はじめに
少し前に記事にしたんですが、FUJIFILMのX halfを買ってきました。
色々と気になってしまった理由的なのは以下の記事で書いているので、今回は実際に手にしてみての感想なんかを書いていってみようと思います。
相変わらずの自腹なのでいい部分も悪い部分も書いていきますよ。
富士フイルムらしいAPS-Cではない1インチセンサーのハーフサイズデジカメがどんなものか早速見ていきましょう。
X half開封の義
7年ぶりの富士フィルム機
FUJIFILMのカメラはX100fからX-T2にしたものの、2018年8月に下取りに出して手放して以来となるのでほぼ7年ぶり。
その後も少し気になった機種はあったりしたものの、ご存じの通りまともに富士フイルムのデジカメは購入する事が出来なくなりました。
色々と使ってみて他に落ち着いたのもあるんですけどね。
そんなわけで8年以上ぶりのX型番の開封です。
早速開封
X100fもX-T2も黒いパッケージだったと思うんですが白のパッケージになっていました。

黒よりもカジュアルな雰囲気で、女性にも受けそうなイメージがします。
まぁ考え方がおっさんなだけかもしれませんが(;´Д`)
今時は高級機ですら簡易マニュアルすら付いていない事が殆どなのに、基本操作のマニュアルが付いてました。

通常のデジカメのようにメニューボタンからメニュー画面に行くのではなく、特殊な操作形態なので有難いですね。
付属品に関しては写真の他にtyp-c to 3.5mm変換ケーブルとストラップ取り付け用の三角環のセットが付いてます。

ただ本体が本当に軽量なので、写真のハンドストラップでも十分です。
リング付けてもいいけど、面倒なのでそのままリストストラップを付けました。
レンズキャップはデフォルトで吊り環に取り付けられています。
本体サイズはこんな感じでXperia 1VIと比べてもマジでコンパクト。

小さいカメラが好きな人には溜まらんかも。
初めてXシリーズを購入された方だとバッテリーチャージャーを持っていないと思うので、本体側面のカバーを開いて本体充電を行ってください。

一応バッテリーは初期設定の言語、地域、日付と日時の設定くらいはできるくらいの残量はありましたが、残量1だったので充電しておく方がいいでしょう。
外観と触ってみた感想など
本体のサイズ的にはコンパクトで申し分ないんですが、個人的にはデザインはもう少し詰めれたんじゃないかと・・・

採光窓風のLEDフラッシュですが、ちょっと真四角過ぎて違和感があるので、もう少し長方形にしてほしかったなぁというのと、バルナックライカ風のレンズのトップと繋がるU部分が本体サイズの割に大きく感じるので、もう一回り小さくしてくれていたら見た目的には大満足だったように思います。
露出補正ダイヤルや絞りリング、ピントリングは樹脂製で、めっちゃ滑らかという感じはありません。
どちらかというと『材質なり』な感じ。

ただ、決して回しにくいとかってわけではなくて、普通のカメラのレンズに慣れていると違和感を感じるかもという程度。
初めて使う人だったら全く気にならないかもしれません。
絞りリングにはクリック感があるのでファインダーを覗いた状態でも調整しやすいです。
レンズキャップはちょっと安っぽい感じもするんですが、必要最低限の役割は果たしてくれます。

FUJIFILMのロゴがある正面側はハードな感じの樹脂製で、ニコンの16-50レンズキットのリアキャップ感があります。
ただ、側面部分は軟質になっていて、金属製の被せ式レンズキャップのように簡単にポロリしちゃうようなことはありませんし、擦れてピントリングを傷つけるという事も短期ではなさそうです。

ただ、長期的に見ると摩擦で少しずつピントリングがスレていったりしそうな気はします。
軍艦部分のロゴは浅く彫り込まれています。

金属っぽい感じじゃないので、トップカバーも樹脂製かもしれませんが、そんなに安っぽい感じはありませんでした。
動作感
電源スイッチは露出補正リングの前にあって、左側にスライドさせることでフレーム切替レバーが少し浮いて電源が入ります。
電源OFF時にはレバーを押し込んで電源スイッチをOFFにします。
レバーを押し込まなくても電源は切れるんですが、レバーを破損してしまう恐れがあるので作法として行うようにしましょう。

