを繰り返して遠回りしたり、フィルムで沢山撮ってトータルのコストを掛けるなら、いっその事思い切ってデジタルライカを買った方が安いんじゃないかという気持ちになりました。
そこで去年思い切って買ったのがライカM10
前述のライカM4を手放して購入したアポ・ズミクロン50mm F2 ASPHを主に付けて使っています。
デジタルなのでフィルムの巻き上げの心地良さとか、横走りシャッター幕の音は無くなりましたが、コンパクトさやしっくりくる感じはそのまま引き継がれています。例えAFが無くてカタログスペック上は平凡でも自分にとっては扱い易いメイン機です。
M10を買うまでは個人でどこかに撮りに行ったりする程度でしたが、M10を買ってからはライカに限らずメーカーやカメラ店主催のセミナーや撮影会にも参加するようになりました。そのお陰で色々な人と出会う事ができたし、色々と勉強もできて凄く良かったと思っています。
もしあの時、あの黒いライカM4が無かったら、もし「やっぱりいいや」と思って買わなかったら、今の自分は居なかったと思うし、他のカメラだったらそこまで色々やってみようと思わなかっただろうなとも思います。
・・・もしかしたら転機になったというよりも、ライカに魅入られてしまったのかもしれませんね。