2024年3月2日に発売されたAVIOTのTE-W1を購入しました。
AVIOT製品は初購入ですが、新製品でもあるので開封からのレビューをしてみようかと思います。
設定変更が可能なアプリ「AVIOT SOUND ME」のTE-W1への対応は2024年3月中旬の予定になっています。それまでは細かい調整等は出来ず、デフォルト使用での運用となりますのでご注意ください。
AVIOT TE-W1とは
AVIOTが2024年3月2日に発売したフルワイヤレスのノイズキャンセリングイヤホンになります。
販売価格は¥15,950となっており、価格帯としてはエントリークラスの価格帯になっています。
しかし、同社のフラッグシップモデルであるTE-Z1で培われた技術を元にして開発されたドライバーシステムを搭載するなど、エントリークラスの一つ上のポテンシャルを持っています。
対応コーデックはSBC,AAC,LDACとなっていて、最近流行りのaptX Adaptiveなどには対応していません。
とはいえ、自分が使用する前提がウォークマンのNW-ZX707なのでLDACが使えれば全く問題はないんですよね。
TE-W1のスペック
ドライバー | コアキシャル3Dシステム コアキシャルデュアルダイナミックドライバーシステム(10mmDD+6mmDD) |
通話用マイク | 高性能MEMSマイク×3 |
バッテリー容量 | イヤホン片耳 72mAh チャージングケース 390mAh |
最大通話時間 | 約8時間 |
最大連続再生時間 | イヤホン単体 約16時間 チャージングケース併用時 約50時間 ※使用環境により変動する可能性があります |
イヤホン本体充電時間 | 約1.5時間 |
チャージングケース充電時間 | 約1.5時間 ※約10分の充電で最大60分再生可能な急速充電対応 |
充電ポート | USB Type-C 充電パッドの上に置くだけのワイヤレス充電にも対応 |
防水性能 | IPX4相当 ※イヤホン本体のみ |
Bluetooth | 5.3 |
マルチペアリング | 8デバイス |
マルチポイント | 2デバイス |
対応コーデック | AAC SBC LDAC |
対応プロファイル | A2DP HFP AVRCP |
同梱付属品 | シリコンイヤーピース:S-short/S-tall/M-short/M-tall/L-short/L-tall 各サイズ1ペア、 USB Type-Cケーブル1本、ユーザーマニュアル、製品保証登録カード |
コアキシャル3Dシステムとは
スペック表のドライバーの部分に「コアキシャル3Dシステム」と書かれていますが、なんやそれ?って話ですよね。
AVIOTが2022年に発売したフラッグシップモデルのTE-Z1という機種があるんですが、その機種で採用されていたのが「コアキシャル2Wayドライバー」という構成でした。
その構成で培った技術を元にして開発されたのが「コアキシャル3D(Dual Dynamic Drivers)システム」とのこと。
同軸上にダイナミックドライバーを2基配置したデュアルダイナミックドライバー構成により、デュアルドライバーでありながら、ドライバー間の位相差を可能な限り低減し、2機のドライバーがそれぞれの特性にあった帯域を奏でることで、低音から高音まで幅広い帯域をバランスよくカバーし、滑らかな音のつながりと優れた温情感を実現しています。
ULTRA DEEP BASSで深みのある重低音
AVIOT独自の音響設計である「ULTRA DEEP BASS」を採用し、沈み込むような低音の迫力と中高音域のクリアでナチュラルな音の再現性を実現することで、深い没入感が得られるとのこと。
このあたりまでは公式HPからの引用になるんですが、最初はこのULTRA DEEP BASSってのが強くてドンシャリ系かなと思ったんですが、全くそんなことはなくて、まさに文章の通りでした。
AVIOT TE-W1の開封
パッケージを開けると本体と充電ケースが現れます。
本体のカラー展開はダウンネイビーとダークレッドの2色。
あとピヤホン8としてピエール中野氏監修モデル(¥19,800)があります。
自分は赤が好きなのでダークレッドにしてみました。
ダークレッドという名前ですが、ラメの入ったカラーなので、高級チョコレートの包み紙のような・・・(;´д`)
本体とケースの入ったウレタンマットを取り出すと、下の段に取説なんかが入ったパッケージがあります。
この中に付属品が全て入っています。
TE-W1の付属品
充電用USBケーブル
短めのUSB-A To Type-Cケーブルが入っています。
短いのでモバイルバッテリーでケースを充電するなどの緊急時しか使い道がないかなぁ・・・
イヤーピースは3サイズ6種類がセット
