Nikon Zfを使ってみて感じた実用上の欠点
Nikon Zfを使ってみて、やはり最大限のウィークポイントに感じるのはユーザーモードがないことでも、通常デザインのレンズが似合わないことでもなくて、「素のままだとホールド感がほぼ無いこと」な気がします。
カメラを首から下げるネックストラップを使用するのであれば移動時にはあまり気になる部分ではないんですが、やはりカメラを構えた時には顕著に感じますね。
現実的なところ、ZfってフィルムのNikon F3とほぼ変わらない重さで、グリップ自体もF3と似たような感じではあるので、『昔ながらの使い方』だけをするのであればそこまで気にならないのかもしれません。
ただ、昔のように『ファインダーを覗くのが当然の使い方』ではなく、バリアングルや液晶を見ながらの撮影など、カメラの取り扱い方が激変しているので、持ちにくさが結構重要な問題に感じているのかもしれません。
実用性を上げるためのドレスアップを行ってみる
上でも書いたように、完全に首から下げてファインダーを覗く使い方をするのであれば、基本的に左手はレンズに添える形になるのでホールド感の低いカメラでも問題ありませんが、LV撮影の頻度が高いかファインダーとLV撮影が5:5という感じなのであれば、カメラのホールド感を改善しないと使いにくい場面が色々と出てきそうです。
という事で、今回は使いやすさを向上させながらドレスアップも出来るアイテムを2つ追加してみます。
それは「ソフトレリーズボタン」と「グリップハンドル」です。
アマゾンで少し値下がりしていた事もあって購入してみました。
シャッターフィーリングを変えるソフトレリーズボタン
ソフトレリーズボタンはHaogeのシンプルな奴にしました。
真鍮とかではなくておそらくアルミ削り出しのものです。
デザインがされたものや赤とか黒、素材も真鍮とか様々なものがあって、この辺りは完全に好みになります。
また、サイズも色々とあるんですが、Zfのシャッターボタンに付けて違和感のない12mmのものにしました。
ライカの時は真鍮製のブラックペイントのレリーズボタンを使っていましたが、今回シルバーにしたのは理由があります。
Zfのダイヤル部分は真鍮製らしいので、そちらが剥げてくればブラックペイントのレリーズボタンの下地が出てくれば剥げてきたレリーズボタンとも合うような気はしますが、ライカM型と違ってシャッターボタンが結構大きいので主張が強いんですよね。
結局、間に入るシャッターボタン自体が結構目立ってしまって変に浮きそうなのでシルバーのものにを選んだわけです。
ソフトレリーズボタンの形状は上面がすり鉢状に凹んでいるものを選びました。
すり鉢状に天面が凹んだ状態のものだと、ちょうどいい具合に人差し指の腹が吸い付く感じでレリーズボタンに置いておけるんですよ。
見た目で行くと純正のAR-11の方が側面にNikonの刻印があるのでドレスアップにはいいんでしょうけど、微妙に高さがあるんです。
ニコンのAR-11はDfの時に使っていましたが、人によっては押しにくくなるかもしれません。
あの時は見た目重視で使っていましたが、今だとボタンの上面と人差し指が微妙にマッチしないのが気になるかなぁって思ったりしたんです。
あまりソフトレリーズ自体に高さがありすぎると、指の引っ掛かり方的にシャッターボタンに対して斜めからアプローチする感じ(ボタンの右端だけを押さえる押さえる感じ)になってしまうので、指に微妙な違和感が出てしまうんです。
ほんの数ミリの事ではあるんですが、自分的には指とシャッターが漢字の二のような上から押さえる関係の方がフィーリングがいいんですよね。
まぁこれは人によって違うので高い方が楽という人もいるとは思いますが、自分的には若干低めの方が合っている感があります。
見た目も大切ですが、実際に使う時のフィーリングの方が重要だと思うので、購入時には注意してください。
ソフトレリーズボタンをなくさないために
Haogeのソフトレリーズボタンの裏面には緩み防止用のOリングがセットされています。
