予定通り、昨日の21時からNikon Z6IIIのローンチイベントが開催され、Nikon Z6IIIが発表になりました。
自分は昨日のブログで書いたとおりに完全に忘れてPS5でゲームをやってたわけですが、Z6IIからはなかなかの変化があるようです。
実際、Z6IIを使い続けるつもりでいるつもりでいましたが、部分部分を見ると「Z6IIIええやん」って思う部分も多々あるので、いつも通りにZ6IIとの違いをザックリとまとめてみました。
最近流行りのインフルエンサープロモーションが盛大に行われているようなので、実機の感想なんかはあちらこちらで見れるんじゃないかと思います。
ここではZ6IIとZ6IIIとを比べてみて、買い替えるべきなのかどうか、Z6IIIである必要があるのかといった事を考えてみようかなと・・・
ザックリとしたNikon Z6IIとZ6IIIの比較表
Z6II | Z6III | |
センサー | 裏面照射型CMOSセンサー | 部分積層型CMOSセンサー |
有効画素数 | 2450万画素 | 2450万画素 |
総画素数 | 2528万画素 | 2679万画素 |
画像処理エンジン | デュアルEXPEED6 | EXPEED7 |
EVF | 0.5型 Quad-VGA OLED 約369万ドット | 0.5型 UXGA OLED 約576万ドット高フレームレート表示可能 |
手ぶれ補正 | 5軸5段 | 5軸8段 |
レリーズモード | 1コマ撮影、低速連続撮影、高速連続撮影 高速連続撮影(拡張)、セルフタイマー撮影 | 1コマ撮影、低速連続撮影、高速連続撮影 高速連続撮影(拡張)、セルフタイマー撮影 ハイスピードフレームキャプチャー+撮影(プリキャプチャー機能あり) |
連続撮影速度 | ・低速連続撮影:約1~5コマ/秒 ・高速連続撮影:約5.5コマ/秒 ・高速連続撮影(拡張):約14コマ/秒 (14ビットRAW設定時:約10コマ/秒) | ・低速連続撮影:約1~7コマ/秒 ・高速連続撮影:約8.1コマ/秒 (電子シャッターかつRAWを含まない画質モード時:約16コマ/秒) ・高速連続撮影(拡張):約14コマ/秒 (電子シャッター時:約20コマ/秒) ・ハイスピードフレームキャプチャー+(C30):約30コマ/秒 ・ハイスピードフレームキャプチャー+(C60):約60 コマ/秒 ・ハイスピードフレームキャプチャー+(C120):約120コマ/秒 |
ISO感度 | ISO 100〜51200 減感:0.3,0.5,0.7,1段(ISO50相当) 増感:0.3,0.5,0.7,1段,2段(ISO204800相当) | ISO 100〜64000 ※諧調モードHLG設定時はISO 400〜64000 減感:0.3,0.7,1段(ISO50相当) 増感:0.3,0.7,1段,1.7段(ISO204800相当) |
AF検出範囲 | -4.5~19 EV (ローライトAF時:-6~19 EV) | -10~19EV |
フォーカスポイント | 273点 | 273点(シングルポイントAF時) 299点(オートエリアAF時) |
被写体検出 | 人物、犬、猫の顔や瞳を検出する瞳AF・顔検出AFと動物AF | 人物(顔、瞳、頭部、胴体) 犬、猫、鳥(頭部/瞳/全身) 飛行機(全体/先頭部/コックピット) 車、バイク、自転車、列車 |
動画記録 | ・3840×2160(4K UHD):60p/50p/30p/25p/24p ・1920×1080:120p/100p/60p/50p/30p/25p/24p ・1920×1080スロー:30p(4倍)/25p(4倍)/24p(5倍) ※120p:119.88fps、100p:100fps、60p:59.94fps、50p:50fps、30p:29.97fps、25p:25fps、24p:23.976fps | ・5376×3024(5.4K):60p/50p/30p/25p/24p ・3840×2160(4K UHD):120p/100p/60p/50p/30p/25p/24p ・1920×1080:240p/200p/120p/100p/60p/50p/30p/25p/24p ・1920×1080スロー:30p(4倍)/25p(4倍)/24p(5倍) ※ 240p:239.76fps、200p:200fps、120p:119.88fps、100p:100fps、60p:59.94fps、50p:50fps、30p:29.97fps、25p:25fps、24p:23.976fps |
