なんだかんだでそんなに使い込めてはいないけど、ライカM10のレビューのようなものでもしてみようと思います。
機能とかそういったことは今更なので置いときますが、とりあえず使ってみての感想でも書いてみます。
買った時の感想はこちら。
ライカM10を買いました
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ライカM10は本当に買ってよかったと思える
自分の場合は買ったものに対してあーだこーだと理由を付けて納得しようとするところがあるんです。
大体のものは気に入って後から不満が出てきたりするんですが、ライカM10に関してはそんな理由を探す必要がなくて、純粋に買って良かったと思ってます。
何ならここ数年で1番買って良かったと感じてるかも知れない。
ま、何が良かったのかってのをたらたらと書いてみようかと思います
凄く手に馴染むグリップ
バルナックやM型ライカは一眼レフやミラーレス一眼と違ってグリップが無いのでバッチリと握れるって感じではありません。
以前、ライカM4 ブラッククロームの時にフィルム機のグッタペルカの方が持った時にしっくりくる感じが強くて、持ってるのが心地いいなって思ってました。
でも、ライカM10の貼り革はグッタペルカではないのになぜか妙に手に馴染む。
なんか持っていて凄く「しっくりくる」わけです。
同じM型のTyp240と同じ貼り革だとしたら単純に厚みの差になるとは思うんですが、それくらいにライカM10のグリップの保持性が気に入ってます。
本当に凄く自然な感じなんですよね。
まぁなんだかんだで利便性の上で指が掛かるグリップを付けるようにはなるんでしょうが、素の状態でも十分に持ちやすいです。
ライカM10で薄くなったボディが最高
ライカ M(typ240)の頃は、持った時に「分厚いな」って感じる違和感がありました。
その数ミリの分厚さの為にコレジャナイ感を感じてしまうという・・・人間の感覚って凄いよね。
正直、他のデジイチなら数ミリの厚みなんてグリップでカバーしちゃうので誤差範囲の違いでしかないんだけど、ボディの厚み=ホールディング感なM型ライカではその数ミリの差がどうにも吸収できず、Typ240では欲しいけど踏み切れないままでいました。
薄くなったライカM10ではそんな違和感はなく、ライカM4と全く変わらない感覚で扱う事が出来るのでとても気に入っています。
唯一違うのはフィルムを巻き上げる感覚が無い事とシャッター幕が走る音が無いくらいでしょうか。
と、まぁグリップ性やら薄型化やら書きながら、傷がつくのが嫌でレザーケースを使ってる時点でこの辺りのポイントは無効化されてるんですけどね(´・ω・`)
でもバッテリー交換などでケースを外すと、やっぱりライカM10のボディは薄いなぁってのを凄く実感します。
何年かたって、ケースを外しても気にならないようになったら、もっと楽しくなるような気がします。
他のカメラよりも優れた携帯性
2024年現在、フルサイズのミラーレスでもかなりコンパクトなボディの機種が出ていますが、レンズを含めたトータルのバランスで考えると、今でも十分にコンパクトなカメラだと思います。
そんなライカM10ですが、ルックス的にクラシカルな見た目で軽そうに見えるからか、持ったことがない人に渡すと「意外と重い」って感想が返ってきます。
ライカM11ではブラックペイントのトップカバーがアルミに変更されたのでかなり軽くなったようですが、M10の場合は真鍮製のトップカバーなので、ずっしりとした重さがあります。
グリップもないボディなので余計に重く感じるのかもしれませんが、フルサイズのデジカメとして考えれば実際にはそんなに重いわけでもないんですよね。
1つ前のモデルになってしまいましたが、ズミルックス35mm(11663)+ライカM10の重さは以前使っていた富士フイルムのX-T2にXF10-24mmを付けた重さと大差ないんですよ。
しかもレンズがコンパクトなので、X-T2を使ってた時よりも携帯性も取り回しも楽だったりします。
現行のフルサイズ一眼レンズよりもレンズは断然小さくて軽いので、レンズを2~3本持ち歩いても、重めのミラーレスや嵩張るレンズを持ち歩く事を考えると、圧倒的に持ち歩きやすくなっています。
そのお陰で、今はズミルックス35mmとズマール5cmを常備してる状態ですが全然苦ではありません。
使う可能性が低くても持ち出したくなる
M10を買うまでは外出時には「スマホでいいや」とか、使う可能性が低いからとカメラを持ち出さない事が多かったです。
でも、携帯性が優れているのもあるんでしょうけど、なんか持ち出したくなるんですよね。
