はじめに
先週末にOM SYSTEMのポップアッププラザ大阪イベントに参加した後にやらかした旨を書いていましたが、無事に発売されてM.ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8 IS PROを購入する事ができました。

そんなわけで、珍しく新しいレンズをレビューする事ができるわけですが、まぁ買うためには色々とありまして・・・まずはその辺りから。
レンズを購入するにあたっての紆余曲折
実際に触ってみてかなりいいレンズだということはわかるんですが、最大の難点は『金額』
流石にフルサイズ換算で100-400mmのF2.8通しのレンズなんてクレイジーすぎるので全然安いとは思うんですが、流石に42万なんて金をポンと出せるような余裕なんてあるわきゃないんですよ。
なので、100-400mm(フルサイズの200-800mm)を買っても問題なさそうかと思ったんですが、最短撮影距離が1.3mあたりでかなり長いのと、寄る分にはいいけど引く事ができないので、やっぱり50-200mm F2.8がいいなと思ったわけです。
とはいえ、色々やらかしすぎた上に期間限定のガンダムベース大阪でやらかしまくってるので余裕なんて全くなし!
正直ガンダムベースは10月13日までの期間限定だし、それを過ぎたら散財できる要素も無くなるので仕方ないかなと思ってはいるものの、側から見ると金がない金がないって散々書いてるのにあれこれ買ってるし、こんなクソ高いレンズを買うなんて全然余裕があるんじゃね?って思われるかもしれませんが、今回はかなり色々と手放してます。
手放したものはこんな感じ。
- Nikon Zf
- ULTRON 21mm f1.8 ASPH VM
- APO-SKOPAR 90mm f2.8
- NIKKOR Z 14-30mm f4 S
- NIKKOR Z MC 50mm F2.8
- E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS II
- E 30mm F3.5 macro
- VILTROX AF 50mm F2
という事で、本当に手放して大丈夫なんか?って気がしなくもないんですが、もう後の祭り。
マクロレンズはタムキューでカバーできるし、そのほかも何とかなるかなってので頑張ったんですが、流石に全然足りないのでZfを手放すことにしました。
フルサイズのZマウントがZ9だけになってフットワークが落ちそうな感もあるんですが、意外とZ50IIでもカバーできるし、一旦手放しても余裕ができた時にZ5IIあたりを買えばいいかなぁなんて・・・
ま、完全に自転車操業な自覚もありますけど、正直こんな感じで思い切らないと一生買うこともないレンズかなぁとも思うんですよね・・・
M.ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8 IS PROの製品仕様
焦点距離 | 50-200mm(35mm判換算100-400mm相当) |
レンズ構成 | 13群21枚(EDAレンズ 1枚、スーパーEDレンズ2枚、EDレンズ1枚、HRレンズ2枚、E-HRレンズ3枚) 前玉フッ素コート:有り ZEROコーティング:有り ZEROコーティング2:有り |
防滴性能 / 防塵機構 | 防塵防滴機構 IP53相当 |
最短撮影距離 | 0.78m(ズーム全域) |
最大撮影倍率 | 0.08倍(50mm時) /0.25倍(200mm時) 35mm版換算:0.16倍相当(50mm時) /0.50倍相当(200mm時) |
絞り羽枚数 | 9枚(円形絞り) |
最小F値 | F2.8 |
最大F値 | F22 |
手ぶれ補正 | レンズ手ぶれ補正時:5.5段(200mm時) 5軸シンクロ手ぶれ補正時:7.0段(200mm時) |
フィルターサイズ | 77mm |
大きさ(最大径x長さ) | 91.4 x 225.8mm |
重さ | 1,075g(三脚座を除く) 1,250g(三脚座を含む) ※レンズフードの重さは含まれていません |
同梱品 | レンズフード(LH-82C)、レンズキャップ、レンズリアキャップ レンズケース(LSH-1127)、取扱説明書、保証書 |
実売価格 | 約¥413,820 |
2倍テレコンMC-20装着時
焦点距離 | 100-400mm(35mm判換算200-800mm相当) |
最大撮影倍率 | 0.16倍(100mm時)/ 0.50倍(400mm時) 35mm版換算:0.32倍相当(100mm時)/ 1.00倍相当(400mm時) |
最小F値 | F5.6 |
最大F値 | F22 |
今回、2倍テレコンも一緒に購入したので2倍テレコン装着時のデータも載せています。
400mm相当なのに最短撮影距離が0.78mだったり、重さはそれなりにあるのになぜか少し軽く感じるバランス感と、実際に触ってみた方がスペック以上にいいレンズなのがわかるかと思います。
テレコンについて
テレコンだけタイミングがずれたので写真を撮ってませんが、使用前に撮った写真を載せてます。