最長記録時間 | 29分59秒 | 125分 |
ファイル形式 | MOV、MP4 | NEV、MOV、MP4 |
映像圧縮形式 | H.264/MPEG-4 AVC | N-RAW(12bit)、Apple ProRes RAW HQ(12bit)、Apple ProRes 422HQ(10bit)、H.265/HEVC(8bit/10bit)、H.264/AVC(8bit) |
液晶モニター | チルト式3.2型TFT液晶モニター(タッチパネル)、約210万ドット、視野角170°、視野率約100%、 明るさ調整可能(マニュアル11段階)、カラーカスタマイズ可能 | バリアングル式8cm/3.2型TFT液晶モニター(タッチパネル)、約210万ドット、視野角170°、視野率約100%、 明るさ調整可能(マニュアル15段階)、カラーカスタマイズ可能 |
Bluetooth | 4.2 | 5.0 |
撮影可能コマ数 | 静止画モード:撮影可能コマ数 ・ファインダーのみパワーセーブON:約400コマ パワーセーブOFF:約340コマ ・モニターのみパワーセーブON:約450コマ パワーセーブOFF:約410コマ 動画モード:動画撮影可能時間 ・ファインダーのみ:約100分 ・モニターのみ:約100分 | 静止画モード(1コマ撮影):撮影可能コマ数 ・ファインダーのみ、パワーセーブON:約380コマ パワーセーブがOFF:約360コマ ・モニターのみ、パワーセーブON:約410コマ パワーセーブOFF:約390コマ 動画モード:動画撮影可能時間 ・ファインダーのみ:約100分 ・モニターのみ:約100分 |
本体サイズ | 約134×100.5×69.5mm | 約138.5×101.5×74mm |
重さ | 約705g(バッテリーおよびメモリーカードを含む、ボディーキャップを除く)、約615g(本体のみ) | 約760g(バッテリーおよびメモリーカードを含む、ボディーキャップ、アクセサリーシューカバーを除く)、約670g(本体のみ) |
ニコンダイレクト販売価格 | ¥287,100 | ¥435,600 |
カメラ専門店価格 | ¥258,390 | ¥392,040(推定) |
ニコンイメージングさんの公式ページからスペックを引っ張ってきました。
ザックリと赤線がひいてある部分がZ6IIからの変更点になります。
バッテリーは継続してEN-EL15cが採用されており、撮影可能枚数もZ6IIに比べると約20枚ほど減っています。
(モニターのみ撮影&パワーセーブONの時だけZ6IIに比べると40枚ほど落ちているのは謎)
正直、もう今のデジカメってスペック表だけを見ても全く意味がない気がする(スペックよりも実用時の利便性やソフト的な機能の方が重要だと思う)ので、あまり意味はない気もするんですが、スペック票だけを見ると動画機能が充実されているのが分かるかと思います。
冷静に考えると、次から次に新しい企画や圧縮率の高いコーデックが出てくるような動画機能の方が追い続けなきゃいけない分だけ変化が大きいのは仕方がないのかもしれませんね。
ボディは奥行きが4.5mmほど増えていますが、バリアングルになった影響でモニター側が出っ張っているだけに見えるので、持った時のフィーリングはZ6IIと変わらないかも。
価格に関してはニコンダイレクトの価格が提示されているので、量販店は同価格、専門店はそこから10%引いた価格が一般的なので、¥392,040という価格だと思われます。
大方の予想通りというかなんというか・・・Z6IIを下取りに出してもほぼZfが買える金額を出す必要があるわけですね。
ザックリとZ6IIIで強化された機能の説明
カタログスペックだけでは良く分からない部分なんかもあると思うので、ザックリとですがZ6IIIになって強化された点を掻い摘んで書いてみようと思います。
部分積層型CMOSセンサー
撮像部の上下に高速処理回路を積層配置したCMOSセンサーで、読み出し速度がZ6IIの約3.5倍となっておりコマ数の多い動画撮影や全ての撮影モードでローリングシャッター歪みを抑えた撮影が可能となっています。
高精細で高性能なEVF
576万ドットの解像度と歪みや色収差を最小限に抑える事で画面の隅々まで細かく鮮明に見る事が出来、Z9をしのぐ4000cdの明るさを実現する事で、明るい環境で被写体が黒潰れしてしまいそうな状況でも被写体のディティールを確認できるようになっています。
リフレッシュレートが最大120fpsに向上しており、約20コマ/秒の高速連続撮影(拡張)時にも表示飛びを最小限に抑え、電子シャッター時にはリフレッシュレート60fpsでなめらかな表示になっている。
