いつもなら暫く使ってみてレビューを書くわけですが、Zfcが発売されて結構経ちますし、そんなに目新しい情報もないでしょうからサクッとレビューしたいと思います。
Nikon Zfc Blackクリムゾンレッドがやってきた
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到着して開封した時の記事はこちらへ。
Nikon ZfcとZ30を比べてみた
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Z30とZfcを比較してみた記事はこちらへどうぞ。
見た目に騙されちゃいけない
Zfcはクラシカルなスタイルで、その見た目が気に入った人が使う「見た目重視のカメラ」と思われがちですが、実はそんなことはありません。
Auto、A、S、Mの各モードを使い分けることでクラシックカメラと同じ操作から最新のデジカメと変わらない手軽さにもなります。
上のリンクにあるZ30との比較でも書いていますが、ニコンのDXスタンダード機だと思われているZ50がUSB給電に非対応な事を考えると、最悪の場合でもモバイルバッテリーで駆動できるZfcの方が実はスタンダード機だと思っています。
特に動画を混ぜて撮影する人や動体を撮る人は意外とバッテリーを消費するので、USB給電は出来る方が絶対にいいです。
とはいえ、ニコンさん自体がレトロデザインをウリにしているので仕方ないのかもしれませんけどね。
所有感は意外と高い
シルバーの時はそこまでいいとは思わなかったんですが、ブラックエディションは落ち着いた色でかなりいい感じに仕上がっています。
貼り革も自分の好きな色のエクステリアに変更しているのもあって、決して高級な機種ではないのに所有している満足感もかなり高いです。
操作感とか
基本的には他のZシリーズと大差なく、とても扱いやすい機種になっています。
別にダイヤルを使わなくてもいいし、ボケを優先しないのであればオートで全て完結できますしね。
基本的に自分は他のカメラでもAモードを使用するので、Aで使用するなら本当に見た目が違うだけで何も違和感がありません。
逆に言うとMで使用する以外は特筆するべき事がないかもしれません。
しかし、Mモードにすればクラシカルなダイヤル操作で、じっくりと被写体と向き合う事も出来るようになります。
自分の置かれている状況や気分によって撮影スタイルを大きく変えることが出来るので、幅広い意味で写真を撮ることを楽しめるカメラだと思います。
バッテリーは意外ともつかも・・・
東京観光に行った時にはZ30のバッテリーを引っこ抜いて、予備として持って行ってました。
なので、予備バッテリー1本の状態で、最悪はモバイルバッテリーでいいかなと思っていましたが、モバイルバッテリーを使う事はなかったです。
自分は基本的にフォーカスエリアはシングルポイント、AFはAF-Sを使用しています。
使い方にもよりますが、通常の使い方であればバッテリー1本で朝から夕方くらい(RAW±Jpeg Lで500カット以上)までもちました。
また、使用していたレンズは基本的にNIKKOR Z DX 24mm f/1.7だったので、VR非搭載のレンズです。
これらの要素が絡み合ってのスコアなので、VR搭載のキットレンズだと枚数は落ちると思います。
それでもAF-Sでの運用であればメーカー公表くらいの枚数は撮れますが、AFをAF-AやAF-Cにして使用した場合はそこそこバッテリーの減りは早くなった感じなので、常にそっちで使用するとそんなにもたないかもしれませんが、ガチ寄りの撮影でないのであれば自分の使い方なら予備バッテリーも無しでいけるんじゃないかなって感じました。
ただ、Z30でもそうでしたが、動画をそれなりに多く撮る場合だったらバッテリーの減りは尋常じゃなくなるので、予備バッテリーなりモバイルバッテリーは必要になってくると思います。
存在を忘れがちな露出補正ダイヤル
上でも書いたようにZfcはフィルムカメラのようなダイヤル操作だけではなく、セミオート的な使用も出来ます。
例えば、NIKKOR Z DX 24mm f/1.7をつけてAモードでISO感度を100にしておけば、コマンドダイヤルで絞りを調整するだけで操作が完了するので、ほぼ片手だけで扱える形になります。
ただ、他機種と同じようにフロントとリアにコマンドダイヤルがあるわけですが、他機種と違う部分もあります。
それが露出補正ダイヤル。
通常であればリアに絞りを設定しておけば、フロントが露出補正になるんですけど、露出補正は天面にあります(写真の右端のやつ)
これがね・・・他のカメラと同じ感覚でいってしまうと存在を忘れてしまうんですよ(;´Д`)
この操作自体もZfcの楽しみの一つではあると思うんですが、他機種も併用していたりとか右手だけで操作を簡素化したいって場合は0の反対側にあるCにセットしておきましょう。
これでフロントダイヤルで露出補正が行えるようになるので、他の機種と同じ感覚で扱えるようになります。
Zfcしか使っていなくて露出補正ダイヤルに慣れてしまってる人には関係ない話かもしれませんが、フロントダイヤルだとファインダーを覗きながらでも調整しやすいので、一度試してみてもらいたい設定だったりします。
片手で使うならグリップは必須
こういったクラシックなカメラが全盛期だった頃はレンズもマニュアルレンズだったので、操作は右手でシャッター、左手でレンズという具合に絶対に両手操作でした。