AVIOT TE-W1に付属しているイヤーピースはS/M/Lの3種類でそれぞれにスカートの長さが違うショートとトールの2タイプ。
合計で12個が入っています。(Mのトールは本体にセット済み)
ちなみに医療用シリコンを使用しているので、耳が痒くなりにくいハズ。
この写真の一番右がLーTALLで隣がLーSHORTです。
わずかな差かもしれませんが、装着感はかなり変わると思うので自分に合うものを探せますね。
自分の場合はLでも少し甘い感じだったので、他社製でもう少しスカートが広めのものを探してみようかと思います。
TE-W1本体
TE-W1本体はこんな感じ。
AVIOTロゴの下にある「斜めのスリット状の部分がタッチセンサーになっている」という感じで取扱説明書には記載されているんですが、この出っ張ったユニット部分全体がタッチセンサーだと思われます。
AVIOTのロゴが書いてある辺りをタッチする方が反応は良かったです。
本体の形状ですが、上位モデルと同じようなダックテールと言われる突起が上部についています。
装着しにくそうに思われるかもしれませんが、意外としっくりと収まります。
カメラのバリアングルを確認しながら撮影していたので、少し斜め側からなので結構飛び出している感はあるかもしれません。
装着感は浅めですが、簡単に外れてしまいそうという感じはありませんでした。
まぁ普段がWF-1000XM4なので大差はない・・・かな。
自動着脱認識も搭載しているので、TE-W1を耳から取り外したら曲が一時停止、装着したら再生が行えます。
また、片耳だけでも動作可能です。
ノズル部分は金属製
フルワイヤレスイヤホンだとノズル部分は樹脂製のものが多いわけですが、TE-W1のノズルは金属製(真鍮かな?)になっています。
コレイルを使うと解像度とかがよくなるのと同じで、金属ノズルを使用しているので解像感とかはかなりいいはず。
あちこちに開いている穴はマイクで、4本ラインの上にある白い丸は動作ランプになっています。
イヤーピースの溝は普通な感じで、一応コレイルも装着は可能でした。
ただ、WF-1000XM4のような深いケースではないので、コレイルをつけた状態では充電不可能でした。
イヤーピースを交換するのであればTWS用の薄型のイヤーピースを選択するしかなさそうです。
ノズルの取り外しは出来なさそうなので、メッシュの交換は無理そう。
ただ、かなり目は細かいのでゴミは入りにくいかなと思います。
充電ケース
なんか化粧品のように綺麗な充電ケースです。
ただ樹脂製なので、それなりに傷はつくかなぁ・・・
開閉部分にツマミのようなものがあるわけではないので、若干フタの開閉がやりにくいかなって感じはしました。
ケースは丸みのある形状なのでかなり小さい感じがしますが、横幅は約7.5cmなので、そこまで小さくはないかなぁ
本体も少し大きめな感じがするけど、小さいとどうしても音質的に妥協部分が出てきたりもするので、このくらいのサイズなら全然許容範囲内。
因みにWF-1000XM4のケースと比べてみたら、向きが違うだけで大きさ的にはそんなに変わりませんでした。
充電用のType-C端子はケースの背面にあります。
隣には物理的なリセットボタンが付いていて、不具合時に10秒間長押しすればリセットができます。
また、前述したようにケースはワイヤレス充電にも対応しているので、充電パッドの上におけば充電ができるようになっています。
ケースの中はこんな感じ。
収納する時はイヤーピースを斜め下に向けて差し込むように収納します。
収納しているときはこんな感じです。
上でも書きましたが、イヤーピースに対するケースの遊びは全くと言っていいくらいないので、特殊な形状のものは確実に使用不可だと思います。
どうしてもの場合は都度イヤーピースを着脱するしかないと思います。
TE-W1の操作感について
操作方法は独特
今までSONYのタッチ操作しかやったことがなかったので、AVIOTとしては標準なのかもしれませんが、操作方法はかなり違うなと思いました。
L | R | |
電源ON | 3秒間長押し | 3秒間長押し |
電源OFF | 8秒間長押し | 8秒間長押し |
再生 | 1タップ | 1タップ |
停止 | 1タップ | 1タップ |
曲送り | ー | 2タップ |
曲戻し | ー | 3タップ |
音量を上げる | 2タップ | ー |
音量を下げる | 3タップ | ー |
受話 | 着信時に1タップ | 着信時に1タップ |
通話終了 | 通話中に1タップ | 通話中に1タップ |
ANC/外音取込 | 1.5秒間長押しでモード切り替え (ANC/OFF/外音取込) | ー |