レリーズボタンってかぶせ式のレンズキャップなんかと同じで、気が付いたら外れて無くなっていたということが良くあるアイテムの1つです。
決して高いわけではないんですが、知らないうちに生産完了でもう手に入らないという事もあるので、気に入ったレリーズボタンをなくさないための重要なアイテムがこのOリングだったりします。
ソフトレリーズボタンをシャッターボタンに直接取り付けるのではなく、Oリングを間に入れてねじ込んでいく(締め付ける)ことで、シャッターボタンとレリーズボタンの両方にゴムによる摩擦抵抗が生まれ、緩み防止になってくれます。
下の写真のような感じで適度につぶれてねじ止めになってくれます(Xperia 1VIの120mmマクロで撮ったらえらいゴミが目立ってしまいましたが、そこはスルーしてください( ;´Д`)
何気にいい値段のものも多いので、もし間に何もないレリーズボタンを使用しているのであれば、Oリングだけを購入して間に入れておくことをお勧めします。
めっちゃ多くのサイズがありますが、ホームセンターの水回りのところでも¥100くらいで購入することができるので、¥2,000くらいするレリーズボタンを無くすことを思ったら安いもんでしょうし。
ということで、レリーズボタンを取り付けた状態がこちら。
直径12mmってのはシャッターボタンよりも大きくて、パワースイッチにもなっている土台部分よりも少し小さいという絶妙感のあるサイズになっています。
意外と小さい事ですが、シャッターがかなり軽くなる(押しやすくなる)ので、シャッターを深く押し込むのがストロークが長いと感じる方は是非試してみてください。
SmallRig Nikon Zf用グリップハンドル
右手だけでカメラを持って撮影する時の「持ちにくさ」を解消するための必需品でもあるグリップはSmallRigのものを選びました。
品番としてはSmallRig 4262 [Nikon Zf用グリップハンドル]です。
Zf用のグリップも色々なところから発売されていますが、SmallRigを選んだ理由としては定番だからというものではなくて購入前に写真を見た時に『グリップの張り出し感が良かった』点と、『カメラとの一体感が一番良かった』ことでしょうか。
前からの写真はどうせ本体に付けてから撮影するからいいかなと思ったので後ろ側から撮ってます。
アルカスイス互換のベースになっているのはいつものことですが、厚みが最低限になっているので嵩張るという感じはありません。
Z5/Z6II/Z7II用の2947がかなり嵩張る土台の形だったので、それと比べるとかなりスマートになったなぁと思います。
底面部分。Z5/Z6IIで使っていた2947の時はマイナスねじ方式で、ドライバー用の板が磁石で着脱できる形で付属していましたが、Zf用の4262はハンドル付きねじで固定するようになっています。
知らないうちに磁石から外れて落ちて紛失してしまう可能性もあるので、個人的にはこっちのタイプの方が好きだったりします。
手触りと見た目はかなり好みがわかれるかも・・・
グリップ部分はシリコン製で、シボ加工風のモールドになっていますが、やはり実際の張り革に比べるとモールド感はイマイチかなぁというかイマイチだと思います。
寄った写真だからじゃないの?って思われるかもしれませんが、離れてみるとシリコン(グリップ)と合皮(本体張り革)という素材の違いを抜きにしてみてもグリップ部分のモールドは微妙ですね。
張り革のシボの粗さに対してグリップのモールドが細かすぎるのが原因なんでしょうけど、張り革が光を受けた時の反射を普通とした場合、子のグリップの反射は妙にギラギラしてるんですよね。
あんまりうまく言えないんですが、スーパーの総菜にかけられたラップの底面部分というか、皺が入りまくったラップのようなガサガサした感じというか・・・
また、「シリコン製なので」というのもおかしいかもしれませんが、なーんとなくぺたぺたする感じの手触りです。
