先日、Zfc用のファームウェアVer.1.60が公開されたばかりですが、本日Z9用のファームウェアVer.5.00が公開されました。
Ver.4.10からのアップデートはかなり多岐にわたりますので、全部載せるととんでもない量になってしまうので、今回は気になった点をピックアップしてみようかなと思います。
アップデート内容の詳細は以下のニコンさんのホームページを参照していただければと思います。
動画・静止画共通でピクチャーコントロールが追加
ピクチャーコントロールに[リッチトーンポートレート]が追加されました
白飛びを抑えながら人物の肌のディティールを表現し、ピクチャーコントロール:ポートレートよりもメリハリのある画像になるそうです。
撮影した画像を調整・加工する場合にも適しているとの事。
カスタムピクチャーコントロールにも[立地トーンポートレート]が追加されており、調整可能な項目は以下の通り
ー[クイックシャープ]
ー[輪郭強調]
ー[ミドルレンジシャープ]
ー[明瞭度]
ー[コントラスト]
ー[明るさ]
ー[色の濃さ(彩度)]
ー[色合い(色相)]
撮影メニューに[美肌効果]が追加
強め、標準、弱め、しない(OFF)の設定が可能
美肌効果は最大で3人まで適用されるとの事です。
ただし、静止画の場合は「ハイスピードフレームキャプチャー+」、多重露出、HDR合成時には美肌効果は使用できません。
また、動画撮影時にはファイル形式を「N-RAW 12bit(NEV)」または「ProRes RAW HQ 12-bit(MOV)」に設定している場合や「ProRes 422 HQ 10-bit(MOV)」か「H.265 10-bit(MOV)」に設定して快調モードを「N-Log」にしている場合には美肌効果は機能しないとの事です。
撮影メニューに[人物印象調整]が追加
人物の色相と明るさを2軸で調整してモード1~3に個別に登録し、撮影時に選んで適用できる機能。
マゼンタとイエロー方向で色相を調整し、明るさと暗さで色味を変更できます。
この辺りの機能はポートレートをガッツリやる人にとってはかなり効果の高い機能なんじゃないでしょうか。
オートキャプチャー機能のアップデート
撮像範囲がDXにも対応
ファームウェアVer.4xxではオートキャプチャーを使用すると撮像範囲がFXに固定されていましたが、今回のアップデートで撮像範囲がDXにも対応しました。
距離を稼ぐために望遠でDXにしてる時にも使用可能になりますね。
レリーズモードC15とC60に対応
Ver.4xxではC60を選んでもC120に変更されていましたが、今回からはC60に対応するとともに、新たに追加されたC15にも対応するようになりました。
被写体検出対象に飛行機が追加
今回のアップデートでオートキャプチャーの被写体検出対象に飛行機が追加されました。
オートキャプチャーは使う事が無いかなと思ってたんですが、やり方によっては着陸してくる飛行機とかを垂れ流しで撮れそうですね。
オートキャプチャー撮影実行時に黄色の枠が表示される
動画撮影時に赤枠が表示されて、「動画を撮影している」事が一目でわかるんですが、オートキャプチャー時には黄色の枠が表示されるようになったので、オートキャプチャーの待機中である事が分かるようになりました。
静止画関連のアップデート
撮影メニューの管理が個別に出来るようになった
従来までもiメニューから撮影条件によって切り替えが可能だった撮影設定A~Dですが、今回のアップデートで撮影メニューとして個別管理が可能になりました。
静止画撮影メニューの撮影管理の管理からA~Dを選択できます。
自分は通常の撮影設定をAに、航空祭なんかの設定をBにしていたんですが、実際の撮影場所で微調整で色々と弄っているうちにどのモードなのか分からなくなって、Bを変えるつもりがAを変えてたなんて事があったので、個別メニューとして分かりやすく設定できるようになったのは嬉しいです。
ハイスピードフレームキャプチャー+に[C15]が追加
今回、新たにハイスピードフレームキャプチャー+に[C15]が追加されました。
