ニコンZマウント初のDX単焦点レンズ、NIKKOR Z DX 24mm f/1.7を購入したのはサラッと書きましたが、金曜から日曜までの3日間、ガッツリと東京で使ってきたのでレビューをしてみたいと思います。
NIKKOR Z DX 24mm f/1.7を買ってきた
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ずっと待っていたDXフォーマットの単焦点レンズ
ロードマップに載った時からこのNIKKOR Z DX 24mm f/1.7を購入しようと思って待っていました。
NIKKOR Z 24mm f/1.7はDX専用レンズなので、35mm版に換算すると36mmの画角になります。
いわゆる「標準レンズ」というと50mmという人と35mmという人に分かれるケースが多いんですが、自分のような35mmの方がしっくりくるという人間には、35mm版換算で36mmとなるAPS-Cサイズの24mmレンズというのは使い慣れていて丁度いい焦点距離になっています。
今までのリーズナブルな単焦点はフルサイズ用のNIKKOR Z 28mm f/2.8、NIKKOR Z 40mm f/2ですが、DX機で使うとそれぞれフルサイズ換算で42mmと60mmというどちらともつかない微妙な焦点距離になってきます。
中間的な距離として考えるのであれば、28mmの方が扱いやすい画角ではあると思いますが、ボケにくい感じになるのでボケを楽しみたいのであれば微妙に距離が長くなるNIKKOR Z 40mm f/2を選択するしかない感じでした。
しかし、このDX 24mm f/1.7は開放F値がF1.7という明るいレンズなので、思いっきりボケを楽しむことが出来ます。
これからZfcなどのDX機を買ってボケを活かした写真を撮りたいと思っている初心者の方や、28mm f/2.8だとちょっと物足りないと思っている方ならば、間違いなく活躍してくれるレンズです。
NIKKOR Z DX 24mm f/1.7は場面を選ばない使い勝手のいいレンズ
普段は解放バカなので全て絞り開放で撮る事が多いんですが、今回はちゃんと絞りを変えて撮ってますw
流石に開放オンリーだとNDフィルターが必要だと思いますし、Zfcのオートで使われる方もいるでしょうしね。
近距離撮影
最短撮影距離が18cm、レンズ先端から12cmとかなり寄れるので、F2でもかなりボケてくれます。
開放F1.7で撮ると、奥の人物なんかは判別できないくらいにボケてます。
手ぶれ補正が無い事を気にされるかもしれませんが、明るいレンズなのでそこまで気にする必要はないかもしれません。
止まって撮ればほぼ問題ないですし、歩きながらでもなんとかカバーできる感じではあります。
木の葉に寄って撮影。
木の間から入ってくる光が玉ボケになってくれます。
葉っぱがめっちゃシャープに写ってます。
最短撮影距離が短いので、ランチなんかのテーブルフォトにも十分使えます。
ただ、寄って開放だとこんな感じでピントが合ってる場所がピンポイントになってしまいがちなので、F2.8以降とかに絞って撮影した方がいいでしょうね。
みんなよくやる手に何かを持ってってシチュエーションの写真。
背景を見せたかったのでF9まで絞ってますが、こんな感じで片手持ちでもブレずに撮れます。
因みに、こういった場面だとアイスに合わせると背景が白飛び、背景に合わせるとアイスは真っ暗になってしまうので、アクティブDライティングをON(今回はより強くに設定)にして撮影するといけますよ。
(自分は手元が黒い状態で撮ったRAWから現像で補正しました)
中距離
スナップ的な感じで使うのであれば一番利用率が高いと思われる中距離撮影でも十分に高い性能を発揮します。
F5まで絞るとシャープさが増します。
前群操出しのNIKKOR Z 26mm f/2.8と比べてもAFスピードが速いので、スナップなんかにはめっちゃ合うレンズになっています。
ちょっと暗くなってきた景色
他のZレンズの例に漏れず、開放からシャープなので暗くなって開放でないと厳しい場面でも全く心配はありません。
あまりISO感度を上げてしまうとノイジーになってしまうので、なるべくISO感度でカバーするのは避けたいところなんですよね・・・
その点を考えても、マージンが広くなるのはとてもいい事だったりします。
これも上にあったソフトクリームと同じ感じで後からRAW現像で色を出してますが、35mmなので屋内なんかの微妙な距離感だと入りきらない場面が出てきます。
こういった場合の単焦点は自分の足で出て下がってを行って調整するわけですが、こういった屋内の場合はそうそう上手くいくものでもなかったりします。
そんな時は手早く16-50mmあたりに交換するか、素直に諦めるの2択になってきますが、レンズがどうこうって話でもないんですけどね。
街中を歩いていると色々と気になる物が出てきたりします。
そんな場面でもAFが速いのでサッと構えてパッと撮る事が可能です。
お蕎麦の提灯
オールドレンズのような緩い感じはありませんが、サッと構えてパッと撮る事が出来るので、スナップを撮るのには本当に丁度いいレンズです。