なので、カメラを支えるのも両手という事になっていましたが、Zfcはオートフォーカスが使えるカメラです。
別に左手で支えなくてもシャッターを半押しすればAFがピントを合わせてくれるので、片手でも操作が出来ます。
上の露出補正ダイヤルもフロントダイヤル操作にしてしまえば完全にZ30やZ50と変わらないレベルです。
しかし、グリップのないデザインなので、片手でカメラを持とうとすると、かなり力を入れて前後で挟むような持ち方をしなければいけません。
結構疲れるし、より重く感じるかもしれません(;´Д`)
という事で、右手オンリーな使い方をするのであれば、ハンドグリップを装着するだけでかなり改善されます。
グリップに指を掛けることで保持するために必要な力が軽減されるので、片手でサッと撮ったりする人ならばグリップは必須だと思います。
マニュアルフォーカスのレンズしか使わないとか、絶対に両手で操作する人には必要ありませんよ。
設定変更で使いやすさが向上
カメラの設定でAutoになっている時はダイヤルの設定を無視して自動露出で写真を撮る事が出来ます。
ただ、ISO感度、絞り、シャッタースピードのすべてをカメラが設定してしまうため、ボケを活かした写真が撮りにくかったりします。
そんな時はAモード(絞り優先)にすれば、レンズの絞り設定(F値)に合わせて露出を調整してくれます。
ただ、一部設定の変更を行わないと、自分の思った感じには写らない可能性があります。
ISO感度設定をOFFにする
メニューの中にある写真の設定項目の中に「ISO感度設定」という部分があります
この中にある「感度自動制御」がONになっていたらOFFに設定してください。
これがONのままだと、ISOダイヤルの数値を無視してISO感度とシャッタースピードを自動的に設定して、適正露出に合わせようとします。
その結果、やたらとISO感度を上げられてしまったり、アンダー気味とかオーバー気味といった自分の好みの写真が撮りにくい状態になります。
特に明るいレンズを使ってボケを楽しむのであれば必須の設定だと思います。
この設定とかを全く確認しないまま旅行に持って行ったので、Mモードを多用することになりましたが、早く気づいておけばよかった(´・ω・`)
カスタムボタンを変更する
Zシリーズに限りませんが、デジカメは結構自分好みのボタン設定の変更を行う事が出来ます。
カスタムボタンの設定変更は必須の変更ではありませんが、変更することでかなり操作しやすくなったりもするので、自分好みの設定をしていくのも面白いですよ。
自分はフロントのFn1には画像再生を割り当てています。いちいち左手で左上の再生ボタンを押す必要が無くなるので、片手での操作が楽になります。
また、背面上部のAE-L/AF-LボタンはAF-ONを設定。
シャッター半押しではなく親指AFを使用しているので、これと画像再生は手持ちの全てのZシリーズで設定しています。
フィルムカメラの代わりにどうですか?
うちにはもうフィルムカメラはペンタックスのMXしか残ってないんですが、時々空シャッターを切るくらいでフィルムを通すこともなくなっています。
以前も書いた事があるんですが、フィルムの価格が上がりすぎているので、2週間で1本のカラーフィルムを撮って現像するコストを考えると、Zfcのレンズキットを買ったとしても2年以内に同等の金額になる計算になります。
「どう写ってるのかわからないからフィルムカメラは楽しい」ってのは分からなくはないんですが、自分の撮りたいものを撮るのであればフィルムでもデジタルでも変わらないんですよね・・・
フィルム独特の味のようなものがあるのも事実ですけど、デジタルでもフィルムライクな仕上がりにできたりしますしね。
あくまでも個人的な感想ですが、フィルムの残枚数やコストを気にしながら撮るよりも、その辺りを気にせずに撮る方が気楽だったりします。
特に気に入った物だけをプリントすればいいし、1枚ずつ大切に撮りたいってのもフィルムだろうがデジタルだろうが変わりませんよ。
逆に、結果が見えるEVFでも自分のイメージに近い仕上がりに持っていくのはなかなか難しいので、デジタルだからフィルムより面白くないって事は無いんですよね。
そういった部分でじっくり取り組むのも楽しいと思いますよ。
実際には基本的にどのデジカメでも、Mモードにすればフィルムカメラと同等の操作はできるわけですが、フィルムカメラと同等のダイヤル操作が可能な機種はライカM型、フジのX-TやX-Proシリーズ、そしてZfcくらいだと思います。
価格面でも他の機種に比べると入手しやすい価格帯なので、フィルムカメラからステップアップしたい方や最初のデジカメとしても十分に魅力的じゃないかと思います。
まとめ
レビューって言いながら、ちょっと取り留めの無い感じになってしまいましたが、Dfの時以上に上手くデジタルとアナログが融合してるなと感じました。
特にAPS-CになってDFと比べるとかなりコンパクトになったので、どこに持っていったとしても『ガチ感』があまり前面に出てこないカメラなになったなと思います。
Zfcだとデザイン的な部分もあって生活の一部に溶け込みやすいというか、持ち歩きやすいカメラになっていると思います。
ちょっと雑な言い方になりますが、ごちゃごちゃと難しいことを考えずに気軽に写真を撮りたいとか、カメラの事について勉強したいって人にはとてもいいカメラだと思いました。
Mで微妙な明るさを調整するのに悩むのも結構楽しいですよ。