個人的にいいなと思ったのはsRGBではなくDCI-P3の高色域に対応したEVFになっており、飽和しやすかった鮮やかな赤や深い緑などの階調を豊かに表現可能な点。
iPhoneなんかはDCI-P3対応なので、カメラで完結させてしまえば、いちいちスマホでどうのこうのしなくてもいいのは大きいなと思います。
ただ、EVFはDCI-P3に対応していても背面液晶がDCI-P3に対応していない感じなので、ローアングルとかEVFを見れない状況で撮ったものをEVFを覗いて確認するという今までとは違う所作になってくるのはちょっとややこしさも感じるかなという気がしますね。
EXPEED7によるAF撮影機能の強化
Z6IIよりも約20%速い合焦速度を実現(NIKKOR Z 24-200mm f4-6.3 VRの24mmで撮影の場合)
ハイスピードフレームキャプチャー+[C60]時でもフルサイズ24.4Mピクセルでの撮影が可能(Z9では無理)
Z9と同様に人物(顔、瞳、頭部、胴体)、犬、猫、鳥、飛行機、車、バイク、自転車、列車9種類の被写体検出と追尾が可能。
AF用の露出をライブビュー用の露出から独立制御する事で、シルエットになっていても人物の顔を検出可能。
-10EVの暗さまで検出可能なので、夜間撮影や暗所撮影などの様々なシーンでAF撮影が快適に行える。
被写体検出はNikon Zfでも搭載されていますが、最大[C120]まで対応可能な連写能力や-10EVまでの暗所性能という点で考えるのであれば、動態撮影がメインの人ならZ6III一択かなという気がします。
強力な手ぶれ補正機能
5軸8段の手ぶれ補正機能を搭載しています。
従来の画面中央近くでブレを補正する方式とは違い、フォーカスを合わせた部分のブレを軽減するフォーカスポイントVRにより、被写体が画面の端に近い場所でもシャープに捉えることが可能になるので、画面内のどの位置でも鮮明に描写できる。
最大で約9600万画素の高解像度画像が撮影が可能なピクセルシフト撮影が可能。
Nikon Z6IIが5段、Z9が6段なので、写真撮影にはかなり有難いかなと思いますが、この辺りの機能に関してはNikon Zfでも同様なので、この機能が必要ならZfでも問題ないのかもしれません。
フレキシブルカラーピクチャーコントロール
NX Studioと連動する事で、8色の色別に色相、彩度、明度の調整が可能なカラーブレンダーやハイライト、中間調、シャドーごとに、より高精度な色調整が出来るカラーグレーディングなどが行えるとの事。
作製した絵作りはカスタムピクチャーコントロールとして保存し、メモリーカードを介してZ6IIIに適用することが可能。
という事で、今までのカスタムピクチャーコントロールよりも大幅に絵作りの幅が広がった感じで、LUMIXのLUTみたいな感じだと思われます。
今までは出来なかった微妙な色の表現がやりやすくなるんじゃないでしょうか。
こういった機能がZ9やZ8、Zfに反映されたらいいんですけど、ある意味でZ6III最大のポイントになりそうな気がするので、当面は他の機種に反映されることはないような気がしますね。
多彩な動画フォーマットに対応
5.4Kや4K/120pが撮影可能になり、H.264/AVCだけだったフォーマットがN-RawやApple Pro Res、H.265にも対応しました。
あんまり分からんので増えましたという事で。
価格が高い!ってみんな言うけど
ニコンダイレクトの価格が出ていて、日本国内では¥435,600となっています。
アメリカでは2499ドルらしいので、1ドル174円という計算になるのでちょっと高い気はしますが、ドル建てではZ6IIと変わらないわけです。
1ドル110円だった頃で考えると¥274,890なので、そう考えるとZ6IIと同じ価格で出しているニコンはかなり頑張っているんじゃないでしょうか。
単純に円が安くなっていなければ問題はない話なので、4万円減税するから明細のシステムを改良しろとか言うぼんくら政治家が悪いだけなんですよ・・・
税率を変えたらレジや店舗が~なんて言うけど、今時はレジも税率設定とか内税外税とか簡単に変えられるようになってるわけで、明細に減税表示させるよりも簡単なんですよ(値札の張替えの方が人海戦術が使える分だけシステム作り直すより早いでしょうし)
まぁそういった愚痴は言うても仕方ないんですけど、日本人としてはめっちゃ高く感じますが、仕方なく高いだけで本当は決して高いわけじゃないというのがホントのところ。
もしかして:併売?