基本的に通話をすることもないし、外音取込にすることもほぼないので他の部分は別に構わないんですが、音量のUP/DOWNが2タップや3タップという煩雑さなのはちょっと面倒かなと思いますね。
カスタマイズでL側の電源ON/OFFと再生・停止を無効化して1タップで音量UP、2タップ長押しというソニーと同じような操作に変更できればいいんですけど・・・無理そうかなぁ
素直にDAP本体の音量操作をする方が早いような気がしますね。
タッチセンサーのレスポンスは遅め
TE-W1のタッチセンサーの反応ですが、WF-1000XM4と比べたらタッチの反応は遅めになります。
操作をして1クッションあってから操作が反映される感じになるので、この辺りは人によって好みが分かれるところだと思います。
レスポンスの速いWF-1000XM4と同じ感覚で操作してると、タップ失敗したかな?と思って何度か同じような操作をして訳が分からない事になるかもしれません。
逆にWF-1000XM4のタッチセンサーの反応がかなり良すぎて、完全に触れてない(数ミリ手が浮いた状態)のに1タップ反応をする時があるので、マスクの着脱や耳元辺りに手を持って行くだけで曲が止まったりすることがあった事を考えると一長一短かなぁ・・・という感じで、変に誤反応を起こすよりはいいのかな・・・
夏場になってポケットが減るとちょっと困るけど、今の時期や上着を羽織っている時ならそこにZX707を入れているのでボタン操作をする方が早かったりするので、タッチセンサーに関しては自分としてはあまり気にならない部分だったりするんですけどね。
専用アプリ・・・使えませんでした
新製品が出る前にアプリの更新が来て、製品販売時には対応しているってのが普通に当たり前な感じになってきてると思っていましたが、まさかの3月中旬に対応予定というのんびりさでした(´・ω・`)
DLしてアプリを起動したら接続する製品名としては出てくるけど、タップしたら3月中旬に対応予定と表示されるだけでした。
まぁ音質的には全く問題ない感じだったのでいいんですが、音声ガイダンスの音量がデケェ気がするんですよ。
ノイズキャンセリングの調整とかもできるようなので、ある意味で本番はソフトが対応してからなのかもしれませんね。
※専用アプリ『AVIOT SOUND ME』がTE-W1に対応しました。アプリの設定等は以下の記事で記述しています。
AVIOT SOUND MEがTE-W1に対応しました(追記アリ)
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ノイズキャンセリングの効果について
デフォルトの状態ではノイズキャンセリング/ノーマル(ノイキャンOFF)/外音取込の3モードが使用可能です。
おっさんは外音取込は99.5%使用しないので、ノイズキャンセリングモードでしか運用しません。
外音取込なんて電車に乗ってて急に止まったとかの車内アナウンス確認くらいしか使わないので、一時停止で事足りるというのもあるんですよね・・・スマホ接続じゃないから通話もしないしね。
そんなわけで、実際に通勤で使ってみた感じをWF-1000XM4と比較する形で書いてみようと思います。
また、上でも書いていますが専用のアプリがTE-W1にはまだ対応していないので、各機能の強度なんかはデフォルトのままです。
設定を変更することで感想が変わってくるかと思いますので、その時はまた改めて追記しようと思います。
基本的なノイズキャンセリングの強さ
音楽停止時はノイズキャンセリングがオンでも普通に周りの音が聞こえてきます。
WF-1000XM4なんかのノイズキャンセリングだと、無音時でもノイキャンが効いているのが分かるくらいに耳の中に圧が掛かっているというか、無音を誇張するような感じがあるんですが、TE-W1にはそれがありません。
電車に乗っていて事故などの車内アナウンスが流れた際には、WF-1000XM4の音楽を一時停止しても車内アナウンスが聞き取りにくいというのがあったんですが、TE-W1では一時停止で問題ない感じです。
外音取込を使えと言われそうですが、WF-1000XM4は右側に再生関連、左側に音量を割り当てているので、外音取込設定は外しているんですよ。
TE-W1でも左長押しでモード切替が出来るけど、切り替えがノイキャン→OFF→外音取込なので、一時停止する方が圧倒的に速いんですよ。
音楽を掛けていなくても少し静かな一人の空間が欲しい時なんかだとWF-1000XM4の方が向いていると思いますが、普段使いするならTE-W1の方が向いているような気がします。
徒歩
4tくらいのトラックがバンバン走ってる大きめの幹線道路付近だと、音楽を再生していても平気で貫通してきます。
この辺りはWF-1000XM4でも同様なので、気にしても仕方ないのかもしれません。