公式がテレコンを結構レンズにセットして販売してたりするんですが、OLYMPUSの商標の使用期限の関係があるので早めにOM SYSTEMのブランド名に置き換えたいものの在庫があるから安めにしてるという感じだと思います。
実際このテレコンも本体とレンズキャップはオリンパス名義ですが、カラビナ付きのポーチはOM SYSTEMになってました。
そのうち全部OM SYSTEM名義にリブランドされると思いますが、その時に価格が変わらないかもしれないし、少し上がるかもしれないけど、下がることだけはないんじゃないかなぁ・・・
実際にどうなるのかは不明ですが、光学設計まで変わることはないと思うしので、新品のテレコンが欲しい方は今のうちに買っておいてもいいかも。
ただ、そんなに使わないのであれば中古でもいいかもしれません。
M.ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8 IS PROの外観など
レンズそのものはマイクロフォーサーズ用のレンズとして考えるとかなり大きい部類になります。
まぁF2.8通し何だから当然といえば当然なんですが・・・

サイズとしてだけならフルサイズ用の望遠ズームレンズ、「NIKKOR Z 100-400mm F4.5-5.6 VR S」と比べてもこちらの方が少し長いくらいです。
ただ、それは100mm時の話で、400mmにするとZ 100-400mmのほうが鏡筒が伸びて長くなります。
インナーズームなのでハンドリング感が変わらない
その点、このM.ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8 IS PROはズームがインナーズームになっているので長さが全く変わりません。

50mm時の状態がこれ
そして200mm時の状態がこちら。

全くレンズが伸びていないので、撮影しようとカメラを構えた時のバランスが変わる事がないので結構楽。
側面のスイッチ類はこんな感じ。

レンズ単体でも三脚座で自立するバランスの良さ
このレンズ、地味にいいのが「レンズが前に倒れない」んですよ。
三脚座をつけていたらレンズ単体でも自立します。

そしてOM-3を装着した状態でもこんな感じでどちらかに倒れてしまう事がありません。
NIKKOR Z 100-400mmだとレンズ単体で前に倒れて行っちゃうんですよね・・・
困るかどうかといえば困らないかもしれませんが、レンズ交換時などに単体で少し置きたい時なんかには自立してくれる方が鏡筒に傷がつきにくいですからね。
テレコン付きでも航空祭の40cm制限に引っかからない(OM-3)
実際に航空祭なんかに行かれる場合にはOM-1IIなんかが多いんじゃないかと思いますが、OM-3のアイピース部分からフードの先端までで約34.5cmほどでした。
レンズを含めた全長が40cmを超えると制限に引っかかる場合もあるんですが、このレンズなら2倍テレコンを装着してフルサイズ換算200-800mm相当にしても全く問題なさそうです。

片手でメジャーを持って片手で弾きながら撮影してるので少し斜めになってますが・・・(;´Д`A
三脚座は大きく口が開く方式なので、カメラにレンズを装着した状態でも取り外す事ができます。

装着したままでも意外と持ちやすいので装着したまま使うのもアリなんですが、ちょっと邪魔だなと思うような時にはすぐに取り外せるので便利。
それなりにしっかりしたケースが付属
最近見かけるレンズに付属のケースといえばペラペラの生地のカメララップみたいなのが多かったりしますが、さすがに高級な望遠レンズなのでそれなりのものが付属していました。

底部がレザーで、他はクッション性のあるソフトケースになっています。

流石に写真の側面にあるループ部分にカラビナなどをつけて使用するのは心配ですが、カバンの中に入れて使うには十分かなぁという感じですね。
実写
そんなわけで、OM-3にM.ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8 IS PROと2倍テレコンのMC-20を持って天王寺動物園に行ってみました。
カメラの設定もそこそこな状態だったのでちゃんとピントが合ってませんが、フラミンゴが急に走り出したのでシャッターを切りました。

結構50-200mmの方が良かったり、距離が欲しかったりというケースがあったりするので、意外とちょくちょくテレコンを着脱しています。
小さいコビトマングースを焦点距離200mmで。

次のキリンの場所は結構離れた場所にいる事が多いので、コビトマングースを撮った後にテレコンを装着しました。
で、麒麟の場所に行くと珍しく手前側にキリンが出ていました。
テレコンをつけると焦点距離が伸びる分だけ広角側も伸びることになります。
フルサイズ換算すると100mmが200mmになるので、場合によってはテレコンつけない方が良かったという場面もあったりします。
この時もキリンが手前すぎてテレコンをつけたワイド端の100mmで撮ってます。