Z6IIIの発売と同じくしてZ6IIの24-120限定セットというのが発売になります。
Z6II本体にNikon Creatorsホットシューカバー、ストラップ、NIKKOR Z 24-120mm f/4S、ARCREST II 77mmフィルター、予備バッテリー1つ、専用ボックスがセットになって¥399,300との事。
投げ売りって感じでもないし、Z6IIIが出たのでZ6IIを終売にしてしまうと、手頃な価格のミドルクラスが存在しなくなってしまう(Zfがあるけど毛色が違う)ので、ソニーのようにZ6IIの併売もあるのかなという気がしなくもないんですよね。
最終的にはEXPEED7を搭載したZ5IIが出て、Z5とZ6IIが終売って感じになるんじゃないかなと。
EOS R8が25万辺りなので、その辺りの価格帯のカメラは置いておきたいでしょうからね。
Nikon Z6IIIを買うべきかどうか
今でも結構Z5とZ6IIの違いとかZ6IIの長期使用の感想記事を見て頂くことが多いので、Z6IIと比べて買い替えるべきかどうかで悩まれる方も多いかもしれませんし、Z6IIじゃなくてZ6IIIを買おうか・・・でも高いよなぁ・・・って方も居られるかもしれませんので、ここはザックリではなくバッサリと書いてみようと思います。
Z6IIIを買うべき人
- 動体撮影がメインの人
- 動画撮影がメインの人
- 暗所など極端な場面で撮影することが多い人
高速連写という点では実はZ6IIでもそんなに困る事は無いんですが、高速連写をするとEVFの表示が付いてこれずにコマ送り状態になったりします。
その点、Z6IIIであれば高フレームレート表示にも対応しているので、EVF内でガクガクするような事は軽減されると思います。
また、C60でもFX撮影が出来るのとプリキャプチャーも使える点を考慮すると、ある意味ではZ9よりもZ6IIIの方が機動性と汎用性は高いかもしれません(バッテリーの持ちは全く違うけど)
EVFが高性能になっているので、逆光気味の写真を良く撮る人や、-10EVによる暗所撮影など、通常よりもあまり良くないなという条件下で撮ることが多い人ならZ6IIIを選んでおけば長く使えるんじゃないでしょうか。
Z6IIIよりもZfの方がいい人
- 静物撮影がメインで動体撮影もたまにするくらいの人
- 動画より写真がメインの人
- 見た目にこだわりたい人
今から購入するのであれば、特別な理由がないのであればZfの方がいいんじゃないでしょうか。
見た目はヘリテージデザインですが、中身はスタンダードなEXPEED7機なので、普通の撮影をするのであれば被写体検出もあるし使い勝手はいいと思います。
被写体検出も9種類入っているので、動態撮影も比較的楽でしょうしね。
手ぶれ補正やハイレゾショットなんかはZ6IIIと同じですし、Z6IIIほどの連写性や動画機能が必要ないのであれば、Zfを選んでおけば普通に撮影するのなら十分じゃないかと思います。
Z6IIを買った方がいい人
- シンプルに写真撮影を楽しみたい人
- なるべくカメラのコストを抑えながら実用性が高い機種が欲しい人
- 『サブ機』として普段使いのカメラにしたい人
下の記事でも書いていますが、Z6IIにはZfにはない機能として本体前面のFnボタンが2つ(Zfは1つ)と、ユーザーセッティング1~3があるので、使い方によってはZ6IIの方が向いている人は多いかもしれません。
連写するとEVFのカクつきはあるものの、決して撮れないとか追えないわけじゃないですし、動態撮影の使用頻度が高いのでなければ今でも十分に選択肢にあげられるカメラだと思います。
普段使いのカメラとして考えるのであれば、シンプルな分だけ難しく考えなくていい気楽さはあります。
ニコンダイレクトで60回無金利やってます
ニコンダイレクトで60回無金利WebクレジットだとZ6IIIの価格は¥7,200/月になります。
恐らくは他のカメラ専門店なんかでも36回とか60回無金利で買えると思いますが・・・
注意点としては、クラスの機種を使うような人であれば、直ぐに慣れてしまって、2~3年で新型の何かが出て来て気になりだすと思うので、あまり長期のクレジット払いはお勧めできません。
確実に乗り換える予定がない機種を買う時とか、長く使うためにいい機種を購入するという人でないと、5年の支払いはなかなかキツイです。
自分が去年購入したZfcのクリムゾンレッドがまだ今月で11回目なので、今月を含めて後26回残ってます。
まぁ欲しいもんは仕方がないし、やっちまってる人間がどうこう言っても説得力も何もあったもんではないんですが、こういうのを重ねてカツカツなのでご利用は計画的に。
まとめ
途中でサラッと書きましたが、フレキシブルカラーピクチャーコントロールって凄くいいなと思うんですよね。
とはいえ、度々書いているように動態撮影はほぼしないし、望遠&望遠といった組み合わせでメインとサブを持ち歩く事もないので、Z9のサブ機ならZ6IIのままでも構わないんですよ。
その点を踏まえると、フレキシブルカラーピクチャーコントロールの為にZ6IIを下取りに出して25万ほどのローンを組むのもどうなんだろうという気も・・・(;´Д`)
逆に下取りに出してZfと同価格で破格性能のZ6IIIが買えると思ったら断然安いんですけどね。
なんにしても、ようやく待ちに待った人も多いと思われるZ6IIIですし、待ち望んでいた機能の他にも使い勝手のいいものも多いので、購入予定の方は明日6月19日のAM10:00からの受注開始に合わせて予約される方がいいかもしれませんね。
自分はどうせ手が出せないので、『ご好評につき~』が落ち着いてくるであろうあたりに触ってみようかなと思います。