無水エタノールで拭いてみましたが特に変わることがなかったのでこういったシリコンなんでしょう。
さらっとした感じではないにしても、ペタっと手に吸い付く感じなので滑りにくくてグリップとしては十分だと思います。
まぁシリコンも種類によってはベッタベタになるやつもありますし、子のグリップがどうなのかは経年劣化を見ないと何とも言えないので、そういった部分が気になる方はウッドグリップなどにするか、下のような張り革タイプのグリップの方がいいかもしれません。
自分はグリップだけでいいと思ったのと、上のグリップだと予算オーバーになってしまうこともあって翌朝配送のSmallRigにしましたが、サムレストも併せて購入するつもりで、中国発送で時間が少しかかっても構わないのであれば上のグリップ&サムレストのセットを買う方がいいかもしれませんね。
グリップとソフトレリーズをZfに装着してみた
Zfに両アイテムをつけた状態を上から見るとこんな感じになります。
結構グリップが張り出しているのがわかるんじゃないでしょうか。
めっちゃ写真が撮りにくくて苦労して撮ってますが、ホールド感は大きく向上しています。
片手でもまだ持ちやすくなった方かと思いますが、欲を言えばもう一回り深い方がいいかなぁ・・・
実際に片手で握るとこんな感じ。
おい、シャッターボタンに真っすぐ指がかかってないやんけって思われるかもしれませんが、上でもう少しグリップが深ければ・・・といった理由がここにあります。
確かにホールド性自体はよくはなりましたが、何気にこのグリップをつけても方手持ちは厳しいんですよね( ;´Д`)
背面にサムレストグリップが欲しくなった
まだ右手だけで持ちにくい大きな理由としては、グリップを取り付けたことによって持ちやすくなったのが『前だけ』だからだと感じました。
裏面にはどこにも親指を置く場所がありません。
厳密にいうと置く場所というよりも「引っ掛かる場所がない」状態なんですよね。
前を握るとどうしても後ろが逃げていく感じになっちゃうので、AE-L/AF-Lとリアダイヤルの間あたりにほんのちょっとでも段があればよかったのにと思います。
こんな感じでライカM10のようにリアダイヤルの右側が小さなサムレストになっているだけでも確実に持ちやすさは大幅UPになるので、本当に小さなことですが親指の置き場も大切だなと思いました。
なので、当初は購入するのはグリップだけでいいやと思っていたんですが、最終的にはサムレストもセットしないとだめだなと実感したりしています( ;´Д`)
Zfに付けるアイテムはこの2つで終わると思っていたんですが、まさかサムレストまで買おうかなと思うようになるとは夢にも思わなかったですわ・・・
どっかから降って来ねぇかなw
まぁ降ってきたら頭に当たって入院しそうなレベルで運気を使っちゃってそうな気もするんですけどね・・・(´・ω・`)
何気に上のアフィリエイトで紹介したところのサムレストが形状的にリアダイヤルと写真・動画の切り替えレバーともほぼ干渉しない感じになっているようなので、もっとじっくり調べればよかったかなぁなんて思ったりもするんですが、雨の日でなければ左手でちゃんとサポートしてやれば問題はない状態にはなったので、当面はこのままでいこうと思います。
ドレスアップ後のZfの姿
ということで、現在のZfの姿はこんな感じになっています。
グリップをつけたことによってZfcと変わらない状態にはなっているんですが、265gの重さって微妙な差だけど大きな違いだなとは感じるくらい、片手運用のしやすさはZfcの方が勝っています。
カメラとしてもモノとしての密度としてもZfcと比べるとZfの方が圧倒的に上なだけに微妙な持ちにくさが残念に感じます。
ま、いうてもこの辺りはもうカメラの性能といった部分とは全くの関係がない『自己満足の世界』なので、なくても全然困らないかもしれない話ですからね。
なんとなくZfの持ちにくさとかシャッターの深さが気になる方の参考になればいいかなぁと思います。