相手も生き物なので予測不能ではあるんですけど、普通に撮るなら12-200mmの方が相手に合わせて画角が選べるので便利だろうなと思います。
流石に800mm相当になると、ある程度距離がある場所にいる鳥なんかでもそれなりのサイズで写せるんですが、割と手前にいるとめっちゃアップで撮れたりします。


テレコンをつけていても持ちにくいということもありませんし、フォーカス時にフェンスにピントが合った場合でも、ズームリングに手を置いた状態で人差し指を伸ばせばピントリングを指で回せるので、ファインダーを除いたままフォーカシングもできました。
それなりに日差しもあってまだ昼間なのもあるんでしょうが、ISO感度1250程度じゃ全然ノイズ感がないので、マイクロフォーサーズだからなぁという先入観的なものはなく使っていけます。

ぐるっと回ってレッサーパンダ舎に来る前にテレコンを外しておきました。
この日はなぜかガラス越しのギリギリのところに笹が置かれていて、笹を食べるために結構レッサーパンダが手前にやってくる事が多かったです。

この辺りは以前使ったM.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mmだと最短撮影距離の関係で全然ピントが合わなかったんですが、M.ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8 IS PROだと立った状態で足元が撮影できるくらいの最短撮影距離78cmなので、手前に来たレッサーパンダもバッチリ撮る事ができました。
ズーム全域でF2.8なので、微妙な明るさになりがちな場面でもしっかりと明るさが確保できます。

屋外の方に来ましたが、結構遠くにいる事が多いのでMC-20を装着。
なんかこちらでも結構手前に来る事が多くて、普通に50-200mmでも良かったかもしれません。

普段はそこまで遊具的なものを使うこともない感じなのに、珍しく塩ビパイプの中を通って出てきてくれました。
まだまだ暑いとはいえ、以前に比べたら多少は気温が落ちてきているのもあって、意外と活動的でした。

テレコンを装着していても最短撮影距離は変わらないので、手前側を歩いてくれるとかなりのアップになります。
でもしっかりとAFが追ってくれるので、自分がフレームアウトさせなければ何とかなる感じ。
LeofotoのグリップをつけたOM-3に装着したM.ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8 IS PROは意外と持ちやすく、取り回しもそんなに悪くありません。

とはいえ、元々深いグリップがあるOM-1 Mark IIの方が確実に持ちやすいとは思います。
また、レンズ単体で持った感じだと見た目に反して結構軽いという感覚があるレンズではあるんですが、感覚とは違ってやっぱり質量的には1.1kgくらいのレンズなので、左手にずっと乗せて持ち歩いていると左手がちょっと疲れてきます。
まぁそりゃそうなんですけど、普段から1kgオーバーのレンズを持ち歩いている人なら大したことはないと感じるかもしれませんが、動物園などでずっとつけてうろうろと動き回るのであれば適度な休憩を取るとか、ZEROフックなんかを活用する方がいいかもしれませんね。
シロクマのところに来てみました。
こちらはテレコン付きだと完全に長すぎるので、テレコンを外して素の50-200mmで。
ダイナミックに飛び込むところを撮ろうと思ったんですが、この時は全く飛び込まずw

行くのかと思わせながら謎のフェイントで飛び込まず、みている人が「行かんのかい」という大阪らしいツッコミを入れてました。
それなりに粘ってみたんですが、完全に飛び込む気がなさそうに腰を据えちゃったのでダイブシーンは諦めました。

舌を出している姿がなんとも憎らしいw
何枚か撮っていると、そのまま寝ちゃいそうな感じになってきたので場所を変えることにしました。

1周目は寝ていたライオンも時間が経って少しだけ活発になってました。
とはいえ、起きているだけでボーッとしているのは変わりませんでしたが(;´д`)
ただ、起きているので顔を動かしてさえくれたら写真が撮れるかなと思っていたらスクっと立ち上がって移動を始めました。

そして移動中に大欠伸。

あくび後に口を閉じる時の表情はどうみても威嚇されているようにしか見えません。
EXIFを見たら焦点距離がテレコン使用の314mmになっていたので、35mm版に換算すると628mm。
800mmまでカバーできるのでもう少しよることも全然できるんですが、体も入れてる方がバランスがいいかなと思ってこんな感じにしています。
そのまま日陰に移動して座り込んじゃったんですが、800mmでこんな感じになります。