標準状態だと中央1点AF、撮影日付の埋め込みがONになっているので設定でお好みに変更しましょう。
特にAFに関しては中央1点よりも9点の中から選択式にした方が扱いやすいので変更は必須かなぁ・・・
動作に関してはRICOH GRIIIの方が速いと感じるくらいの動きで、サッとチャッとパッとって感じではないです。
AF速度もそんなに速くないので、そういった部分を求めるのであればこのカメラは全く向いていないと思います。
この辺りのもっさり感もあって『高いトイカメラ』という感じがするのかもしれませんが、昔のコンパクトフィルムカメラってこんな感じだったような気がするので、『デジタル記録が出来るようになったフィルムカメラ』という感覚だと気にならないかもしれません。
あと、色々とドレスアップ用のアイテムが発売されているようですが、実際にもって使ってみた感じだと外付けグリップやサムレストなんかは全く必要ないと思いました。
レンズ交換式のようにレンズが重くてグリップが無いと持ちにくいという事が全くないので、最初は欲しいなと思っていたグリップも必要ないかなと思うようになりました。
見た目用に欲しいけど、そこそこするしなぁ・・・
フレーム切替レバーはここまで開く事が出来ます。

フィルムカメラのようにギアがあってフィルムを巻き上げる時にコリコリとした感触が楽しめる・・・・なんて事は当然なくて、ある程度の抵抗感を感じながらレバーを引く事が出来ます。
なので、フィルムカメラモードなんかだと本当にフィルムカメラのような操作感を楽しむ事が出来ます。
通常撮影時にはこのレバーを引くと左フレームで撮影するか右フレームで撮影するかを選択できるんですが、1回引くと左→右にフレームが切り替わります。
もう一回引くと右→左に切り替わるので、通常の撮影時にもフィルムカメラ風の感覚で使いたいのであれば、ライカのダブルストローク機のように2回レバーを引けば問題ありません。(ちょっとゆっくり目に引く必要がありますが)
まぁ右のフレームで撮ったからってどうって事は無いんですが・・・
カメラの設定
基本的にメニューボタンは存在せず、本体中央のメイン画面をスワイプする事で設定を選ぶ事が出来ます。

画面を下へスワイプするとスマホとのペアリングとフィルムカメラモードの選択が出来ます。
フィルムカメラモードは後述しますが、ペアリングはAppStoreやGoogle Playから『X halfアプリ』をダウンロードしてペアリングします。
ややこしい部分は無いのでかなり簡単でした。
通常撮影時にはサブ液晶にフィルムシミュレーションの名前が表示されていますが、メイン画面を右にスワイプするとフィルムシミュレーションかフィルターかを選ぶ事が出来ます。

画面下の方にあるアイコンで写真と動画の切り替えが可能なので、別々に設定することが可能です。
フィルターに切り替えた場合、上の写真でPROVIAと表示されている部分がフィルターのアイコンに切り替わります。
メインメニュー画面の表示
メイン画面を左にスワイプすると各種設定画面に入る事が出来ます。
サブ画面を上にスワイプして下の方に行くとセットアップのスパナアイコンが表示されます。

基本的にはここから設定を行っていきます。
日付埋め込みのON/OFF
上記セットアップから「カスタム設定」を選択すると写真のように「日付入り撮影」という部分があります。

標準ではONになっていたので、OFFにする事で日付が入らなくなります。
古いフィルムカメラのデート機能はオーバーフローしてる機種もあるのでフィルムカメラの代わりに使うのであれば日付入りでガンガン撮っていくのもいいかも。
AFモードの変更
セットアップ画面でサブメニューから「AF/MF」を選択すると、「AFモード」という項目があります。

写真のように、デフォルトでは静止画撮影はシングルAFになっているので若干使いにくいと感じるかもしれません。
写真のように「エリア選択」を選ぶことで、中央一点から9点エリア選択に変更できます。

撮影時に画面をタップする事で9点の中からAFポイントを選ぶ事が出来るようになるので、この設定だけはやっておく方が使い勝手が上がっていいと思います。
実際の画面がこんな感じ。

シングルポイントだと緑枠の場所に固定なので、範囲が狭いとはいえ自由度が大きく変わるのが分かるかと思います。
フィルムカメラモード
通常画面から下にスワイプしてフィルムカメラモードを選択する事で、フィルムカメラのような扱いになります。

大前提として、フィルムカメラモードで割り当てられるフィルムは現在使用しているフィルムやフィルターが適用されます。
直前にPROVIAを使っていたのでフィルムがPROVIAになっていますが、VelviaだったらVelviaに、フィルターのダイナミックだったらダイナミックがフィルムになります。
撮影枚数は36/54/72の3つから選択可能。