実際に休日に梅田に出掛ける時に持ち出しても、使わないで帰宅する事もありますけど、持ち出さなかった事の方が少ないです。
一眼レフや大きなレンズのカメラを持ち出すと「写真を撮るぞ」ってスイッチを入れる必要を感じるんですよね。
せっかく重いのを持ってきたのに・・・とかって気持ちもあったりするんですが、M10にしてからはそういった気負いがなく、撮りたかったら鞄から出せばいいし、そうでなければ仕舞っておけばいいという感じになって、気負うことが少なくなった気がします。
好きでやってる事でも、それに捉われてしまうと嫌になっちゃう性分なので、この気軽に扱えるスタイルってのがすごく性に合ってるなぁと思ってます。
M型ライカは道具に徹してくれるカメラ
カメラ任せだと夜景なんかを撮る時にISO感度を設定上限まで上げられてしまって、妙に明るい空になったり、そうじゃないんや・・・という結果になる事があったりします。
そんな時でもM10から搭載されたISOダイヤルでISO上限を物理的に固定する事が容易で、元々装備されているシャッタースピードダイヤルとレンズの絞りが物理的に操作し易いお陰で、様々なシチュエーションで、自分の考えで撮影する事ができます。
AF機能の無いマニュアル機なので、AFが合わないから狙ったタイミングでシャッターが切れないなんて事もありません。
マニュアル設定なんて面倒臭いじゃんって思われる方もいるかもしれませんが、カメラ任せで微妙に思った感じにならないといった撮影結果になりにくいというメリットも大きいんですよね。
自分はM型ライカに限らず、夜にしっかり撮りたい時は他のカメラでもマニュアルモードにする事が多いです。
そんな感じで、あくまでもライカM10は基本的に撮影するための道具に徹してくれるので、ピンボケだろうがブレてようが、フィルムカメラと同じように、自分が主体となって操作する事が可能なので、自分的にはとても扱い易いです。
それと、多分ファームを最新にアップしてからだと思うけど、カーソルのセンターボタンを押すと、液晶に現在の情報が出るようになりました。
結構露出補正をかけるので、気づかずにそのままって事がありました。
この画面のお陰でかかっている露出補正とかが一目で分かるのでとても便利になりました。
不満点がないわけじゃない
ここまで基本的に悪い事は書いてませんが、不満点も全くないわけではありません。
ワイドフレームの確認がしにくい
一眼レフやEVFのようなレンズ越しの写る範囲が見えるファインダーと違って、レンジファインダーは基本的に素通しのファインダーなので、見えるサイズはどんなレンズを使っても変わりません。
M10になってファインダー倍率が上がったことによって、視認性は上がったんですが、メガネな自分には35mmのフレームが確認しにくかったりします。
裸眼だったらこのスマホをベタ付けした状態のように問題ないんだけど、メガネかけるとフレームが確認しきれないんですよね。
こればっかりは構造的なものだからどうしようもないかな。
どうしてもって事ならEVFを買って付ければいいんだけど・・・
まぁ正直な所、大体のフレームが見えたら脳内補完するので全然問題ないんだけどね。
裏蓋の取り外しが意外と手間
フィルムライカからの儀式的な物になっていますが、ライカM10はフィルムのライカと同様に、底蓋を外してバッテリーとSDカードの交換を行う形になります。
なので、ケースをつけてると意外と手間だったりするんですよね。
バッテリーのもちが良ければ気にならないポイントなのかも知れませんけど。
ただ、これって単純に本体にケースやグリップなんかを付けていて、バッテリースロットに直接アクセスできない場合に面倒臭いと感じるだけで、裸で使っているならライカらしい様式美だなって思えるのが不思議なトコロ。
ボトムカバーを撤廃したライカM11はめっちゃ便利になってると感じる人と、ボトムカバーが無くなって寂しいという方に分かれるのも仕方がないかもしれません。
まぁライカの住人はM10とM11の両方を持ってたりする人が多そうなんですけどね(;´Д`)
レンジファインダーの最短撮影距離が長い
M型ライカの距離計連動での最短撮影距離は70cmです。70cmって地味に遠いんですよね。
レンジファインダーの仕組みは三角測量と同じ方式なので、70cmよりも近いとピントが合わないんでしょう。
レンズによってはライブビュー撮影やEVFを使用して撮影すればもう少し寄れるのもありますけど、コンデジやデジイチのように寄ることは出来ません。