やっぱりライオンなんかの基本的に遠くにいる動物を撮る時にはテレコンがある方が被写体が大きく撮れて楽しいですね。
全く姿を見せなかったサイも夕方になって少し動き出しました。

ただ、かなり奥の方を行ったり来たりしているだけだったのでテレコンを装着したんですが、テレコンをつけた途端に手前に向かって歩き始めました。
カンムリヅルは爆睡中。

これもテレコン付きで800mm相当の写真になります。
2倍テレコンを使うと大きく変わる世界
M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS IIやM.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3 ISを使っている方からすれば「そんなの当たり前」な話ではあるんですが、やっぱりフルサイズ換算で400mm以上の焦点距離になってくるとちょっと違う世界になってくるんですよね。
一般的によく購入されるレンズとしては100-400mmか100-500mmあたりかと思われます。
150-600mmもそれなりに人気ではあるんでしょうが、体力的に全然余裕がある人でないとちょっと厳しいかなと思うんですよね。
そりゃ遠くの被写体をフルサイズで撮りたいというのは自分もありますし、150-600mmに2倍テレコンをつけて1200mmとか、APS-Cクロップを使って1800mmなんて撮影もいいなとは思うんですが、いかんせんこのクラスのレンズになるとレンズ単体の重量が2kgオーバーになるので、他の機材と組み合わせて持っていくとなるとかなりしんどかったりするわけです。
まぁマイクロフォーサーズだと300-800mmと300-1200mmなのでテレコン自体必要なのかという話も出てくるんですが・・・
その点、M.ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8 IS PROの場合はテレコンをつけたらM.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS IIよりも重くなるという部分はあるものの、全ての焦点距離で開放F5.6での撮影ができるので結構強みはあるかなと。
明るさ以外にも断然寄れるので、使い勝手としては100-400mmよりもいいんじゃないかなと個人的には思います。
通常の50−200mmで問題なければF2.8通しなので、結構夜の工場夜景の撮影なんかでもかなり活躍するんじゃないかなと思いますし、単体で200mmのハーフマクロ撮影ができるので、虫や花なんかも撮るのが楽しそう。
とは言ってもこのレンズを近場での撮影に持ち出す人がいるのかは疑問ですけどね。
天王寺動物園の天王寺寄りの方にあるトイレ前の少し開けたスペースからは通天閣とあべのハルカスの両方が見れるんですが、そこから両方をテレコンをつけたM.ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8 IS PROのテレ端400mm(800mm)で撮影してみました。

通天閣側の展望エリアと屋上部分を撮影したんですが、ノートリミングの状態でこれ。
Web用に縮小をかけているので人の顔をはっきりと判別することはできませんが、オリジナルのものだと普通に判別できます(;´Д`A
一方のあべのハルカスはビルの一番上の左角側を撮ってみました。
こちらも何のトリミングもしてません。

流石にビルの高さが通天閣よりも全然高いので通天閣のように人の顔を判別することはできませんが、展望エリアにいる人たちの姿を確認する事ができます。
別に盗撮とかってわけではないんですが、普段目で見えない場所を写真で見る事ができるというのは違った楽しみがありますね。
また、テレコンをつけた場合にはテレ端側で等倍マクロとして使用することも可能なので、植物園なんかでもかなり活躍してくれるんじゃないかなと思います。
まとめ
そんなわけで人生初の白レンズを買って使ってみたわけですが、意外と白レンズって持っていて暑くないなと感じました。
まぁ直射日光に当たったら暑いのは暑いんですが、それでも黒レンズよりは少しマシな感じ。
白か黒かは抜きにしてもスペック的にも他のマウントには存在しないレンズですし、OM-3と組み合わせた時の手ぶれ補正もかなり強力で、動物なんかを追いかけても設定さえ間違えていなければほぼブレることもないのでかなり快適に撮影ができますね。
なにより、カメラ本体を含めても2kg以下で200−800mm F5.6相当の撮影が可能というのは、体力的な面を考えてもかなりありがたいなと思います。
カメラ本体を含めてコンパクトだし、手ぶれ補正もしっかりと効くので、正直航空祭なんかもこの組み合わせで十分なんじゃないかなぁという気がしています。
展示飛行の広角撮影もOM-5 Mark IIに8−25mmをつけておけば標準レンズ代わりにもなるので、レンズ2本と本体2台+テレコンで荷物が済みそうですしね。
色々と手放したものは多かったですけど、実際に使ってみてM.ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8 IS PROを買って良かったと思います。
今度また神戸どうぶつ王国のバードショーなんかにもリベンジしてみたいですね。