この枚数を撮り切って、X halfアプリで現像しない限りは画像の確認が出来ません。
とはいえ、サブ画面をダブルタップする事で撮影途中でもキャンセルする事が出来るので、気軽に使っていけると思います。
実際のフィルムじゃ無駄が多すぎて勿体ないので撮り切るまで頑張るしかないんですが、この辺りはデジタルならではの良さだと思います。
フィルムカメラモードに入るとこんな感じで背面液晶が固定されます。

ただ、AF/MFの切り替えや日付埋め込みのON/OFFは出来るので問題ないかな・・・
唯一気を付けないといけないのは一番下の距離部分。
今時のカメラだとシームレスに撮影できますが、昔のカメラのようにピント距離を切り替えないといけないので返って新鮮でした。
デフォルトの0.3だったからそれ以上寄るとピントが合わなかったんだけど、そらそうよね・・・って気付いたのが後になってからだった(;´Д`)
撮影すると撮影枚数のカウントが上がっていきます。

ここからはフレーム切替レバーを引かないと次のコマが撮影できません。
そのままシャッターを切ると、ファインダー左の赤いランプが点滅して撮影できていないことを教えてくれます。
今回はテスト撮影なので1枚だけでサブ液晶をダブルタップしてフィルムカメラモードを抜けました。
撮影が終わったらX halfアプリからカメラに接続します。

こんな感じで撮影したフィルムが表示されるので、選択して現像を実行します。

現像を実行すると最初はネガのような状態で表示され、その後カラーの状態になります。

現像された写真はAndroidの場合はフォトのX-HF1_FILM_フィルム名というフォルダに保存されます。

フィルム名がおかしいのが気になっていましたが、フィルムカメラモードで撮影する時に設定したカメラの日付が狂ってました(;´Д`)
ちゃんと設定していたら正しい日付で表示されます・・・スミマセン。
テスト撮影
とりあえずなんとなくどんな感じなのかを確認する為に撮ってみました。

PROVIA(スタンダード)

フィルター:ライトリーク

フィルター:期限切れフィルム

フィルター:POPカラー

最短撮影距離:ライト無し

最短撮影距離:フラッシュON
実写
マイクロフォーサーズを設定そのままで撮影していたりする人には何の違和感もないかと思いますが、基本的に全て3:2に設定して撮影していると4:3はかなり違和感を感じます(真四角に近いので)

写真的にはコンデジといった感はありますが、流石に1インチセンサーなのでそれなりにしっかりと写っています。
雨の合間の超曇天。

32mm相当なのでちょっと広いんですが、決して悪くは無いですね。
ダイナミックトーンで撮ってみました。

AFがゆっくり目なので風の影響が結構大きいですね。

使い始めなので慣れてないんですが、AF-Cに変えれば風もカバーできるかもしれません。

Velvia。
実際にはX-Trans CMOSセンサーとは色の出方が違ったりするのかもしれませんが、十分に綺麗ですね。

夏場だと液晶画面が見づらいとか、若年層以外だと老眼が・・・ってのがあったりしますが、OVFが付いているので至近距離でのレンズとの視差に注意すれば全然気にならずに撮影できます。


普段使わない4:3の画角に慣れるまでが大変そうですが、実際に撮ってみたら結構楽しいです。
まとめ
スペックだけを見ると結構トイカメラ寄りのデジカメという感じでしたが、実際に触って使ってみると見た目だけじゃない本当の「フィルムカメラとデジタルカメラの融合」を果たしたカメラなんじゃないかなぁと思いました。
また、金額的に見たらビルドクオリティに対する満足感は決して高いわけではないんですが、変に金属パーツを多用する事で重くなってバランス感が悪くなるのであれば、このクオリティが最適解なのかもしれません。
樹脂パーツが多いとは言ってもプラスチッキーなチープ感があるわけではないですしね。
写りに関しても十分な感じだと思いますし、やたらと写りすぎるとアレコレやりたい欲が出てきますが、結構割り切って使うカメラなのでサブカメラというよりも「息抜きやリフレッシュするためのカメラ」という感じかなぁと思いました。
日付の埋め込みをOFFにしておけば普通にテーブルフォトも出来るので普段使いのカメラとしても普通に使っていけるし、フィルムカメラとコンデジの両方をカバーしていると考えたら意外と安いかも・・・
これでフレーム切替レバーの動作部分にボールペンのクリック部分のように一方通行で絞りリングのようなクリック感を搭載したら巻き上げ感も実現できてヤベェ満足感が出てきそうな気がしますが、故障個所が増えるので実現できないでしょうね・・・
とりあえず、フィルムを買って高コストを掛けて撮影するだけの気力は無いので、X halfをフィルムカメラ代わりに使って楽しんでいきたいと思います。