シャッタースピード:1/32000~1/60秒
撮像範囲:FXまたはDX
画像サイズ:サイズL固定
という事で、プリキャプチャー機能も使用可能となっています。
そこまでコマ数必要ないよなって時の選択肢が増えるのはめっちゃ有り難いです。
画質モードのメニュー名が変更
静止画撮影メニューの「画質モード」が「画質モード設定」に変更されています。
通常撮影用の「画質モード」と、C15~C120を使用する際の画質設定メニューである「画質モード(HSFC)」に分かれているので注意してください。
高感度ノイズ処理モードが追加
静止画撮影メニューに「高感度ノイズ処理モード」が追加されました。
従来通りのノイズ低減処理方法の「Type A」と、ノイズの見え方を変更したノイズ低減処理を行う「Type B」の2つが選択可能。
高感度がそこまで強くないZ9なので、Type Bの処理でノイズ感が少なくなるならめっちゃ嬉しいんですけどね。
動画撮影関係のアップデート
ハイレゾズーム機能の使い勝手が向上
ハイレゾズームを使用してピントが合った時に画面に表示されるAFエリアフレームの色が赤から緑に変更されました。
また、ハイレゾズームのズーム操作がマルチセレクターの左右だけでなく、サブセレクターを左右に倒す事でもズームが可能になりました。
めっちゃ細かい変更ですが、ちょっとしたことが使い勝手の良さに繋がりますしね。
再生関連のアップデート
動画再生のiメニューに「再生の速度」が追加
動画の再生速度を等倍、1/2再生、1/4再生が選べるようになり、スロー再生が可能になりました。
また、動画一時停止時のiメニューにも追加されているので、途中部分の確認のために一部分だけスロー再生といった事も可能。
画像編集機能のカスタマイズが追加
再生時のiメニュー「画像編集」に「画像編集機能のカスタマイズ」が追加されました。
- RAW現像(表示画像)
- RAW現像(複数画像)
- トリミング
- リサイズ(表示画像)
- リサイズ(複数画像)
- D-ライティング
が選択できるようになっており、選択した項目のみが「画像編集」に表示されるようになっています。
操作関連のアップデート
フォーカスポイントの太さが変更可能に
カスタムメニューa11「フォーカスポイント表示」に「フォーカスポイントの太さ」が追加されました。
これによりフォーカスポイントの枠線の太さを1~3の3段階で選択できるようになりました。
「カスタムボタンの機能(再生)」に機能追加
再生時の露出補正ボタンとISO感度ボタンに機能を割り当てることが可能になりました。
- RAW現像(表示画像)
- RAW現像(複数画像)
- トリミング
- リサイズ(表示画像)
- リサイズ(複数画像)
- D-ライティング
- 傾き補正
- 歪み補正
- アオリ効果
- モノトーン
- 加算合成
- 比較明合成
- 比較暗合成
- 比較動合成
カードの物理フォーマットの方法が変更
カードの初期化→スロットを選択するところまでは同じですが、クイックフォーマットか物理フォーマットかを選択する形ではなくなりました。
選択肢が「はい(クイックフォーマット)」か「いいえ」だけになり、物理フォーマットを行う場合はここでゴミ箱ボタンを押すことで物理フォーマットの確認画面が表示されるようになります。
物理フォーマットの利用頻度を考えたら基本的にはクイックフォーマットという表示でもいいのかもしれません。
まとめ
めっちゃかいつまんで記述しましたが、ネットワーク周りなんかもアップデートされていたり、Profoto A10 の LED 定常光を AF 補助光として使用可能になったりと、様々な機能を追加しつつも色々とブラッシュアップされていってるなという印象でした。
個人的にはディープトーンモノクロームとかも追加してほしかったところですけどね。
機能拡張自体、まだこんなに色々と弄れる部分があるんだと思いましたが、Z9自体の使い勝手を向上させるアップデートも多くて感心しました。
オートキャプチャーを試してみたけど、意外と難しかったので今度じっくりと設定とか使い方を調べてやってみようと思います。