気が付けばZ9を買ってから1ヶ月になりました。
仕事で左手(利き腕)がちょっと腱鞘炎になってたりして普段使いの頻度は落ちてますが、とりあえず1ヶ月使ってみた感想を書いてみたいと思います。
デカい!重い!そう思っていた頃もありました
いままでにPENTAX K-1やLUMIX S1など、1kg超えのカメラを使ってきましたが、どちらも次第に持ち出さなくなっていきました。
確かにどちらも画質や性能的には良かったんですが、写真を撮るという事で考えた時に、どうしても「このカメラじゃなきゃダメ」って言い切れる部分が無くて、持ち出しやすいその当時のサブ機を使うことが多かったわけです。
色味とかそのカメラでしか出せないものもありますけど、重い本体に大きなレンズを何本も持っていく事を考慮するとどうしてもそっちに重点を置くことが出来なかったんですよね。
特に風景とか動体でなければどのカメラでも基本的には変わりませんし(;´Д`)
Z9にもそういった懸念はありました。
なんせ上記の2台を大幅に超える1.34kgに縦グリップ付きの大型ボディです。
店頭で持ってみても「やっぱり重いな」と感じていましたし。
Z5と比較するとこの違いで、重さはほぼ倍くらいの重さになっています。
ですが、実際に持ち歩いてみるとそんなに重いなぁって感じないんですよね。
ストラップで軽減されているのもありますが、グリップバランスがいいのでそこまで「重くなった」と感じないのかもしれません。
ただ、左手に乗せて持ち歩いてるとやっぱり重いと感じますが、まぁそんなもんでしょう。
本体的には大きく重くなってますが、前述の2機種に比べてZマウントは写りがいいのにそこそこ小型なレンズが多いので、持ち歩く機材の総重量は減ってます。
替えが効かない性能
前述したように写真を撮るならどのカメラでも構わないって感じだったんですが、Z9のAFと被写体検出を体感してしまうと他の機種じゃ代替できないんですよね・・・
動体撮影とか別にええねんって感じだったのが普通に撮れちゃうんですよ。
Nikon Z9は完全に別物だった・・・
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流石に100発100中って事はありませんが、前述の2機種と比べると雲泥の差。
流石はフラッグシップと言える性能です。
使い勝手とかを含めても下位機種にあたるZ6IIとは全くの別物で、使えば使うほどZ9は替えが効かないなと感じてきて、普通に撮影に行くならZ9を持ち出すと思います。
逆に「重いから」というのは持ち出さない理由ではなくなりました。
安心感が半端ない
Z9を使って感じたのは動体撮影時にAF任せでかなり歩留まりが高い事。
動体撮影だとAF任せで撮ってもピントが合ってないとかは良くある事だったりするんですが、Z9だと本当にカメラ任せで大丈夫なので、いざって時の安心感が半端ないです。
めっちゃ準備しないとやらかしそうな時でも何とかしてくれそうな気がするんですよね。
使ってて楽しいカメラとかお気に入りのカメラってのはありましたが、撮影時の安心感があるカメラは初めてかもしれません。
流石はプロ向けのフラッグシップカメラだなと思いました。
望遠撮影が楽しくなる
Z6IIにも動物AFは搭載されていましたが、犬猫のみで離れると認識しなかったりしたんですが、Z9は面白いくらいに認識します。
犬、猫、鳥の頭部、瞳、全身を被写体検出するんですが、似たような種類の動物や似てなくても瞳を検出してフォーカスを合わせてくれるのでかなり楽に撮影できます。
しかもフルサイズで4540万画素、DXにクロップしても1940万画素あるので普通にA4プリントとか出来るんですよね。
なので、NIKKOR Z 100-400mm F4.5-5.6 VR Sを使わなくてもTAMRON の70-300mmでも十分な撮影結果が得られます。
とにかく今まで苦労していたものが手軽に撮れるので本当に楽しくなります。
トリミング耐性も高く、寄り切れなくても切ればいいやって撮影が出来るので、「兎に角撮る」事に専念できます。
望遠だけじゃない
Z6IIのモニターは上下のみのチルトなので、縦撮影でローアングルやハイアングルから撮るときにはモニターはほぼ見えませんでした。
対するZ9のモニターは上下だけではなく左右にも可動します。
なので、縦位置撮影でもチルト出来るので、どんなアングルでもモニターの確認が出来ます。
地味な差に思われるかもしれませんが、確実に撮影しやすさに繋がるのでいろんなレンズでの使い勝手が向上します。
50mmマイクロでもトリミングやDXを利用することでもっと大きく写せますし、ベースISO感度が64(拡張でISO32相当)の低感度が使えるので明るいレンズでも結構解放で使えるんですよね。
折角F2.8通しのレンズを買ったんだし、やっぱ解放とかで使いたいしね。
実際にはどんなレンズを使ってもキビキビとストレスフリーで動作して使えるので望遠以外のレンズを使っても楽しくなってくるんですよ。
バッテリーのもちがかなりいい
上の記事リンクで動物園を撮影した時に連写を多用して約1350コマ、10分弱の4K動画を撮影しましたが、バッテリーのメモリが1つ減ったくらいでした。
まだガチで1日中使ったことが無いのでわかりませんが、普通に使うのであれば1日使っても大丈夫なんじゃないかなという気がします。
USB PDでの給電に対応しているので、ガチで仕事に使うとかでなければモバイルバッテリー併用でいいのかもしれません。
とにかく軽快
バッファが大きいとか色々あるんでしょうが、そこそこ連写をしても重くなったこともないし、操作に対する反応も速くて、上にも書きましたが本当にストレスフリーなので使っていて気持ちがいいです。
再生画像が表示されるまで時間が掛かるとかもないし、連写で画像が多くなったらフォルダに一括まとめでそのコマの関連というか撮影した写真を一纏めにしてくれたりといった感じで基本的に操作する側が扱いやすい感じになっています。
正直、Z6IIでも十分だと思っていましたが、細々したところがブラッシュアップされていて、Z9を使った後にZ6IIを使うと少しもたついた感を感じたりします。(自分の体感的なものなのでそんな差があるのかはわかりませんが・・・)
まとめ
みんなの憧れのライカレンズであるアポ・ズミクロンM 50mmを下取りに出してしまったわけですが、全く後悔はしていません。
確かにアポズミには目を見張る撮影結果をもたらしてくれるポテンシャルがありますが、何をどうやってもM型ライカじゃ撮れない部類の撮影が可能になる事や、今まで自分がやりたくてもスキル不足でできなかった撮影への大幅な補助を受けることが出来る機材なので、もっともっといろいろな撮影を楽しめると思ったら全然アリです。
Z9くらいのポテンシャルがあれば、それこそ今までのように新型が出たからリプレースって事を考えずに自分の撮影状況だったらかなり長く使えるカメラだと思います。
確かに高価なカメラですが、スペックとか他社の同クラスカメラの価格などの諸々を考えたらZ9はバーゲンプライスでしょう。
とはいえ、流石にずっとこの価格というのはあり得ないと思います。お値段異常なので・・・
ただ単に色々な物の供給が追い付いていないのに値上げをするのはどうだろうという事で値上げをしていなかっただけだと思うので、Z9やレンズの納期もかなり短くなってきた現状となった今では、いつ値上げ発表をしてもおかしくないかなと思ってます。
ま、なんにしても重いカメラは嫌だと言っていた人間が「重さよりも撮れる事」を優先できるカメラだったので、これから永く使っていきたいと思います。