夕焼けじゃない夕焼けだんだんからの写真
こういうスナップ向けレンズの有無で使い勝手が大きく変わってくるんですよね。
日が長くて夕焼けには程遠かったので、RAW現像でぽい感じの色味にしてみました。
遠距離
なんとなく距離別に分けてますけど、正しいのかどうか(;´Д`)
東京スカイツリーを入り口辺りから撮影。
細かいところまでしっかりと描写しているのが分かると思います。
築地本願寺も全景を撮ろうと思ったら12-28mmや10-20mmが必要でしょうが、24mmでもいい感じに収まります。
記念写真を撮るのにも結構いい画角だったりします。
東京スカイツリーを写した夜景
F1.7の明るさがあるので、夜でも余程暗い場所でもなければ全然問題ないんじゃないでしょうか。
実際に使ってみて、1/15secくらいまでならそこまで意識しなくても撮影するのに問題ない感じでした。
それ以上になると、ちゃんと意識してホールドして撮らないとブレるかな・・・
どの距離でも卒なくこなせる優等生
上でも書きましたが、フルサイズ換算で36mmという焦点距離は非常に使い勝手が良いレンズとなっています。
最短撮影距離が18cmとなっているので、近距離のテーブルフォトなんかも可能ですし、大きな物なんかを撮るにしてもZマウントらしいしっかりとした写りなので、とりあえずNIKKOR Z DX 24mm f/1.7を付けておけば間違いないかなという感じです。
街中を歩いていて猫なんかを見かけた時にはどうしようもない焦点距離ではあるんですが、その場合は16-50mmでも足りないので(;´Д`A
F1.7の明るさは水族館で大活躍しました
水族館は結構特殊なシチュエーションだったりしますが、大体が斜めから撮っているか、シャッタースピードが遅くて被写体ブレを起こしているかが殆どだったりします。
しかし、NIKKOR Z DX 24mm f/1.7は明るいレンズなので、シャッタースピードを稼ぎやすくなっています。
海月の淡い色合いが綺麗に写し出されています。
頭の透き通った感じとかもブレずに綺麗に写せます。
周囲のライトの色によってクラゲの色も変わるので、物凄く幻想的な世界が広がります。
チンアナゴ
ボケやすいレンズなので、なるべく近めの被写体を選べば後ろに多少人がいても全然気にならなくなります。
AFも速いので、ZfcのAFをダイナミックAFにして余裕でロックしてくれました(バッテリーの減りが速くなるけど)
泳ぎ回るペンギン
カメラを構えていると寄ってきてアピールしてくれるペンギンがいたので、連写Hにして撮ってみました。
本当は1/125以上でピントももうちょっと深い方がシッカリと撮れるんでしょうけどね。
美味しそうなイカ
トランスルーセントなんたらキャットフィッシュ
透け透けの魚も綺麗に透けてます。
サンシャイン水族館の空飛ぶペンギン
マニュアルだと微妙な位置の違いで明るすぎたりするので、Zfcだとオートで撮った方が撮り易い気がします。
本当に空を泳いでいるみたいですね。
NIKKOR Z DX 24mm f/1.7にはフードは要らないかもしれない・・・
今回、写真のキャプションに基本的なデータと撮影時のフードの有無を書きました。
露出補正が無いのは原則的にZfcのMモードで撮っているからなんですが、フードの有無で実際にどんな感じなのかを試してみようと、2日目の朝の途中からフードなしにしてみました。
結果的に昼間でもフードなしだと全く問題はなく、夜間だとMIX光源になった時に微妙にゴーストが出たのを確認できました。
フードが無くて出ているゴーストなのか、フィルターが原因のゴーストなのかが判別できていないので何とも言えないので、天気のいい夜にでも以前ゴーストが出た場所でフードやフィルターの有無でどうなるかを試し撮りしてみようと思います。
ただ、ゴーストが出た場面でも、そこまで目立った感じでもないので、快適さ重視ならフィルターのみを装着しての運用でもいいかもしれません。
万が一のことを考えた場合だと、46mmの薄型クラシックフードにフィルターを装着するくらいで丁度いいのかもしれませんね。
NIKKOR Z DX 24mm f/1.7のレビューまとめ
実際に3日間使ってみて、金銭的に余裕があるのならZ30用にももう一本欲しいなって思いました。
普通に考えて、ZfcとZ30を同時に使う事はほぼ無いでしょうけど、常用レンズとして固定装着しておいていいんじゃないかなぁっていうくらいに使い勝手のいいレンズだったんですよね。
DX専用なので、後からフルサイズを買うつもりの方には使いまわしにくいレンズになってしまいますが、DX機がメインの方や、DX機をもっと手軽に持ち運んで撮影したい方には今までのレンズ以上に快適で扱いやすいレンズになっているので、次の1本には本当に最適なレンズになっていると思います。
どのレンズキットを購入したとしても、F1.7という明るさは決して他のレンズと被る事は無いので、「次の1本は何を買ったらいいんだろう?」って思った方にはとてもいい選択肢になりますし、お勧めできる1本だと思います。
もし機会があれば、店頭なんかで是非一度試してみて頂きたいレンズです。