なので、食べ物を撮るようなテーブルフォトや普通のデジカメ感覚で写真を撮ろうとすると、全くピントが合わなくて戸惑う事があります。
最新のライカ純正レンズだと最短撮影距離が30cmくらいになっていたりしますが、円安の影響で・・・(´・ω・`)
バッテリーの消費量が地味に多い
X-T2もそうだったからミラーレス全般がそうなのかもしれないけど、バッテリーの減りが凄く速いです。
自分は1日に千枚どころか300枚撮る事もほぼ無いわけですが、毎回充電するわけではないので満充電の予備バッテリーを持ち歩いています。
ま、そんなに枚数撮らなくてもLV使ったりしながら遊んでいると、心許ないので予備バッテリーはある方がいいかも知れません。
朝から晩までガチで撮影しまくる人ならもう3つくらいバッテリーがある方がいいかもしれませんね。
ライカM11はUSB給電が出来るようになっていますが、ライカM10ではUSB給電もUSB充電も出来ないので、予備バッテリーは必須かも。
恐ろしく深いレンズ沼が待っている
基本的に、他のデジカメと違ってキットレンズがないので、最初の一本目からレンズをどうするかってのを考える事になります。
そして多分、どのレンズを買っても他のレンズが気になります。
同じ35mmレンズや同じ50mmレンズでも描写や雰囲気が全然違ってくるので、こればっかりはどうしようもない(;´Д`)
中古価格の上昇とか、販売価格の上昇を考えると、予算的に厳しいから後からお金をためて高いのを・・・
ってやると、買えそうな頃には値上がりしてる可能性もあるので、予算が理由で中途半端なものを買うよりも、ちょっと無理してでも最初からいいものに行ってる方がいいと思います。
自分の場合は広角寄りの使用頻度が高かったのでSummilux-M35mmの現行モデルにしましたが、ズミクロンやズマリット、オールドレンズで繋ぎをしなくて良かったと思ってます。
50mmはアポズミとか色々気になるものはあるけど、35mmは現行ズミルックスで完結出来てるので十分です。
新品で購入できるレンズならそこまで悩まなくても構わないんですが、歴史の長いライカなので、オールドレンズが気になってしまうとレンズ自体が古いもが多く、レンズ自体の劣化などもあって個体差が物凄く多くなっています。
そのため、気にいった1本のレンズを何本も購入して選別して自分なりのそのレンズのアガリを探すという賽の河原のような沼に入る可能性もあるので、十分に気を付けないといけません(´・ω・`)
まとめ
デジタルのM型ライカは高いカメラではあるけど万能ではありません。
AFもないので使いにくいとか面倒臭いと感じるかもしれませんし、高いからいい写真が撮れるというものでもありません。
が、制限される部分は原則フィルム機と同じものなので、その感覚で使えれば全然問題は感じません。
フィルム機で足りなかった部分を補ってくれて、操作は変わらない。道具としては非常に優れていると思います。
レンジファインダーによるピント合わせも、ゴチャッとしたところだと迷う事もあるけど、通常の場所だとスッと合わせられるようにもなってきました。
自分の撮影スタイルや感覚が丁度ライカと合っていたんだと思います。
なので無理なく使えて楽しめて撮影できるんだろうなと。
こんな事ならもっと早くからデジタルライカに踏み込んでおけばよかったなって思いました(;´Д`)
とはいえ、デジタルライカなんて高くて買えるか!って感じですよね。
自分もそうでした。
他のカメラを何台も買い替えたりしながら、いずれはデジタルライカを・・・なんて無駄な遠回りをしてたわけです。
ライカM10の中古はまだ高めですけど、ライカM(Typ240)の中古だったらマップカメラの48回まで無金利を使えば、月額1万ちょいで本体は買えてしまいます。
長く使っていくつもりなら、全然アリな価格じゃないかなぁと思います。
ま、レンズが高いからアレだけど、48回払いなら毎月トータル2万でもなかなかのレンズが買えるんじゃないでしょうか。
ぶっちゃけ、普通のデジイチなんかだと毎年のようにアップデートが繰り返されて買い替えを考える事になったりしますが、ライカの場合は基本的にそんな心配は必要ないので、長く使えるってメリットはあるんですよね。
なので、48回払いにしてもそのまま使い続けてるような気がします。
逆に国産機で48回なんてしたら確実に手元になくてローンだけ払ってる自信があります(´・ω・`)
実際に買う時にはかなり思い切りが必要でしたが、今は出掛ける時には無くてはならない感じになってます。
無理なく楽しく付き合っていけるカメラだと思ってるので、出掛けた時のお供としてずっと使い続けれたらいいなと思ってます。