ただ、少し離れたところ(7mくらい先)を走ってくる車の走行音は入ってくるので、WF-1000XM4よりも少し弱いかなというかんじがしなくもないんだけど、イヤーピース次第かなという気がしなくもないです。
パーソナルエリア的な距離での音はそこそこ聞こえてくるけど、基本的には車の走行音や大きめの音以外はスルー出来そうな感じです。
ただ、普通の生活圏内の音に関するものなので、繁華街なんかだったら人との距離も近いからノイキャンの効果が少し薄いと感じるかもしれません。
風切り音は全く防げない
風切り音低減はデフォルトで有効になっていないのか、風が強い時に歩いていると思いっきり風切り音が入ってきます。
WF-1000XM4ではTE-W1の時よりも強い風でも全く風切り音は入ってこないので、風切り音低減機能の効果を実感できるんですけどね(;´Д`)
この辺りはアプリで有効に出来る事を期待するしかないかなぁって感じですね。
電車内
基本的にはWF-1000XM4と同等か少し強いかもって感じかな。
普段WF-1000XM4で気になる電車の走行音はアップテンポや普通な感じの音楽再生中ならあまり気になりませんでした。
バラードとかスローな曲だとXM4と同じくらいに感じます。
音量はそこまで上がってないと思うんですが、車内アナウンスも女性の声のものだと少し入ってくる感じですが、男性の声だとボソボソって聞こえるくらいです。
3mくらい離れた距離に座っている声の大きめのお年寄りの話し声なんかも少し入ってくるくらいですね。
大阪のおばちゃん集団が隣に座るような環境になった時は素直に諦めてください(´・ω・`)
ノイキャンに関するまとめ
デフォルトのままなので、フルに性能を発揮できているのかどうか分からない部分はあるんですが、概ね良好って感じだと思います。
決してスカスカなノイズキャンセリングではないですし、静寂感を作り出したような無音感もないので、強すぎるノイキャンの圧迫感が好きじゃない人にはいい感じのノイキャンな気がします。
TE-W1の音質について
TE-W1の音はお値段以上
ワイヤレスイヤホンはSONYのWF-1000XM4しか持っていませんが、今年で3年になるので結構使い込んでいます。
イヤーピースをコレイルに変更してから解像度も上がって、WF-1000XM4のままでいいやと思っていました。
ですが!
パッケージから出してZX707とペアリングしただけの状態のTE-W1で曲を聴いたら、ちょっとビックリしました。
ろくに慣らしも終わってないのに、低音も中高音もめっちゃ綺麗で、高音も刺さらないレベルでちゃんと鳴らしてくれる。
フラットかどうかと聞かれたら多分違うんですけどね。
ボーカルは頭の中心で鳴る感じなんですが、コーラスは少し左右に離れてとか、音の分離は当然ながら高音や低音が他の音域のものに被ってこない感じなので、TE-W1は全体的に「聴きやすさが上がっている」という感じがしました。
同じ曲を聴いてみても、XM4よりもメリハリがあってめっちゃ自分好みの音かもしれないです。
やっぱりボーカルメインの曲が多いので、聴きやすさが上がって音自体もいい音で鳴らしてくれるので、本当にお値段以上のイヤホンだと思います。
これでWF-1000XM4はお役御免かと思いきや、超高音の入った音や繊細な感じの曲なんかだとWF-1000XM4の方が向いている気がするので、気分によって使い分けってのがいいんだろうなと思います。
とはいえ、自分のライブラリに入っているほとんどの曲ならTE-W1だけで十分事足りる感じがしますね。
まとめ
当初は某店の限定セールでAVIOTのTE-J1を買い損ねたことで、ネットで見ていたら新製品が出るということで買ってみたわけですが、結果的に自分にとっては最適解だったのかもしれません。
上のクラスのイヤホンはいくらでもありますが、最近はaptX adaptive対応はしていてもLDACには対応していないものが多いので、わざわざドングルをつけてaptX adaptiveに対応させてまで使うのも面倒ですしね。
ノイキャンの効果はまだ未検証ですが、音質的には確実に一昔前の高級路線を超えた音を出しているので、メーカーの言う通りに次世代モデルなのかもしれません。
まぁ技術が日進月歩なのは今も昔も変わらないので、次から次へと新しいものが出てくるかとは思いますが、4万クラスまでいかなくてもTE-W1で十分なんじゃないかなぁと思いました。
またアプリの方が対応したら色々と追記していこうかと思います。
AVIOT TE-W1のイヤーピースをSpinFit OMNIに変えてみた
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イヤーピースをSpinFit OMNIに変更してみました。